筑波大学名誉教授 中 川 八 洋
(本稿は、長くなりすぎ中断した前稿に連続する、その後半の半分)
日本でもトランプ支持者と朝日新聞に代表されるバイデン支持者とが対立している。日本のバイデン支持者の多くは、共産党員や共産主義者など、visibleな「反日」勢力が主力。私は日本のバイデン支持者に対しては蛇蝎を見た時のあの嫌悪感をもって嘔吐を催す。が同時に、トランプ支持の日本人に対しては、“国益がわからぬ単細胞野郎!”と、軽蔑の感情が迸る。
私のこの微妙な立ち位置は、米国の東部における数百名の保守系知識人(大学教授&シンクタンク研究者、ほとんどがPh.D)の多くと同じである。親ロという“反・米国国益の極み”トランプ外交によって、世界秩序メーカー米国の外交構造は、自壊作用を起こしてしまい、今や修復不可能のフェーズに至った。むろん、独りトランプ外交の所為ではなく、マルクーゼ系コミュニストである前任者オバマの核廃絶(米国核戦力の対露/対中相対的大削減)と、トランプの時代錯誤「America First=America Alone米国独りぼっち」狂いが合体したことによって生成された、世界にとり最悪の十二年間の結末。
すなわち、トランプ政権が今後四年続いても、バイデンが四年間大統領になっても、日本が中ロに侵略されて確実に地球から消える“中ロが分断占領する日本列島”が現出するその直前状況が、これからスピードを上げて形成される。
“史上空前の対ロ売国奴”で凶悪コミュニスト安倍晋三の“反・国防&超バラマキ福祉&新生児数激減による民族絶滅策”八年間を通じ、日本憎悪の“国家「自滅」政治”は一線を越え、深部に及ぶ国家腐食が進捗し、日本民族は劣化どころか動物化し、“日本国の死亡宣告”は悪夢ではなく現実となった。日本国を包む絶望の暗い黒雲は、コールタールとなって日本列島にベットリへばりついている。今や、日本には太陽の光は一条も射していない。
北方領土を露に貢ぐ“反日の狂人”安倍晋三に激昂しないトランプは、米国大統領か
話をトランプ外交に戻す。トランプは「RCEPに絶対反対だ!」とは一言も発したことはなく、“経済の反中同盟づくり”を主導する米国の責任を放棄した。トランプはまた、「北方領土をロシアに貢ぐ“悪魔ロスケ”安倍晋三の日露平和条約狂いに絶対反対する」とは公言せず、ロシアの対対日軍事侵略(=日本のロシア属国化)から“自由な海”西太平洋を軍事防衛する、永年負ってきた米国の責任をも放棄した。
「America First」外交とは、米国が世界の孤児(Alone、独りぼっち)になって、地球全体が中ロに席捲されていくのを、指を咥えて傍観する“米国の冬眠”の事。日本にとり最悪の国際情勢が訪れるのは必然だし不可避となる。現に、習近平の香港/ウィグル/チベット/内モンゴルへの弾圧と強権的な支配はスターリンの再来だが、トランプは指を咥えて何もしない。これが世界を無秩序な巷に抛り出す“無責任「傍観」主義”「America First」の正体なのだ。
南シナ海を軍事化し内海化するという、習近平の軍事的大膨張に対してもトランプは何もしない。全て放置。尖閣諸島の防衛に関し、日本に対して「尖閣の魚釣島を要塞化しろ、自衛隊を常駐させろ」と、安倍晋三を一度たりとも叱ったことがない。尖閣は米国の領土でないから、トランプにとってどうなろうとどうでもいいのだ。このように、「America First」とは、トランプのごとく、米国国内問題しか見えない/米国国外問題に完全盲目となる外交のことをいう。BLMで暴動に走る(外交無関心の無法な)下層黒人と、国際政治が靄に霞んでいる「America First」狂のトランプの確執は、五十歩百歩の近親憎悪。
また、尖閣を守るにも台湾を守るにも、日本に“中古の原潜”ロサンジェルス級八隻を購入させ、軽空母四隻を米国に発注させなければならないが、トランプは、この事を安倍晋三に迫ったことがない。トランプが口にしたのは、「駐留米軍経費の負担を二倍にしろ」だけ。すなわち、軍事音痴/国防産業音痴のトランプは、軽空母四隻の代金の方が駐留米軍経費の増額よりもはるかに大きな現金と雇用とを米国に齎すことすら発想できない。
この事実は、トランプと米国国防総省やその四軍との間の意思疎通が今では完全にアウトになっている最悪事態を暴露している。トランプに「日本に再軍備させよう」と進言する国防省の高官がゼロというのも、この一つ。軍の信頼を一切失ったことで、“暗愚の大統領”カーターと並ぶ“史上最悪の大統領”トランプでは、有事に米軍は動かない。日米同盟の形骸化・画餅化が発生してしまっている。
トランプは、日本の国防という国益の観点からは、重大欠陥車だから、米国大統領職を去ってもらった方がいい。次のバイデンも、日本の国益に適う大統領である可能性は全くのゼロと言える。日米同盟は、日本を守る日本の堅固な砦から、多少は遠くから日本を援護射撃する、ほとんど「フレー、フレー、日本」の“声だけ応援団長”へと変貌している。
日本を守るのは、第一に日本国を守る十全たる日本国の兵力・武器。第二に血を流して自国を守らんとする日本国民の倫理的精神。日米同盟は、プロ野球のスタンドで檄を飛ばす応援団に変貌し、無いよりあった方がましのレベル。この意味で、「米国大統領には、トランプがいい、バイデンがいい」と騒ぐ輩は、他力本願の三歳児。双方とも日本国を毀損する害虫。日本から出ていけ!
“菅義偉よ、茂木敏充の首を斬り日中平和条条約の破棄を習近平に通告せよ。「米国をレーガンの介入主義/同盟主義に回帰させる」事が、日本が今すべき国家の存亡を賭けた最優先外交だ!” の続きを読む