筑波大学名誉教授 中 川 八 洋
目を何度も疑った衝撃的なテロップ(字幕)が流れるニュースがNHKから流れたのは、2016年7月13日午後7時の「NHKニュース7」。この字幕は極度に大きな字で、「天皇陛下《生前退位》の意向示される」であった。
他意・犯意が満載の極左革命語のキナ臭さは強く感じる珍奇語「生前退位」は、善意に解すれば“譲位”ともとれる。異常なスローガンの新奇語の問題より、“譲位”という二百年前1817年3月の光格天皇以来の大事件で、「現・皇室典範が明文で禁じる皇位継承方式をご意向」そのことに驚き、“誤報ではないか”“誤報なら、これほど重大な不敬事件はない”と頭が真っ白になった。正語“譲位”殺し(logocide)の“凶悪な犯罪語”「生前退位」の問題は、しばらく脇に置くしかないと思った。
ありていに言えば、今上陛下が本当に“ご譲位”される場合、それを機に一気に天皇制廃止の仕掛けが創られるのは必定。1946年のGHQの《民主化》命令に便乗して、日本側が決行した反天皇・反皇室のトンデモ制度づくりが再燃するぞと、この最悪事態ばかりが頭をよぎり、天皇制廃止を含意する“不敬の共産革命語”「生前退位」問題に怒っている余裕などなかった。
ただ、7月13日から三ヶ月後の2016年10月20日、“不敬の共産革命語”「生前退位」に対して、皇后陛下が前例のない「談話」公表というスタイルで懿旨(いし、備考1)を政府と国民にアッピールされた、真っ正面からのご抗議事件だけは、気になって仕方が無かった。縁起の悪い忌むべき言葉「生前」(備考2)と(宮澤俊義以来、日本の憲法学界で通念となった)ルイ16世のギロチン送りのための革命憲法用語「退位」とを組み合わせた“血塗られた不敬語”「生前退位」を造語するとは、天皇殺し・皇族殺しを含む皇室を憎悪する超過激な共産主義イデオロギーの持主以外には決してできない。
(備考1) 天皇陛下の「聖旨」に相当する、皇后陛下の“お考え”を「懿旨 いし」という。
(備考2) 「生前葬」「生前贈与」「生前予約(=死後に必要となる墓石や葬儀について石屋や葬儀社と費用その他を予約する事)」等、「生前」は、死が近いと当該本人が自覚した時に「まだ生きている間に・・・」の意味が濃厚。
また、このような共産革命語を造語してまでの偽情報宣伝が、例外一つなく、全てのテレビ・新聞で、軍隊の行進のように一糸乱れず完全同時に遂行された、最高度の言葉統制・言論統制は、余りに異様で異常。天皇制廃止を狂信する某政治教団が全国のマスメディア各社内に蜘蛛の巣のように張り巡らした細胞に号砲一発で命令し一斉蜂起させない限り、万が一にも不可能。
“狂語”「生前退位」への皇后陛下ご抗議に、唾を吐き足蹴した安倍晋三
皇后陛下は、2016年10月20日の八二歳の御誕生日に当たり、異例の「談話」(=「懿旨」)をご発表になられた。前日に新聞・テレビ各社に宮内庁が配布したので、全紙が同日付けでこれを掲載した。皇后陛下は、こうお述べになられた。
「ただ、新聞の一面《生前退位》という大きな活字を見た時の衝撃は大きなものでした。それまで私は、歴史の書物の中でもこうした表現に接したことが一度も無かったので、一瞬、驚きとともに痛みを覚えたのかも知れません。私の感じ過ぎであったかも知れません」。
(備考3)このご抗議は、英文で読むと尋常ではないことが、もっと鮮明。注1に宮内庁訳を掲載。
“悪魔語”「生前退位」を突き付けられ、相当の精神的ショックをお受けになられたのは皇后陛下だけではなく、今上陛下であろうことは言うまでもないこと。この故に、今上陛下の代理として皇后陛下は、「陛下が実際に発せられた通りの言葉“譲位”に直してあげて!」と、ご悲鳴を上げられたのである。問題の核心は、この懿旨(=御抗議)に対し、首相の安倍晋三がどう対応したかになる。
だが、父親譲りの冷酷さと残忍性(備考4)が人格の基底にある安倍晋三は、「皇后の抗議・要望なんか、無視してしまえ」と菅義偉(官房長官)と山本信一郎(宮内庁長官)に命じた。“天皇制廃止の凶悪共産党員コンビ”菅義偉/山本信一郎が、安倍首相に「無視すればいいのですよ」とアドヴァイスした結果だが、最終決定権者は安倍晋三だから、安倍晋三の命令となる。
(備考4)安倍晋三の父・安倍晋太郎は、強度のスターリン崇拝者で大量殺人快楽症の異常人格者だった。
安倍晋三とは、テレビカメラが入っていないと、天皇・皇室・皇族に対する態度は傲慢不遜の限り。レーニンやスターリンを気取る、その正体はまさに正真正銘のゴロツキ。マスコミの前で見せる皇室尊崇の態度・言葉遣いはすべて演技。まさに“フェイク皇室尊崇”が売りのヤクザが、安倍晋三の本性と言える。
しかも、皇后陛下がご誕生日に発表された上記「談話」は異例。とすれば、その主眼が天皇陛下に対して侮蔑と嘲笑を投げつける不敬語「生前」も、天皇制廃止の処刑を含意する“赤い悪魔語”「退位」も、双方とも抹消して欲しい、正しく“譲位”に糺して欲しいと、政府と国民に対するアッピールなのは明らか。ならばなおのこと、この皇后陛下の懿旨は、政府が謹んで絶対にお承けすべき事柄。
だが安倍晋三は、これを鼻から無視した。皇后陛下の悲痛なご要望(=懿旨)に唾を吐きかけ足蹴にした。これをもって、“前代未聞の大不敬事件”と言わずして、何を不敬事件といえるだろうか。安倍晋三は何故、この大不敬の蛮行を躊躇うことなく断行しえたのか。“天皇には譲位をさせない=皇太子に受禅させない”が、天皇制廃止を狂信する“コミュニスト二代目”安倍晋太郎を継ぐ、“20%民族主義だが、80%共産主義者”安倍晋三の確固たる信条だからである。
“譲位”殺しの革命語「生前退位」は、本当にNHK記者(橋口和人)の造語か
“悪魔の四文字”「生前退位」は、2016年7月13日以降、日本のマスメディア界を絶対君主のごとく完全に席捲し君臨した。新聞テレビがなした犯罪は、確信犯の犯意をもって“悪魔の四文字”「生前退位」を徹底流布しただけではない。天皇・皇族および政府高官等が二文字“譲位”や二文字“退位”を実際には発しているのに、新聞テレビは一紙一局の例外なく、これを「生前退位」を口にしたと改竄した虚偽報道をした。事実の「発した言葉」をかくも“改竄”するのは極めて重大な犯罪報道。二つの事例を紹介する。
例1;天皇陛下のお言葉は“譲位”と発せられている。これを日本の新聞は、全紙が談合し口裏を合わせ、「生前退位」と報道した。代表として、2016年10月20日付け『読売新聞』の記事。
一面トップの大見出しに「《生前退位》事前に相談 陛下 皇太子・秋篠宮様と」とある。だが、今上陛下はこのとき二人の皇子と、「生前退位」をご相談などなさっておられない。あくまでも正語“譲位”をハッキリ用いられて、三名で“譲位について”ご議論なされておられる。
また、今上陛下は、2010年7月22日、宮内庁長官の羽毛田信吾や前・侍従長の渡辺充もいる参与会議(参与は通常三~五名)で“ご譲位”のご意向を初めてお漏らされた。ここでもハッキリ正語“譲位”でお述べになられておられ、共産革命語「退位」など決して口にされておられない。同席した参与・三谷太一郎(日本政治史が専門の東大法学部教授、岡義武の弟子、教条的共産党員)もそう証言している(『産経新聞』2016年10月18日付け)。なお、羽毛田信吾も渡邉充も、稀代のコミュニスト。
例2;安倍晋三と菅義偉の両名は、2016年7月以降の、記者の質問等には「ご退位」と口にし、「生前退位」という四文字を使用していないようだ。つまり両名は、正語“譲位”を天皇制廃止語「退位」に改竄したが、侮蔑語「生前」を使用していない。だが、例えば産経新聞は、安倍や菅が「生前退位」を口にしたかに報道した。例として、2016年10月20日付け『産経新聞』一面の、小見出し「菅長官『通常国会に法案』」の記事をとりあげる。安倍内閣は「退位」という言葉しか用いていないとすれば、産経新聞の記事は、次のように、それを「生前退位」と改竄したことになる。
「菅義偉・・・述べた。・・・政府が生前退位の対応で具体的な日程に言及したのは初めて。・・・生前退位をめぐっては、安倍晋三首相の私的諮問機関が・・・」
この問題、いったんここで中断。「生前退位」という、日本語としても異様すぎ、一般的には発想不可能な言葉を、誰が何故に造語したのか、という問題に話を進めよう。衆知に従えば、NHK記者・橋口和人が造語の犯人だとされている。確かに、表向きは橋口和人か、そのNHK上司である。
NHKの橋口は今上陛下のご譲位スクープで「平成28年度新聞協会賞」を受賞した(注2)。が、スクープで受賞したのだろうか、それとも共産革命語「生前退位」を広く流布せしめた、“正語「譲位」殺し”の功績で受賞したのだろうか。後者だろう。一般社団法人の日本新聞協会は、共産党本部が直轄する機関である。
つまり、橋口和人とその上司が「NHKニュース7」で悪魔語「生前退位」を流した主役だったのは事実。が、この言葉の造語は別人・別機関だったと考える方が、真実だろう。何故なら、宮内庁からリークしてもらった2016年2月上旬から放送した7月13日までの半年間、橋口は上司のほか少なくとも数人とは何度も何度も相談したはず。橋口本人か、その中の一人が某巨大政治教団に持ち込み、この(国語力がある、東大法学部卒の弁護士が沢山いる)某巨大政治教団が共産革命語「生前退位」を造語し橋口和人の頭に注入した可能性は現実的に高い。橋口和人は、国語力が極度に劣悪で造語などできない。
譲位・受禅を法的に禁じ、儀式でも完全抹殺の“天皇制廃止狂”安倍晋三
さて、安倍晋三が菅義偉と山本信一郎と三人四脚で、いやこれに内閣法制局長官の横畠裕介を加えた“徳仁《新天皇》陛下をラスト・エンペラーにする四人組”が、2016年7月13日から無人の荒野を暴走する如く、「4・30儀式」を今上陛下に“廃帝!”と宣告する人民法廷にせんと、白昼公然にそれを進めてきた。それを時系列にした表1は、この人民法廷づくりの革命アジェンダを示唆する。
日本国民のほぼ全員の誰もが知っている(平安時代から一千年続く)常識語“譲位”を断固排除して、“譲位”を禁止すると定めた「退位」特例法を制定した後、続いて、上記の四人組は、全く不必要な「4月30日儀式」を設けた。が、日本国民は、この「4月30日儀式」が恐ろしい光景になる事など夢にも想像していない。共産革命は、気付いた時はすでに遅し、が常。
表1;譲位・受禅を法的に禁止し儀式上も完全抹殺した、天皇制廃止に走る安倍晋三の“大犯罪”
“譲位”禁止の「退位」特例法を逆さに、「譲位特例法」だと真赤な嘘を流す産経新聞
“譲位を禁止する/受禅を禁止する”、反天皇・反皇位継承の法律である「退位」特例法が、2017年6月に成立するに当り、北朝鮮人が編集を牛耳る天皇制廃止狂の“民族系偽装”産経新聞の報道は突出して異常を極めた。何故なら産経新聞は、“狡猾さ日本一の悪新聞”らしく、譲位禁止を定めた「退位」特例法を逆立ちさせ、「譲位特例法」だと真赤な嘘ラベル報道に全力を挙げたからだ。
また産経新聞は、菅義偉と御厨貴の共産党員コンビが独裁的に運営した「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」についても、「“譲位”有識者会議」だと、事実を転倒させた真赤な嘘キャンペーンをなした。「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」の「天皇の公務の負担軽減」の真の意味は、“天皇在位に定年(老年)退職制度を導入する”というもの。それは天皇を国家公務員と同一視するということ。
内閣官房や内閣法制局の公式見解は、「“天皇は国民の下僕”であるから、よく働いたらご褒美として定年退職を認めてあげよう」である。有識者会議のタイトル「天皇の公務の負担軽減」は、これを多少オブラートに包んだ表現。ところが産経新聞はこの事を知っていたからこそ、「天皇の譲位を絶対に認めないぞ!」「天皇を定年退職させるぞ!」の反・天皇制度づくりに腐心した有識者会議に、真赤な嘘ラベル「“譲位”有識者会議」を貼り、有識者会議の本当の目的と正体を隠蔽してあげた。
産経新聞が、これほど“悪辣な嘘、嘘、嘘”を意図的に流し続けたのは、産経新聞の購読者である神社本庁と日本会議が“「退位」特例法の言葉「退位」は何か変だ”“天皇制廃止のニュアンス濃い左翼用語のようだ”“「譲位」に正しく直すべきだ”と覚醒して、日頃親しい安倍晋三に猛運動を起こさないよう、「退位」は「譲位」と同義ですよと騙すのが目的。神社本庁と日本会議を封殺的に無力化する(知的痴呆化する)、つまり安倍晋三による共産革命が整然と遂行されていく事態を全く見えなくする(完全盲目化する)のが、“極左「反日」新聞”産経新聞が驀進している筆頭目的。
神社本庁や日本会議は、ほとんど無学無教養ないわゆる知的最下層の人々しかおらず、“民族系偽装”産経新聞が強烈な天皇制廃止を社是としている事実すら見抜けない。2004~6年、社長の住田良能(北朝鮮人)が天皇制廃止に直結する女性天皇・女系天皇の制度づくりに「万歳!」と歓喜の声を上げ共産党とチークダンスを踊り狂っていたように、産経新聞とはそのような極左「反日」が正体の赤黒新聞。が、こんな事実すら、蒙昧な神社本庁や日本会議は無知。
だから、神社本庁や日本会議は、嘘っぽさバレバレのお粗末詭弁に過ぎない、『産経新聞』2016年10月28日付け校閲部長名の釈明の嘘すら見抜けない。それは、某巨大政治教団からの命令としての悪魔語「生前退位」の流布宣伝は(ある事情で)できなくなりましたと読者に通告すると同時に、「代りに新しい真赤な嘘・捏造の報道をします」の、報道犯罪は続行する旨の宣言文だった。
この記事のタイトルは、驚き呆れる「これからは、生前退位ではなく、譲位とします」だって。これでは「産経は“虚報”報道が絶対社是の新聞です」の自白に等しい。報道の使命と責任は、報道対象となった発言を事実のまま記事にして、決して改竄しない事。が、産経新聞は「これまでは報道する発言の言葉すべてを《生前退位》に改竄したが、これからはどんな発言でも《譲位》に改竄する」と、改竄を産経は止めないと校閲部長名であっけらかんと宣言したのである。
具体的には、民族系読者への共産革命語「生前退位」ではどうも“譲位”を忘却させる洗脳がうまく行かないので、安倍内閣が進める“譲位禁止の「退位」”を180度逆に逆立ちさせ、「譲位禁止は、譲位である」と、真赤な嘘をこれからは徹底的に報道します、と外信部長は開き直ったのである。「今上天皇を定年退職させる」「廃帝!と宣告する」大不敬の皇位継承つぶしを、逆さにも「譲位」だと真っ赤な嘘ラベルを貼ります、と外信部長は盗人猛々しく宣言したのである。これが、産経新聞の正体。
今上陛下がお使われた実際の語彙は“譲位”。安倍晋三や菅義偉は、今上天皇の実際のお言葉“譲位”を拒否し、共産語「退位」と口にし続けた。共産革命の某巨大政治団体と常に密接に協議する赤黒さ100%の産経新聞の外信部長(時田昌)の、その恐ろしい嘘と詭弁を二つ例示しておく。
A;「《生前退位》は用語として広まったのは・・・」
←2016年7月14日をもって全紙が一斉に共産革命語「生前退位」を(軍隊の行進のごとく)用い、正語“譲位”はむろん、極左イデオロギー語“退位”をも瞬殺的に完全抹殺した。この事態を「次第に自然的に広まった」と言うのか。
B;「《生前退位》は過渡的な役割を終え、《譲位》こそ今後の説明に適した言葉だと考えます」
←皇位継承は、「崩御→践祚」か「譲位→受禅」の二種類しかない。つまり“譲位”は、説明用の言葉ではない。皇位の代替わり方式を表現する語彙である。今上陛下は、後者の方式「皇太子に譲位したい」と御諚されたのだから、この通りに報道するのが新聞社。
安倍内閣は今上陛下に叛旗を翻し、「譲位を絶対にさせない」「退位という名の“廃帝”処理をする」という方針に転じた。これに対し「安倍内閣を支持するか、支持しないか」の態度を闡明するのが、報道機関として産経新聞の社会的責任だろう。だのに、「《譲位》こそ今後の説明に適した言葉だと考えます」とは、安倍内閣の反・天皇革命「譲位を絶対にさせない」「退位という名で“廃帝”処理をする」に協力し、これこそが“譲位”だと逆立ち嘘ラベルを貼ってあげ、“《譲位》つぶしと今上陛下への《廃帝》宣告”が円滑に遂行されるべく、天皇制廃止革命の一翼を担う最凶詭弁の何物でもない。
事実「遊漁船が潜水艦《なだしお》に衝突」を逆さTV報道した手口と同一
1988年7月23日、犯罪歴のある大型遊漁船(釣り船、船名「第一富士丸」)が、賠償金欲しさに意図的に衝突した可能性もある異様な左旋回をして、すでに右旋回で回避動作をとっていた海自の潜水艦「なだしお」に衝突した。遊漁船の乗客が三十名も死んだ原因の第一は、その船の改造後構造に大欠陥があり、一分以内の瞬時に沈没したからである(三十名中二十八名は船外に脱出できず船内で死亡)。第二の原因は、第一富士丸の船長が、自分たち三名(船長、機関長、船員)だけ大型ゴムボートに飛び移り、一切救助しなかったからだ。
潜水艦は排水量三千トンもあるため、衝突後に後進エンジンを止めたが、慣性で二百メートル以上も衝突地点より離れていた。海上に投げ出された幸運な乗客等の十五名は近くにいたヨットと第三松和丸(小型タンカー)にすぐに救助されていた。潜水艦が現場に戻ってからの救助三名は物理的に三名しか潜水艦の近くには浮かんでいなかったからで、救助率は百%。一方、大型ゴムボートに乗っているのに、第一富士丸の船長による救助者はゼロ名で、救助率ゼロ%だった。
だが、衝突事故の詳細がまだ全く不明な(沈没二日後の)7月25日、この日付けで『毎日新聞』夕刊は、「助けて!の叫び黙殺」「何人も沈んでいった」との大見出しで潜水艦が救助しなかったと真赤な嘘報道をした。この証言をしたのは、遊漁船に売春目的で乗船していた高島喜子(19歳)であった。毎日新聞記者から10万円を貰い偽証したのである。高島喜子が海に浮かんでいる時、潜水艦は近づいてきていたが、まだ百㍍ほど離れていた。潜水艦側には高島喜子の声は聞こえないし、その姿も見えない。しかも高島喜子は、第三松和丸に救助されており、海上には浮かんでいなかった。
問題は、新聞テレビの大規模で異様なデッチアゲ報道である。この毎日新聞の記事を号砲に、全紙が一斉に同じ嘘内容を大キャンペーンしたからだ。翌朝7月26日付け『朝日新聞』は「救助遅れた潜水艦に怒り」「《助けて》叫んだのに 艦員何もしなかった」である。産経新聞も、日頃の厚化粧演技「自衛隊シンパ」(備考)などどこ吹く風と、極左「反日」新聞の正体を露わに、「(潜水艦の自衛官)十数人見ているだけ…」(7月26日付け)「救助せぬ理由を聞き腹が立つ。自衛隊が百%悪い」(7月31日付け)・・・と、朝日新聞と何ら遜色のない嘘報道をした(注3)。
(備考)日頃、産経新聞は、自衛隊を熱烈に支持しているかの記事を書き、多くの自衛官と昵懇である。自衛隊のさまざまな情報をモスクワのKGB第一総局(SVR)に通報するためである。産経新聞社の記者と付き合っている自衛官はすべて懲戒処分に付す必要がある。産経新聞は丸ごとSVRに管轄されている。
遊漁船が潜水艦「なだしお」に衝突した事故で、全ての新聞テレビが一糸乱れずに一斉に「潜水艦側は救助しなかった」という真赤な嘘報道をしたが、これと、前日のNHK報道「生前退位」を合図に翌日2016年7月14日から全ての新聞テレビが「今上陛下の譲位したい」を「生前退位したい」に改竄して報道した捏造報道事件とは、余りに完全一致し過ぎることに読者はもう気付いただろう。
天皇・皇室・皇族は、長官はじめ宮内庁職員と口をきいてはなりませぬ
2010年7月22日夜、今上陛下は、三名の参与(三谷太一郎ら)、宮内長官・羽毛田信吾、侍従長・川島裕、元侍従長・渡辺充の六名を相手に、「近い将来、譲位ということを考えたい」と、譲位を相談されておられる。この話を2016年10月に知った時、私は愕然として(15分ほど)体が硬直してしまった。
燦然と二千年間も輝き続けた世界最高の由緒正しき天皇制度がついにここまで零落したか、と。これは天皇をして砂漠か荒野で彷徨われる落ち武者(備考)か何かに貶めている状態。それなのに、国民誰一人として、この事態を憂慮しないし憤慨もしない。私は、公憤が今も収まらない。
(備考)名門出の落ち武者は、永年仕えた家来を一人残らず失い、荒野で偶然に出会った野盗六名を臨時従者にした。が、素姓定かでないこの六名に襲われ、残っていた最後の財産すべても奪われ丸裸にされてしまった、このような光景をイメージされたい。
天皇・皇室は、伝統ある家柄の忠臣群に囲まれておられなければ、天皇制度の生命を永らえることはできない。具体的には、“皇室の藩屏”堂上公家(平均一千年以上続く家柄、最低でも数十家)に囲まれること。次に、十を超える宮家皇族の皇親群に囲まれること。さらに、宮家皇族以外の皇室親族(たとえば黒田清子様ほか)に囲まれていなくてはならない。現に、譲位問題は、上級公卿の堂上公家に相談すべきが筋の皇室の一大事である。が、そのような「上級公卿の堂上公家」は、制度が破壊し尽くされ存在しない上に、実態上でも存在しない。戦後、日本の政治家で、天皇制度を守るべく、堂上公家制度の復活に動いた国会議員は一人もいない。
現実には、この2010年7月22日のように、皇統や皇室制度について完全に無知蒙昧な上に、譲位・受禅など有職故実に白痴以下の素人官僚や素人政治学者に、天皇陛下御自身がご相談されるという異常な光景は、我が日本国の天皇制度に絶対にあってはならない。しかも、下劣・下等な人格が顔に滲む羽毛田は京大時代から民青の共産党員、育ちがいい渡邉充も朝日新聞お気に入りの天皇制廃止が信条の極左人士、三谷は東大時代から民青の怖い共産党活動家。
昭和天皇のごとくに、天皇や皇室は、こんな札付き革命家たちと断固闘い排除すべきに、あろうことか逆にも、“譲位”という連綿すべき皇統の枢要を相談せざるを得ない情況とは、皇室制度が実態的に自壊し自然消滅の過程にあることを如実に示している。戦後、佐藤達夫ら赤い内閣法制局と宮澤俊義ら赤い東大法学部教授たちが、GHQの民主化に便乗して、GHQの方が吃驚した、“皇室の藩屏”公家ゼロのトンデモ制度に改悪したが、ついにその成果がほぼ99%成就したと言ってよい。現に、羽毛田(及び直系後任の山本信一郎)や渡辺充らは、2010年7月以来ここ数年に亘り、今上陛下の譲位ご意向を悪用し、譲位を禁じて“廃帝”宣告の人民法廷に摩り替える算段に頭を集中してきた。今日の日本では、これほど白昼公然の共産革命が可能となった。
堂上公家を制度的に復活させ、まずは、侍従長と侍従次長のポストは堂上公家出身者に限るようにしなければならない。次に、天皇・皇室は、決して宮内庁官僚と直接接触をしないようにして、両者の間は江戸時代の“武家伝奏(二名)”と同じ、二名の“官庁伝奏”という役職が取り次ぐ制度を復活させねばならない。むろん、この官庁伝奏も堂上公家しかなれない制度とする。
一言で申せば、畏れ多いことですが今上天皇と新天皇におかれては、スローガン「皇室の周りは、旧皇族、公家、皇親(皇族でない皇室の親族)で固めよ」こそ、ご拳々服膺されるべき、最終局面にお立ちにございます。
本ブログの読者は、もし皇統護持に僅かでも貢献せんとの精神があるなら、拙著『徳仁新天皇陛下は、最後の天皇』第三章第二節を再度熟読して頂きたい。
世界的歴史家の碩学ブルクハルトは、「国家の存続は、一にイデオロギー、二に軍事力を含む国防政策」だと、われわれに国家存続の困難性を警告してくれている。この箴言を日本版に修正すれば、「日本国の存続は、一にバーク保守主義(=反共)に立脚すること、二にクローデル流の皇統護持を国家存続に織り込むこと、三に精強な軍事力の国防態勢に全力をあげること、にかかっている」となろう。皇統護持にあらん限りの政策を遂行するに労を惜しんではならない。皇統護持なくして、日本国の存立はありえない。
注
1、It came as a shock to me,however,to see the words SEIZEN-TAII(生前退位) printed in such big letters on the front pages of the papers.It could have been because until then I had never come across this expression even in history books that along with surprise,Ⅰ briefly experienced pain upon seeing those words.
2、『新聞研究』2016年10月号、10~13頁に、橋口和人の下劣な受賞自慢話が掲載されている。小学生に紛う極度に低レベルの文章から、橋口和人の国語力や文章教養が透けて見える。橋口には、高度な政治用語「生前退位」の造語能力が皆無なのが解る。
なお、“産経新聞の飛び抜けた悪”時田昌・外信部長は、上記の署名記事で、スーパー創り話「橋口和人は、三十二年前の1984年の参議院内閣委員会での質問で使用された言葉を転用したので、橋口の造語でない」と嘘八百を嘯く。橋口もNHKも語彙「生前退位」につきそんな釈明は一言も言っていない。時田は、何でもかんでも真赤な嘘デタラメ記事を垂れ流す“ゴロツキ記者が九割以上”の産経新聞の典型。
3、原正壽『マスコミ煽動 潜水艦なだしお事故の歪められた真実』、全貌社。『週刊新潮』1988年10月13日号。真神博「《なだしお》に見殺しにされた海没者はいない」『文芸春秋』1988年10月号。
(附記) 策に溺れて失敗した私の自省メモ
「退位」という言葉は、スターリン/ベリヤに直属する“ソ連工作員”近衛文麿が、戦後すぐ1945年10月、昭和天皇を東京裁判に訴追させ絞首刑に追い込む目的で「退位のススメ」を新聞に発表したことによって、一般日本人が初めて目にした吃驚仰天の共産革命語。王制主義の米国は在位中の天皇を訴追することは決してしないが、平民となった元・天皇なら訴追する可能性が高かった。多少の学があり、天性の情報通だった近衛文麿は、このことを百も承知。
また、政府部内と学界に共産語「退位」が初めて登場し同時に広まったのは、内閣法制局が主宰した1946年春の「臨時法制調査会」で宮澤俊義たちが頻繁に使用したからである。宮澤俊義はフランス革命の信奉者で、ルイ16世をギロチン送りにしたフランス1791年9月革命憲法を、新皇室典範の基軸にせんとし「退位」条項の条文化に拘った。近衛も宮澤も昭和天皇処刑論であり、“天皇処刑のための退位”を推進した。以上は、拙著『徳仁《新天皇》陛下は、最後の天皇』第六章。
2017年の「退位」特例法の「退位」は、この宮澤俊義の狂気の学説を後継したもので、血生臭い天皇殺しを基調とする。ギロチン処刑に直行したルイ十六世の「退位」や、銃殺を招いたニコライⅡ世の「退位」を理念とする「退位」である。私が、2016年7月13日のNHK「生前退位」ニュースに、すぐさま天皇制廃止語「退位」を正しく“譲位”に糺さねばと一大決意したのは、日本の憲法学界における用語「退位」の、このような血塗られた用法に精通していたからである。
が、私の迂闊さは、安倍晋三や菅義偉が新聞テレビと同じくトンデモ語「生前退位」を使用しているかの改竄報道を鵜呑みにしたこと。安倍晋三に照準を合わせ、安倍の「生前退位」を“譲位”に是正させるにはどうするかを、安倍の思考回路から二段階方式をとる事にしたこと。第一段階は、「生前退位」をいったん「生前譲位」に半分是正する。安倍が「生前譲位」に自己改善したら、第二段階として「譲位」に是正する。「生前退位→生前譲位→譲位」の二段階方法。
安倍晋三が天皇処刑や天皇制廃止を含意する革命語彙「退位」に、これほど固執するとは、想像していなかった。2017年6月に成立した皇室典範増補「特例法」のタイトルは、“譲位”特例法ではなく、「退位」特例法だった。“被検体”安倍晋三に関する私の思想解剖は、甘すぎた。 初めから【「生前」はダメ! 「退位」は絶対にダメ!】と、正語主義(正名論)に則って真正面から主張するべきだった。姑息にも「生前譲位」などいう中間段階用の言葉などつくるべきではなかった。特に、皇后陛下の懿旨を慮れば、最初から正名論こそ曲げてはならない原理原則。皇后陛下への国民の忠誠義務においても、これ以外の選択肢(策を弄した二段階作戦)など自制すべきだった。