筑波大学名誉教授 中 川 八 洋
スターリン直属の赤軍だった“赤い悪魔の帝国陸軍”から日本国と日本国民を救出したのは“神風”ポツダム宣言であった。また、赤い魔毒に麻痺した日本国を半ば洗浄して再生したのは占領米軍のウィロビー少将や東京裁判のキーナン首席検事ら“愛・日本派”の保守主義者たちであった。
“奇蹟”ポツダム宣言に、“日本救出の神風”を御直覚されたのは、言うまでもなく、“天才大帝”昭和天皇であられた。昭和天皇の偉大な御聖断を奉じ殉じたのが、田中静壱・陸軍大将と森赳・陸軍中将の二人の軍神。戦後日本が1968年頃まで、曲がりなりにも「保守」でありえたのは「ポツダム宣言受託の昭和天皇と、田中静壱らの至高の祖国愛に依拠している。
が、戦後の日本は、日本救国に命を棄てた“軍神”田中静壱/森赳の銅像を、和気清麻呂と並び皇居前広場に屹立的に建立し賞詞する“国家の当り前”をしなかった。田中静壱/森赳の銅像を欠く、何とも空無が漂う皇居前広場の光景に、私が「日本は再び赤化して国家として滅びに至り、祖先の墓と歴史が眠る領土を失い、日本人が地球放浪者となる」との予感に襲われ憂鬱になった最初が、思えば、1963~5年の頃だった。
それから五十五年、今や、この予感が現実のものになろうとは、語る言葉が見つからず、ただ絶句し茫然と佇むのみ。現に、ここ三年間ほどの洪水となって溢れ出る出版書籍を見ても、愛国心を持って日本国を守ろうとするのは、グレンコ・アンドリー/遠藤誉/佐々木類ら、たった数名しかいない。日本中から真正日本国民は、事実上、一人残らず完全に消えた。
現に、今や滅亡寸前の「末期」日本では、「子孫のツケで、金をバラマケ!」と叫ぶ“狂った屍体”一億日本人の他は、やんやと日の丸を振る「在日」北朝鮮人(“擬装”民族系)と、SDGsで日本共産化に驀進する共産党員の革命勢力とが組んで垂れ流す、ヒトラー顔負けの煽動「嘘だらけ」新聞・書籍しか見当たらない。1980年代末から、1930年代の“狂愚”日本が徐々に再現されて顔をぬっと出してきて、1990年代には再び、日本を反日「極左」に改造した。以来三十年、日本は、窒息させられ屍体となった。人間でなくなった日本人が、生きているとすれば、ゴキブリの変身か。
第一節 尖閣・魚釣島/宮古島/石垣島など島嶼防衛は100%不可能
日本人の頭が新型「脳内肺炎」でアヒルやブタ並みになった情況が、さる1月20日に国会が始まると同時に証明された。新型コロナ・ウィルス問題は、生物・細菌兵器研究所から漏出したウィルスである可能性の有無の問題を除けば、武漢市がある湖北省とその近隣の省に滞在した/居住する支那人の入国を(場合によっては全支那人を)即時禁止すればいい行政措置の話。日本が国民挙げて大騒ぎする国家レベル問題ではない。
なぜなら、幼稚園児や小学校一年生に「手を洗いましょう/マスクをしましょう」を注意するための、「新型コロナ・ウィルスの感染者の数」など、「テレビでは(ニュース番組として)三分間以内、新聞では社会面三段記事で充分」。それなのに、日本の新聞テレビは、連日、“テレビでは各局数時間、新聞はどれも一面報道”と言う大騒ぎ。つまり、日本の新聞テレビは、新型コロナ・ウィルス保菌支那人十億人同時来日より恐ろしい習近平「国賓」問題を日本人の脳裡から消すべく、習近平の中共に命令されるまま、日本人に対し「最重要問題消去」の洗脳をしているのである。習近平の太鼓に合わせて踊り狂う“アヒルやブタになった、世界一の馬鹿民族”日本人を、中共は、「日本国の亡国は近いな」と軽蔑をもって笑い転げている。
日本国民が今、中共に関して直面している国家的問題は、①中共の対日侵略が目前に迫っていること。及び②自衛隊はそれに対処して日本を守ることを万が一にもしないと決定したこと。の二つ。以下、論じるのは、この②。
②について日本人は、七十五年間続く朝日新聞と共産党による赤化教育と、共産党とロシアKGBが共同管理する“民族系衣裳”産経新聞/日本会議という「日本亡国の促進を目的に設立された、“保守潰し”教宣団体」によって足指のてっぺんまで洗脳されたため、判断するに不可欠な最小限のイロハ知識すら欠如する。最初に、この「最小限のイロハ知識」を述べる。読者は拳々服膺されたい。
1、島嶼防衛ベストは、硫黄島(栗林中将)/ペリリュー島(中川大佐)/沖縄本島(牛嶋中将)
島嶼防衛とは、「二ヶ月間持ち堪えて玉砕する」事を指し、これ以外ではない。「上陸してくる敵軍事力を最終段階で打ち負かし、島嶼を守り続ける」など、漫画でも描けない気狂いの大妄想。これは、過去二千年間、人類が積み重ねた戦史が証明する“科学以上の科学”である。
この意味で、島嶼防衛のベストも島嶼防衛のワーストも、結果「大敗北」を共通とする。つまり、勝利をベスト/敗北をワーストとする、通常の戦争とは基準を異にする。
(1)硫黄島防衛・玉砕は、2006年末に公開された映画、クリント・イーストウッド監督『硫黄島からの手紙』で、日本人にも広く知られるようになった。この時イーストウッドは、自分の事を「日本人監督」と言い、映画『硫黄島からの手紙』についても、アメリカ映画ではなく「日本映画」だと公言した。イーストウッドが渾身込めて日本人になりきり製作した、彼の意気込みが伝わってくる。
この前年2005年、梯久美子『散るぞ悲しき』(新潮社)がベストセラーになり、映画『硫黄島からの手紙』と相乗効果で、さらに売れた。イーストウッドが『硫黄島からの手紙』を発想した原点は、栗林忠道が米国から送った長男・太郎への絵手紙と硫黄島から長女・たか子に送った手紙を集めた『玉砕総指揮官の絵手紙』(小学館文庫、2002年)だとされている。
硫黄島防衛戦は、ペリリュー(パラオ諸島)や沖縄本島の戦いと同じく、後退縦深防禦を行った正統戦闘。一方、軍事音痴のアホ馬鹿間抜けの水際戦闘で将兵を大量に犬死させたのが、サイパン/グアム/テニアン/タラワ(ベティオ)/クェゼリン/アッツ等の戦い。
日本人は、戦後、大東亜戦争を反省することがなかった。「戦争反対」の二文字“戦争”は抽象語であり、特定・具体的な「大東亜戦争否定論」とは異次元。一方、朝日新聞/共産党/旧帝国陸軍の赤色エリート将校たちは、大東亜戦争(=日本赤化と一億日本人皆殺し)の真相・真実が暴かれるのを絶対阻止せんと、あらん限りの策謀と教宣に全力投球した。彼らはまた、大東亜戦争の真相隠蔽だけでなく、大東亜戦争から戦後の国防を学ぼうとする真面な日本人すら徹底排斥した。かくして一般日本人は、朝日新聞/共産党/旧帝国陸軍の赤色エリート将校から注入された、洗脳の呪縛から、今尚、自由な発想をすることができない。
そこで、大東亜戦争の真相を隠蔽する戦後日本の一端を垣間見よう。戦史学界の学者99%は共産党員か共産党のポチで、例外は私一人。半藤一利らノンフィックション戦史作家も、西尾幹二ら俄かエセ現代史評論家も、一人残らず、共産党と裏で通謀・内通する極左「反日」。これらに、名越二荒之助や岩田温ら“北朝鮮人の「偽装」民族系”が、毒蝿の如くに大量に群がる。日本会議や産経新聞とは「偽装」民族系で、民族系のクズ人間たちへの偽情報洗脳・教宣が専門。これら大東亜戦争真相隠蔽の巨大シンジケートに衰える気配はない。年々その極悪度が濃縮されている。
“世紀の大犯罪”「日本国殺し」に賭ける、偽装民族系の産経新聞らの隠された目的を、その第二番目から述べよう。日本の国家全体から、日本列島を防衛する能力と精神とを溶解的に剥奪すべく、日本人全員を軍事知識のイロハも欠く“白痴”日本人に徹底改造すること、がそれ。
次に、第一目的。満洲や台湾など海外権益の領域を喪失するのみならず、固有の領土である樺太/国後・択捉/竹島を喪失した大東亜戦争を正当化することは、日本人をして、国家の存立基盤たる固有の領土喪失を逆さに「正しい、正しい」と思いこませることに他ならない。つまり、領土無き地球放浪者に日本人を追い込むに、大東亜戦争肯定論に優る“悪魔の麻薬”など存在しない。現に、大東亜戦争肯定論の総本山で“民族系のスーパー「反日」極左団体”日本会議/神社本庁は、北方領土をロシアに献上する“史上空前の対ロ売国奴”安倍晋三を熱烈支持。金日成とその配下の「在日」北朝鮮人たちが、日本人の脳内に伝染病として注入した大東亜戦争肯定論は(備考)、レーニン/スターリンのマルクス・レーニン主義から抽出された“日本列島ロシア献上狂”の特殊ウィルス。
(備考)林房雄/西尾幹二ら少数の日本人を除き、“日本国殺害の狂犬伝染病”「大東亜戦争肯定論」教宣者の九割が、名越二荒之助/日下公人/櫻井よし子/岩田温ら(ロシアKGB工作員を兼ねた)「在日」北朝鮮人なのは、金日成の命令で1963~5年『中央公論』が、この“狂犬病”を初撒布して以来、「在日」がこぞって日本国崩壊の筆頭方策として推進することになっているからだ。名越二荒之助/日下公人/櫻井よし子/岩田温らは、一億日本人皆殺しに快哉・快楽する「日本人よ、もっと死ね!」を祈祷する悪魔の鬼畜たち。
(2)“敵国ロスケ軍”陸自が蔑視し「不在」とする、世界が称讃の偉大な島嶼防衛“三大ベスト”
島嶼防衛とは、その島嶼を永遠に守りきる事ではない。島嶼防衛は、究極的には不可能。最終には敵上陸部隊に必ず占領される。が、敵の大部隊を小さな島嶼一か所に二か月間ほど釘付けにすることは、戦況を一変できる。例えば、硫黄島の栗林も沖縄本島の牛嶋も、その頑張りが祖国反逆の大東亜戦争を止めさせ、米国との直接「和平交渉」決断の時間をつくると考えた。また、米国側の被害(兵士の損耗)が多ければ、「親日」が政府や陸軍に多かった米国も、対日降伏を発し易くなる。
ともあれ、世界の戦史に名前を残した理想的・模範的な島嶼防衛には、ペリリュー/硫黄島/沖縄の三つがあるので、これらを表1にした。
表1;任務を完遂した島嶼防衛の模範的戦闘──敗北・玉砕に到る過程が肝腎
(蛇足) 沖縄戦で、一般邦人が十万人も死んだが、その責任は沖縄島民にあるし、自業自得ともいえる。1944年10月から軍も(県民への疎開命令権者の)県知事も、米軍が決して侵攻してこない“安全な森林地帯”沖縄本島北部への疎開を勧告した。にも拘わらず、(北部は安全でも食料の自給が出来ないため、有事に迅速避難ができる健康な男性集団で)食料の生産部隊をつくり、事前疎開した女子供に食料を数日おきに運ぶなんて面倒だと、この勧告を完全に無視し、彼らは頑強に疎開を拒絶した。
米軍の上陸が開始されても、沖縄島民は勝手放題。北部への避難をせず、牛嶋中将麾下の沖縄防衛軍の全軍が(敵に最大の損耗を与え、その後に玉砕する)“最適戦場”沖縄本島南部に移動(軍事行動)を始めるや、「軍隊は安全な場所に逃げなさっているから、俺ら達もそこに行こう」と、“人格者”島田叡・県知事の避難勧告を無視し、無法者となって軍の新陣地&玉砕場所にゾロゾロ付いていった。
このような軍の軍事行動を妨害する罪は、重大な法律違反。当時の法律「軍刑法」にも違反する。今からでも遅くはない。「北に逃げろ!」の島田叡・県知事命令に背いて、沖縄本島の南部に避難した沖縄島民に対する糾弾に手を抜いてはならない。理由は次。中ロの侵略が迫る今後の日本で、「在日」北朝鮮人と「在日」支那人とが煽動し、迅速を要する自衛隊の防衛行動を、煽動された一般邦人が避難の形で故意に妨害する可能性が極めて高いからだ。
つまり、真に必要な有事法制の要は、「在日」北朝鮮人と「在日」支那人の一斉蜂起(対日暴動)と彼らの煽動で一般大衆がロシアや中共に寝返る反軍行動をとる時、これをどう抑え込むかである。例えば、山本太郎が共産党員・池上彰と組み、この種のアジをフル展開したケースを想定されたい。
しかも、現実には、数十名の有名な在日朝鮮人/ロシア工作員/中共工作員の東大教授/筑波大学教授/早稲田大学教授/慶応大学教授などが、NHKほか民放テレビで一斉に真赤な虚偽を煽動するのは火を見るより明らか。中共/ロシアの対日侵略時の「在日」の暴動は、関東大震災時の朝鮮人が為した「掠奪、放火、レイプ」犯罪(注1)の百万倍~一億倍の規模になるだろう。
2、島嶼防衛ワーストは、サイパン/グアム/テニアン/タラワ/クェゼリン/アッツ
話を戻す。一方、米国や連合国から嘲笑を浴びた、島嶼防衛のイロハに反する帝国陸海軍の“度外れのアホ馬鹿”水際防禦、つまり、上陸してくる海岸に主力兵力を布陣して瞬時に瓦解した、“バカの犬死”ケースを表2に纏めた。
表2;水際戦闘(前方防禦)に万能薬を妄想した、アホ馬鹿間抜け帝国陸・海軍のお粗末玉砕
「水際防禦をしてはならない」「水際防禦は即時敗北&全滅」の原則は、楠木正成が京都の公卿たちに切々と説いた軍略のイロハ。後退「縦深」防禦以外に、海からの上陸軍を阻止することは万が一にも不可能だ、と。楠木正成は、兵庫県湊川から上陸した足利尊氏軍の兵力を京都の主戦場で半減し、その後、京都からさらに東へと誘き寄せ小規模戦闘を繰り返し、敵兵力を漸減していけば、最終段階で潰滅できるとした。超一流の軍略家・楠木正成らしい、非の打ちどころのない完璧な戦術。
が、後醍醐天皇の側近公卿たちは、京都を主戦場として焼き尽くす楠木の戦法に激怒し、認めなかった。楠木は敗北と自らの戦死を覚りながら命令に従い湊川に出陣した。長男・正行との櫻井の駅での別れは涙を誘うが、この歴史に残る親子「今生の別れ」こそ、水際戦法の愚を今に伝える(注2)。
3、侵略された島嶼の奪還は、土星に有人宇宙飛行士を着陸・帰還させるより困難
安倍晋三が2012年末に政権の座に就いた時、多くの国民は、尖閣諸島の防衛に本腰を入れると期待した。が、その後、“サイコパスの反日狂”安倍は何もせず、尖閣を中共に献上しようとするのは、誰の眼にも明か。そこで今度は、一般の国民は、「安倍がダメでも、自衛隊が守ってくれる」と思い直し勝手に安心することにした。が、自衛隊が、どうして安倍晋三とは真逆の尖閣防衛をするのか。
自衛隊は、安倍晋三に「右に倣え」でとっくに尖閣の放棄を決めている。また、それ以上。安倍晋三の心底で蠢く悪魔の方針に阿吽の呼吸で100%同意し、日本列島の全てをロシアと中共に献上することを決めている。これは2018年12月18日、閣議決定となった。第二節で論じる。
その前に、一般国民のもう一つの馬鹿げた幻想「尖閣はいったん中共に急襲占領されても、日本が再び奪還できる」を、打ち砕いておかねばならない。国防は、透視した現実のみを積み重ねた思考に依拠して、国民が汗を流して築くもの。非現実の妄想は、国防問題から排斥せねばならない。
島嶼はいったん侵略されると、それを奪還することは、土星に有人宇宙飛行士を着陸・帰還させるより困難である。この軍略公理は、1942年8~12月のガダルカナル島“奪還”作戦の大敗北で証明されていよう。ガ島は日本海軍の航空機基地として最高の適地であり、かくして帝国海軍は、米軍など来やしないと嵩をくくり、警戒偵察も一切せず、のんびりと飛行場建設をやっていた。
ニミッツ提督が総指揮官の米太平洋艦隊は、日本と異なり、偵察には日本の百倍以上の労力と手間をかけていた。建設し終わった(8月5日)ガダルカナル島の日本の海軍航空機基地を、鳶が油揚げをさらうように横取りすべく、1942年8月7日、博打的に急襲した。そして、一ヶ海兵師団(一万名以上)の上陸に無傷で成功した。一方、防衛していた日本側は、陸上戦闘に不得手な海軍部隊六百名弱。彼らは、偵察行動をいっさいしていなかった。日本軍は堕落の極で対米戦争を開始した。
この愚鈍さは、その後も続く。日本は、島嶼奪還などいとも簡単だと、「一木支隊」(8月18日)/「川口支隊」(8月29日)/「第二師団」(10月7日)/「第38師団」(11月5日)を上陸させたが、次々撃破されるばかりか、12月31日に撤退を決定せざるを得ない、地獄の惨状を呈する“敗残兵の大集団”と化した。
その原因は、まずは瞬時に全滅となる無偵察などハチャメチャ戦法の当然の結果。次に、制海権を米国に掌握されたたための、食糧・弾薬の補給の不可能。かくして、実際の戦闘死は5~6千名なのに、「餓死/マラリアなど病死/治療無き故の戦傷死/2千5百名の遺棄」の総計2万1138名が死んだ。1942年2月1~7日、撤退のため派遣された駆逐艦に収容された者は僅か1万665名。ガ島奪還は、総兵力の66%に当る「二万人以上」に、餓死と戦病死を強いたのである。
つまり、ガ島の奪還は、2万人以上の生命を犠牲にしても不可能だということ。「尖閣が奪われた後でも、奪還は可能」という自衛官がいるが、アホ馬鹿を越えた、精神病院強制入院のレベル。なお、上記の第二師団が戦う前に疲労困憊で無益の極み「密林からの白兵攻撃」戦法は、同行した辻政信の「第二師団皆殺し」を狙った発案。辻政信は、この自殺戦法を強要した直後にガ島から逃げた。
第二節 “国防”投げ捨て日本で、「自衛隊だけは例外」など、ありうるか
イザヤ・べンダサンは、1970年代、名言「日本人は水と安全はタダだと思っている」を残した。それから五十年。「日本人は《安全》について思考できなくなった。日本人にとり《安全》は意味不明語になった」。現に、2018年12月、安倍晋三は「陸自は日本国を防衛するな!」「陸自は、ロシア/中共の対日侵略に際し、辞職願を出し傍観せよ」と、閣議決定した。が、日本人で、これに騒いだ者は、一人もいない。日本人は今や、アヒルやブタ以下の“生ける屍体”。日本人は、人間ですらない。
2019年1~2月、安倍晋三が絶叫した「北方領土は固有の領土ではない」の狂気と、その一か月前に安倍晋三が閣議決定した「陸自は日本国防衛を放棄せよ」は、表裏一体。前者に対し蚊の鳴くような小声非難は二、三あった。が、論旨明快に堂々の論難を展開したのは、日本中捜しても私一人だけだった。
さて後者。2018年12月、志位和夫もびっくりの“史上最凶の反日狂”安倍晋三が閣議決定した「防衛計画の大綱」を私が黙過したのは、「安倍晋三が、翌2019年4月30日、先帝陛下のご譲位を禁止し、廃帝!を宣告する」という、これまた悪魔的な天皇制廃止という重大問題に忙殺され、この問題を優先したため。2018年12月末に発表すべき本稿が、結局、一年一ヶ月間も遅れた。お詫びする。
1、陸自に日本防衛を禁じた“反・国防の狂人”安倍晋三版『防衛計画の大綱』
(1) 令和元年版『防衛白書』(2019年10月刊)からは狡猾にも削除しているが、2018年12月に閣議決定された『防衛計画の大綱』は、戦後日本で最も卒倒する大事件。いや、それ以上。何故なら、国民を目晦まししておき、国挙げて蒋介石殺害戦争を開始した、近衛文麿の1937年7月7日の突然の「四ヶ師団、支那派遣」声明をはるかに超える、日本の歴史に例のない“世紀の狂気国策”だからだ。
すでに日本に牙を剥いている隣国の“侵略国家”(中ロ)に向かって「どうぞ侵略して下さい。陸軍兵力はほとんどゼロにしました。日本列島は実態的には非武装になっています」と、“侵略大歓迎!”を公然宣言した前例は、数千年の人類史において一カ国として存在しない。しかも、これは、森嶋通夫の言説の体現。社会党左派の石橋政嗣のカルト宗教的狂信「非武装」の完成形態。
つまり、1979年ロシアは、(アフガニスタンに続き)北海道侵略をすべく、ロシアKGB工作員の森嶋通夫とこれまたロシアKGBが完全支配していた日本社会党に命じ、「日本は、戦わずして白旗をあげよう」「日本の陸軍力をゼロにしよう」を日本人に刷り込む洗脳工作を大々的に本格化した。陸自はこれに呼応して、それ以来、四十年間、ついに「日本は戦わずして白旗をあげる」「日本の陸軍力をゼロにする」を完成させた。陸自は1979年から“ロシアに忠実な犬”になって、祖国日本に叛逆する道を走り続けていた。
(2) 読者は、2018年12月18日にネットに防衛省が発表した「防衛計画の大綱」の16頁&17頁をプリントして下さい(備考)。この両頁は、世界中の初歩的軍事知見を持つ者全員が腰を抜かす、狂気と妄想の祖国叛逆のオン・パレード。私は、目の玉が飛び出したかと慌てて鏡を見た。次に、頭くらくらと気分が悪くなり一時間ほど布団にもぐった。このパンフレットは平然と、「陸自は、日本列島の完全非武装化を決定しました」と、明記していたからだ。
(備考)防衛省は、タイトル『防衛計画の大綱 中期防衛力整備計画』の色刷りパンフレットを二種類、ネットに掲示。二つ目のは表紙に「令和元年8月発行」とある(プリント総計16枚、最終が30頁)。最初のは発行日が書いていない。ここで用いるのは、「プリント総計28枚/最終が27頁」の最初のもの。混同しないように。
第一。パンフレット16頁に、記述「⑤機動師団・旅団等の改編」をもって、有事に(あるべき戦力の数分の一になったお寒い)北海道の部隊のほとんどを九州より南方海上に移動・転進させるとある。これは、具体的には、次の三つの方針をロシアと中共に伝えるメッセージ。
①“侵略の皇帝”プーチンによって侵略いつでもOKとなった“標的”北海道を、ロシアに無血占領させることに致しました。
②北海道に今展開している陸自主力兵力を、九州の離島を防衛するとの真赤な嘘を屁理屈に、輸送船に載せて鹿児島以南の海をブラブラさせ、有事勃発と同時に、海の藻屑にします。
③ この結果、九州の南にあるすべての島を、無血で中共様に献上する事が出来ます。
まず②。これは、中共とロシアを祖国とする、かつての土井たか子のクローンばかりの陸自の将官や大佐たちが、陸自主力兵力を「輸送船」に載せて海の藻屑にする(=全員を殺戮する)確たる悪魔的方針を実行すると宣言したことに他ならない。陸自には、日本国民の意識を持つ者など、大佐以上には一人もいないと断定して、実態とは基本的には乖離しない。
a、制海権が完全に中共の原潜その他に掌握された上に制空権も中共が掌握する海域で、どうして陸自の直ちに撃沈される船舶が海上をウロウロできるのか。16頁にあるキャッチ・コピー「平素からの常時継続的な機動により、抑止力・対処力を強化」は、悪辣極める国民騙しのペテン語である。要するに、陸自は、国民に対して、三歳の子供が使う海水浴の浮袋のような「機動師団・旅団」を、ハリウッド映画のスーパーマンの漫画よろしく、「九州にある数百以上の離島に中共の陸軍師団、海軍陸戦隊(海兵隊)、漁船一万隻以上(現実の有事には五万隻以上とも推定される)から臨時民兵がすでに十万以上三十万人ほどが上陸占領しているのを、バッタバッタとなぎ倒して奪還できる」というのである。なお、中共は、占領と同時に全ての離島の地下十㍍に頑強な要塞を直ちに建設する。
b、aの主張はまた、「ペリリュー島の戦いとは、既に米軍が占領していたのを、中川州男・大佐の一万人陸軍部隊(二ヶ連隊)で奪還した」と、真赤な逆さ嘘戦史を嘯いている狂人の戯言に同じ。島嶼防衛は、事前の要塞化以外の方策は存在しない。第一節で論じた通り。つまり、陸自は、北海道の対ロ防備を空洞化して北海道をロシアに渡し、同時に九州の離島すべてを中共に無血で渡す方針を確定した。これは、「日本人に領土など要らない、日本人を地球放浪の乞食にする」を信条とする“サイコパス狂人”安倍晋三とも謀議した、陸自の最終決定である。
第二。17頁下段に、記述「戦車・火砲の削減」がある。具体的には、2019年現在560両ある戦車を2023年には300両にする方針。それでは北海道は守れないし(備考)、そればかりか、これはロシアに一気に東京を占領させる方針の巧妙な別表現ではないか。なぜなら、ロシアは今、北海道だけでなく、津軽海峡の制覇と東京占領の準備と訓練に余念がない。東京を占領するには、新潟を占領すればよく、新潟は日本防衛において、北海道に次いで最重要拠点。新潟防衛のためには、長野県全体を要塞にしておくのは最低限の対処方法。
(備考)北海道防衛には、戦車が最低でも千五百輌は、展開しておかねばならない。しかも中ロは侵略に当り、核弾頭を相当量打ち込む可能性が高い。これへの対処も考えれば、石狩岳と雌阿寒岳の地下150㍍に戦車軍団(四ヶ戦車師団で編成)収容の巨大な核シェルターを構築しておく必要がある。
第三。以上の二点からでも演繹できるように、「防衛計画の大綱」の記述は、「陸自15万人は、有事に一斉に逃亡する」を前提としている。少なくとも、そう考えた場合のみ、「防衛計画の大綱」の瑕疵や矛盾が瞬時に消える。このように的を射て突き詰めると、十年ほど前から突然、陸自が宣伝し出した「離島防衛」は、国民騙しの嘘八百だったということ。陸自は、離島防衛を(水陸機動団を創ったように、するかのような演技には精を出すが)万が一にもする気がない。離島防衛とは、事前要塞化の事であり、この要塞で玉砕する事である。そして、玉砕させない方策は、数万人の海兵隊を投入する事である。
が、陸自は今、将官の九割が共産党員/ロシアKGB工作員/北朝鮮人で占められている(備考)。彼らが、日本の領土防衛のために、事前要塞化と玉砕を莞爾とすることなど、荒唐無稽な馬鹿話。あろうはずがない。誰にでもわかることではないか。 (備考)ここでは、渡部悦和と福山隆を挙げておこう。
それ以前に、首相の安倍晋三が、千葉県と同面積の北方領土、しかも北海道防衛に欠くことができない戦略的要衝の択捉島をロシアに貢ごうとしているのである。首相が率先して、日本の領土を無償で敵国に献上し捲っている上に、共産党・朝日新聞・毎日新聞・公明党・立憲民主党がこぞってなんだかんだとケチをつけられる自衛隊が、ほとんど戦死する離島防衛など、仮に彼らが健全な日本人であってさえ、するわけないだろう。
(3) しかも離島防衛は、要塞化と精強なモグラ戦士になる任務の他は、陸自の担当ではない。あくまでも海軍と海兵隊の担うべき仕事である。陸自は、島嶼を事前要塞化してそこに立てこもる防衛策を採らないのだから、“海兵隊の卵”水陸機動団を、さっさと海自に移管すべきである。
陸軍が丸ごと海兵隊になって、陸軍を解体し、日本列島の防衛を非武装化するとは、日本国の防衛を完全に放棄することではないか。北海道や新潟・東京そして津軽海峡をロシアに渡して、九州の名もない小さな離島を守って何になる。
陸自の将官(陸将、陸将補)よ、一佐(大佐)よ、「防衛計画の大綱」のうち陸自部分は、自衛隊法に違反する以上、全員、即刻辞表を書いて、自衛隊から出ていけ! 国家と領土すべてをロシアや中共に献上する祖国反逆の陸自を、すぐにも解体しなければならない。そして急ぎ、ゼロから、日本国の健全で正しき陸軍を再建しなければならない。
2、陸自「陸将」「陸将補」「一佐」全員を懲戒・分限免職し、陸自の抜本改革が急務
(1) 災害出動ばかりの軍隊など世界には存在しない。自衛隊の災害出動を法的に禁止せよ
米国は(州兵の災害出動はあるが)連邦軍の災害出動を法的に禁じている。スイスでは、災害出動は、中等学校の男女生徒と55歳以上の中高年男子からなる国民防護隊(population protection、日本では「民間防衛隊」と訳)にしか許されていない。これが世界の常識。これが世界の軍事法制。
なお、領域外=海外では逆に、国際的「友好」の証となり自国を裨益する事において、軍は積極的に災害救助を行う。また、国際法は、海外在住の自国民保護に限り、軍隊固有の義務(邦人保護の権利義務)と定めている。
軍隊とは精強であることが要求される実力組織。当然、災害出動するのは訓練のサボりで、国を守る精神と能力を大幅に減退・滅失させる。しかし、ソ連軍がアフガニスタンに侵攻直後の1980年1月から、陸自の戦闘精神を瓦解させ能力も大幅に下げるべく、朝日新聞その他が一斉にキャンペーンし、陸自を災害出動の“国民防護隊”に改造することが進められた。
日本の軍事力潰し工作の要たる、陸自を内部的に解体する“特効薬”「陸自の災害出動部隊への改造」キャンペーンの背後は、誰でも察しがついたロシアKGBの在日工作員達だった。共産党・朝日新聞がフル稼働しての対日本人洗脳運動なのも丸見えだった。私は、1980~3年、陸自の将官十名ほどに「災害出動の絶対禁止を貫け」と説いて回った時、半ばは賛成してくれた。が、半ばは「自衛隊への国民の支持が増える」とアホバカ理屈を捏ねた。軍隊の平時レーゾン・デートルとは、軍事的に外敵排除をする能力の向上である。平時における国民の支持など、芸能人であるまいし、超越すべきだろう。軍人勅語にも、そう書いてある。
しかも、軍人を災害出動に転用することは、軍人に対する侮辱の最たるもの。刑法第231条の侮辱罪に抵触する。「侮辱されても寛容」は、礼節保持に努めるべき人間の矜持に反し、軍人の倫理にも違反する。それ以上に、武運を空しくする。軍人の倫理については、新渡戸稲造『武士道』を読むことを薦める。
さて、前置きはここまで。陸自が現在、災害救助隊に変貌して「国防不能」組織に扱われていることに関し、これを不愉快だ/憤懣やるかたないと怒る陸自の自衛官は人間として正常である。そして、このような人間として普通の陸自将校/将官が、災害救助活動をさせる日本人に深い恨みを持つことについては、その是非を別とすれば、十分に理解できるし、同情する方が真面であろう。
(2)(禁止さるべき領域内)“軍への災害出動”に対する、陸自の日本人への恨みをどう発露させるか
が、陸自内に現に存在する「災害救助をさせる一般日本人とそうさせた国会議員や地方首長に対し深い恨みを持つ」軍人としての健全な矜持を、どの方向に発露させるかは、慎重に深慮せねばなるまい。復讐的に日本防衛を放棄して、日本の領土・国土をロシアや中共に献上する方向に走った、現在の陸自は間違っている。陸自は、「戦わずして降伏せよ」の森嶋通夫「1979年の二論考」(注1)を金科玉条と信仰するカルト集団に化している。社会党・石橋政嗣の『非武装中立論』(注2)を奉戴するロスケに成り下がっている。
復讐は、(高級な美徳とは言えないが)紛うことなく「道徳行為」に括られる。よって、復讐心を否定するのは反道徳の極みで、道徳潰しの共産主義思想。故に、私は災害出動に対する陸自の復讐心を「よし」としている。問題はその発露である。現在のように、一気に短絡させて、「日本防衛の完全放棄」をもって、この復讐を果すのは、陸自隊員もまた日本国民である原点において許されない。
復讐は、災害出動を要請し/軍人を侮辱し/軍隊の国家防衛力の削減・劣化を図った“反軍・反軍人の市町村”への処罰をもって果すべき。具体的には、災害出動を要請した市町村のリストをつくり、有事において「避難誘導すら決して行わない」ことを厳格に履行するのが、あるべき復讐の常道。
同様に、自衛隊の基地建設を反対した、例えば宮古島や石垣島の島民が、数万人の支那兵・民兵に無差別にほとんど殺されるだろうが、一片の同情もしてはならない。宮古島/石垣島の島民は「支那人」であり、本物の支那人から殺戮されるのは、同胞同士の殺し合い、と考えよ。日本国の軍隊である以上、彼らに決して関わってはならない。
陸自部隊は、ひたすら国土「宮古島&石垣島」を防衛する戦闘に専念すべきだし、上陸する敵との近接遭遇戦においては日本に巣食う「日本人の顔をした支那人」などに割く時間的余裕などない。島嶼防衛の任に命じられた自衛官は、玉砕の運命を男の誉れだと誇りに思い、“第二の中川州男”“第二の栗林忠道”になりきって頂きたい。
復讐心こそは、戦闘精神を昂揚しIQを高め、作戦の質と合理性を一ランク向上させる。つまり、災害出動という軍隊侮辱に対する復讐は、有事に個々の「反軍の犯罪者」ごとに執行すべきものであって、国家の防衛という職務履行の域に混在させるべきではない。
(3)“士官学校もどき”防衛大学校を解体せず正常化できるか?──校長は暫時、米・退役中将に
日本の防衛大学校は、国際的にも、常識的にも異様な代物。とても士官学校とは言えない。第一に、校長が軍人でなく、軍事知見ゼロの劣悪で且つ極左の文系教授がなる。こんなお笑い漫才的な非常識、世界中が笑う、烏滸の沙汰。猪木正道はスターリン万歳/ヒトラー万歳を叫んだ左派社会党出身で、名だたるロシアKGB工作員。五百旗頭真は共産党員。国分良成は中国共産党員。
士官学校の校長は陸海空軍・中将のポスト。また、同じ士官学校卒である事が必須要件である。とすれば、防衛大学校の校長は、旧軍の軍人が全員鬼籍に入られたか高齢であるので、「一流の軍歴を持つ軍人で、かつ一流の教育者」が育つまで、米国に委託するほかないだろう。副校長に、防大出身で思想が(歴代校長の誰にも洗脳されていない)「保守」&血統が四代以上遡っても日本人であることを絶対条件に選抜する。血統が支那人である上に“スーパー極左”の国分良成は、この二条件に違反しており、失格も失格。最不適なトンデモ校長である。
第二に、米国であれ、他のいかなる国であれ、士官学校には陸軍・海軍・空軍の三つが必要。海兵隊の士官養成は、海軍士官学校が兼ねる。一方、日本には「防大」と言う奇天烈な名前の“ごちゃ混ぜ”一つしかない。これでは高度な専門性が要求される本物の軍人など育つことはない。
(4) 憲法第九条を改正し自衛隊を国防軍に改組せずば、士官学校に優秀な人材は「入校」しない
陸自の将官は、シッチャかメッチャかの水準以下しかいない。防衛大学校の学生の質が平均では水準以下になったから、当たり前の現象。防衛大学校が設立され、防大一期卒が入学した1953年から六期卒が入学した1958年までは、東大を蹴って入校した者は多く、現在とは雲泥の差だった。
私が中学三年生(1959年)の頃に聞いた話で、正確な数字ではないが、東大を蹴った入校者は「一期七十名→六期四名と、大幅減少」は、おおむね妥当な数字だろう。首相・岸信介が、公約「国防軍を設置すべく憲法第九条改正」に自分からたじろぎ、代わりに“日米安保条約改訂ごっこ”に舵を切った1958年をもって、全国の軍人希望の中高生は皆、防大「入校」を断念した。私もその一人。
飛び抜けて頭脳明晰な愛国少年にとって、国防軍の軍人を職業としたいのであって、国家公務員の自衛官なら、(目を瞑っても入学できる)東大を蹴る価値はない。1970年代後半になると、防衛大学校「入校者」に東大レベルがゼロになった。必然の成り行きだった。
軍人なしに国防はできない。が、“隠れ共産主義者”安倍晋三は、日本国を外敵に侵略・滅亡させんと、軍人ゼロの“反・国防国家”日本(=非・主権国家)を永遠に固定化し、自衛隊の国防軍昇格を禁止する憲法改悪に今も躍起。国防軍でなければ、軍刑法もなく軍法会議もない。当然、軍人は存在しない。軍人が集合する組織が軍隊。国家公務員が何十万人集まろうと、軍隊にはなりえない。
国家公務員は、敵前逃亡罪で死刑になることは万が一もないから、有事に依願退職願を出して出勤しなければいいのである。しかも、敵を殺せば、国家公務員は一般刑法が適用されるから、殺人罪を犯した犯罪者として刑務所に収監される。現在の陸自隊員で有事に出動するのは、一割以下だろう。“軍隊もどき”陸上自衛隊はとっくに瓦解している。有事に日本からパッと消える陸上自衛隊とは、蜃気楼に浮かぶ幻影的な幽霊。そうでないと言い張る産経新聞などは、ペテン師。
(5)東大一年生から各二十名、米・陸軍士官学校/海軍士官学校(海兵隊コース)に留学させよう
日本の士官学校の再建には時間がないが、時間を端折って手抜きをすれば、元も子もなく失敗して、再建など永久にできない。今直ぐにすべきは、毎年、東大に入学した理Ⅰ&文Ⅰの一年生から四十名を選抜し、日本国政府派遣留学生として陸軍士官学校(ウェストポイント)と海軍士官学校(アナポリス)に二十名づつ入校させよう。それぞれ新・陸軍の中核将校養成のため、新・海兵隊の中核将校養成のためである。彼らは東大を退学するのだから、留学費用の政府持ちの他、年四百万円ほどを東大退学償い金として四年間支給する。米士官学校を卒業できなかった場合は返還させる。
そもそも、海兵隊士官教育は、強襲揚陸艦(=日本では「上陸阻止作戦空母」と呼称する)の艦艇運用の問題があるので、陸軍ではできない。現在、陸自が水陸機動団を保持するのは、根本的な誤り。本末転倒はなはだしい。陸自は水陸機動団を、直ちに独立させ海兵隊とするか、海自に移管せよ。
3、例外的な一部の“愛国”自衛官に告ぐ
(1)座右の書とすべき“”軍人の心得“
以上の、自衛隊の現実の内情を激難して本稿を終えるのは、自衛隊の中で静かに祖国防衛に熱情を傾けている少数の例外的「正しき日本人勇者」に対し非礼になろう。また、この隠れ勇者の存在を知らない一般国民をして、永遠に無知の暗闇に閉じ込めることになる。そこで、少数の例外的「正しき日本人勇者」自衛官は、くれぐれも剣を百年磨く精神において、神風「ポツダム宣言と昭和天皇“ご聖断”」が再び吹くことを信じて臥薪嘗胆して頂きたいとの、私の信条を素直に吐露しておく。
この臥薪嘗胆において、座右の書として励ましてくれる名著がある。既にお読みかと思うが、ド・ゴール『剣の刃』(葦書房)&ゼークト『一軍人の思想』(岩波新書)がそれ。ド・ゴールには『職業軍の建設を!』(不知火書房)もある。また、ポーランドのアンデルス将軍『An Army in Exile』も役に立つ。
(2)「自衛官は国家公務員で軍人でない」ことに智慧を絞り、果敢に部隊を率いて戦場に向かえ!
有事勃発において、ロシアや中共と内通している防衛省幹部/自衛隊幹部が防衛出動を下令する可能性は極めて薄い。が、隠れ勇者は、上官の命令など無視して直ちに防衛行動をとられたい。自衛官は、国家公務員であって、軍人ではない。軍刑法も軍法会議も存在しない。国家公務員への処罰は減俸や懲戒免職がせいぜい。死刑はない。有事とその「戦後」における自衛隊に起きる情況からして、命を惜しむならなおさら、祖国への忠誠を貫く大義に優るものはない。
特に、露中が急襲侵略中の(東北大津波より地獄の)有事に、懲戒処分の人事委員会が開催される可能性などまず無い。どのような処分を決めようとも、戦場に赴いた“真正に勇者”自衛官やその少数の部隊に伝達する防衛庁職員などいない(事務官のほとんどは逃亡している)。しかも、露中は残虐で、日本占領後、先に銃殺していくのは、口封じも兼ね、露中と通謀していた陸自の将官と大佐。特にロシアは勇者に対して一目置く。生きながらえる確率は、対ロ戦闘をした方が格段に上がる。
注
第一節
1、中川八洋『歴史を偽造する韓国』、徳間書店、287~9頁。
2、『太平記 二』、日本古典文学大系、岩波書店、149~65頁。
3、第一節を書くに当り、100点以上の文献を利用した。それらをリストするのは、ブログでは不適当。数点を例示する。ガダルカナル戦については『米軍が記録したガダルカナルの戦い』(草思社)。ペリリュー島戦については早坂隆『ペリリュー玉砕』(文春新書)、岡村青『玉砕ペリリュー島』(光人社NF文庫)、ジェームス・ハラス『ペリリュー島戦記』(光人社NF文庫)。硫黄島戦についてはビル・ロス『硫黄島 勝者なき死闘』(読売新聞社)。
なお、親英米&大東亜戦争反対の栗林忠道や、“毛沢東の犬”近衛文麿の蒋介石殺害戦争に一貫して反対した今井武夫(陸軍少将)を、反戦平和運動に悪用する共産党系の国民騙し本―『栗林忠道・今井武夫物語』など―が出版されている。注意の事。
第二節
1、森嶋通夫「新《新軍備計画論》」『文藝春秋』1979年7月号、「新《新軍備計画論》補論」『文藝春秋』1979年10月号。
2、石橋政嗣『非武装中立論』、社会新書、1980年。この森嶋通夫の二論文とこの石橋政嗣の本とのリンク性を論じたのが、稲垣武『悪魔祓いの戦後史』、文藝春秋、99~118頁。
附記1;核爆弾搭載機の米空母七隻が背後の1954~62年「金門・馬祖島」防衛
公理「島嶼防衛の成功例は、一般的には存在しない」を言うと、必ず返ってくる反論がある。1954~62年の金門・馬祖島が死守に成功した事例がある、ではないかと。確かに、大いに研究すべき有益な事例とは言える。が、一般的な島嶼防衛には、括れない。
理由が三つ。第一。当時の中共には海軍が無く、さらに上陸する海軍陸戦隊どころか輸送船も一隻もなかった。第二。蒋介石は大陸反攻を企図しており、福健省へ逆上陸を狙っていた。つまり、毛沢東の金門馬祖攻撃は、蒋介石が金門馬祖死守を自ら断念する諦念を強制する心理戦争だった事を除けば、金門馬祖の占領そのものが目的ではなく、そこに蒋介石軍を釘づけにして大陸反攻を事前阻止するのが主目的だった。
第三。仮に、中共が本格的に金門・馬祖を占領する場合には、米国は、小型核爆弾を、支那大陸に散らばる毛沢東の軍事拠点に雨霰と投下すると決め、空母を展開した。毛沢東の中共は、これを絶対に避けたく、金門馬祖への軍事的占領上陸作戦を計画しなかったのは明白だろう。
要は、中共の金門馬祖攻撃は、蒋介石の金門馬祖は守ってあげるが、大陸反攻には与したくない米国に、蒋介石に対し大陸反攻を断念させる圧迫を加えさせることが目的の対米外交を、軍事的に代替していたのではないか。共産主義者の外交は、米国より十倍は優れている。
上記の第三について、若干の事実補足。米国は1958年9月、空母六隻「ハンコック」「ベニントン」「シャングリラ」「レキシントン」「ミッドウェー」「エセックス」を展開した。のち、空母「レンジャー」を追加し、空母は計七隻となった。これに小型核爆弾投下能力を持つ対地攻撃艦載機を数百機のせていた。当時の世界において、史上類例のない規模の核投下攻撃力を台湾海峡に一大集結させた。
また、金門馬祖における蒋介石の陸軍力は、「金門だけで15万人、馬祖でも3万人」が地下壕に潜んでいた。また金門・馬祖と大陸との間の海峡上空は、蒋介石側が制空権を掌握していた。
一方、いっさいの海軍を有さない/上陸能力ゼロは、蒋介石が大陸から台湾に逃げ込んだ1949年8月から二ヶ月後の10月に始まった、毛沢東の金門・馬祖攻撃で証明されている。毛沢東の上陸部隊は、徴発したジャンク船(木造帆船)の漁船だった。 門田隆将『この命、義に捧ぐ』、集英社、168~70頁。
なお、本稿のテーマからずれるが、蒋介石の大陸反攻は、朝鮮戦争で米韓が勝利し、米韓の軍事力が満洲と隣接していない限り不可能。この意味で、38度線で朝鮮を南北に分断した停戦協定が締結された1953年時点で、蒋介石の大陸反攻を米国が支援することは消えた。だから、米国は1954年12月、蒋介石との間で攻守の軍事同盟条約の締結を拒否して、台湾防衛だけを約束する米台相互防衛条約を締結した。尚1958年8月、その適用範囲を「金門馬祖に適用する」と宣言した。
蛇足をもう一つ。支那大陸を蒋介石の国民党政権から奪い、毛沢東の共産政権に掌握させたのは、二人の男による。“スターリンの犬”だった近衛文麿とジョージ・マーシャル。
近衛文麿は、毛沢東のために蒋介石殺害の「大東亜八年戦争」を1937年7月に開始した。一方、1947年1月21日に国務長官になったジョージ・マーシャルは、(1945年12月から密かに進めていた)毛沢東が全土制覇できるよう、対蒋援助を打ち切った。“赤”マーシャルを告発し続けたマッカーシー上院議員とそれに同調した多くの連邦議員の告発は正しい。一方、日本では“赤”近衛文麿を非難するのが私一人だけなのは、日本人が歴史の真相に痴呆的レベルで無知であるか/嘘八百の改竄歴史を刷り込まれているかを示している。
附記2;「防衛計画の大綱」に関する安倍晋三/防衛省/陸自の言訳の真赤な嘘八百
安倍晋三&防衛省&陸自は、陸自担当の「本土防衛力」をハチャメチャに空洞化(=非武装化)したことにつき、三つの白々しい言訳に終始する(=屁理屈を捏ね回す)。第一。予算と人員の不足から、宇宙・サイバー対策の費用と人員を、陸自から捻出するほかなかった。第二。防衛費のGDP1%枠という上限があり、防衛費自体の大幅増はできない。第三。人員・予算の逼迫から、海兵隊部門を陸自から供出するほかなく、陸自を事実上海兵隊優先の軍種にする他なかった。
まず、第三について。陸自は陸自で、海兵隊は海兵隊。両者は別の軍種。陸自を潰して海兵隊に変造すれば、日本国は一気に中ロに侵略分割され、日本国自体が地球から消える。陸軍潰しは日本の国家滅亡。いずれかの選択が不可避なら、いかなる国家も陸軍を優先し、海兵隊を断念する。
第二。国家が滅んで、予算不足も人員不足もないだろう。国家の生存のためには、あらゆる方策を躊躇ってはならない。当たり前の話。果敢に予算を捻出し、人員をかき集めなければならないのが、主権国家だ。しかも、「防衛費GNP1%」の枠など、ロシアKGB工作員で米国共産党員(南カリフォルニア大学留学中に入党)だった三木武夫が勝手に1976年に閣議決定したシロモノ。安倍晋三が、この四十年前のKGB命令の閣議決定を廃棄すると宣言すれば、瞬時に雲散霧消する。
第一について反駁する前に、日本版の海兵隊の構成について、お浚いしておこう。これについては、拙著『尖閣防衛戦争論』が本邦初で提案している(63~72頁)。これを基本として少し改良する。まず、上陸阻止作戦空母としてスペインの強襲揚陸艦「ファン=カルロス一世」を四隻購入し、これを基幹に海兵三ヶ師団を創設する。一ヶ師団の上陸戦闘人員は一万一千名とすれば、艦艇部門とSTOVL部門を除き、司令部要員を含め三万五千人が最低必要となろう。
戦車揚陸艦「おおすみ」は五隻追加し、二隻づつ旗艦の強襲揚陸艦と組ませ、合計で三「上陸阻止即応群」を創る。また、STOVLのF-35Bは「一即応群」当り八機づつ、予備を含め合計で30機を米国から購入する。海兵隊の「海」分で一万人弱の人員が必要。「空」部門でも同様だろう。とすれば、日本版「海兵隊」の総人員は「五万五千人」体制となる。
また、北海道防衛に最低限不可欠な戦車1500両を含め、新潟と津軽海峡防衛の戦車は最低でも500両が必要。ロシアは古い戦車をほとんど棄てずにモスボール化して隠している。現在でも、この隠しを含めれば20万輌ぐらいある。日本に侵攻・投入される戦車総数は七~八千輌は見込まれ、ナホトカの港湾能力(及び、有事勃発同時にロシアに占領される小樽港や石狩新港などの荷揚げ能力)を計算すると二カ月あれば全てが容易に陸揚げされる。結論を言えば、陸自の人員は20万人を増やして「35万人体制」とし、これに新設の海兵隊「5万人強」が加わるから、自衛隊の新規増は「25万人」。員数は現在の倍増となる。
「そんな人間、どこにいる。しかも少子化が進んでいる」と、防衛省も陸自もムキになって反駁する。が、「新規25万人」は簡単に集まる。地方公務員274万人のうち一割(27万人)を削減して、自衛隊に回せば済む話。特に、少子化の時代に地方自治体が大学を持つのはおかしい。全ての県立大学と市立大学は全廃し、一般行政部門もばっさり人員削減すべきである。詳細は、いずれの機会に発表予定。
さて、予算だが、これも容易に捻出できる。予算と財政の健全化にも合致する。つまり、以上の防衛力を整備すれば、防衛予算は現在の5兆2千億円(GDP1%)から、10兆円にする必要があるが、これはGDP2%。世界標準の、妥当で控え目な金額。何ら問題にするものが存在しない。外敵の軍事力が大増強されている時は、防衛費は比例させなくては、国家の安全も国民の安全も保てない。
今や、ロシアと中共の同時侵攻が迫っている時で、超福祉国家路線などやっている場合ではないだろう。日本列島が中ロに占領されて、現在の社会保障制度など存在するのか。社会保障費「34兆円」で防衛費「5兆円」など、国家として健全なのか。一方、年金制度を全廃し、医療と介護を民営化すること以外で、財政破綻を回避することが不可能なのも明白。
特に、国民医療費のうち公費負担「16兆円以上」というトンデモ狂気政策を是正し、「5兆円以下」に抑えなければならない。この健全化断行だけでも、「11兆円」が浮く。防衛費の「追加5兆円」など、なんでもないではないか。
(2020年2月4日記)