筑波大学名誉教授 中 川 八 洋
マルクーゼ系コミュニスト黒人オバマの同志、“共産主義シンパ” 売電(バイデン)大統領の誕生に、日本に近づく断末魔の跫が大きな音を立てている。バークはかつてdemocracyを批判し、国家は「王制三分の一、貴族制三分の一、democracy(民衆参加制)三分の一」の政治制度でない限り、democracyが暴走し全体主義体制に変貌する、と喝破した。民主主義は、人民民主主義=共産主義体制の入り口になると、バークは警鐘乱打したのである。
同じ保守主義者アレグザンダー・ハミルトン(筆頭「建国の父」)とジョージ・ワシントン(初代大統領)は、「王制も無い/貴族制も無い」新生米国の政治をdemocracyに委ねざるを得えない深刻な事態に、このdemocracyをいかに制約的に制限するかに苦慮した。ジョン・アダムス(第二代大統領)は、英国国王陛下の第二王子を米国の初代国王に迎えたいとロンドンで奔走したが、北米植民地から追放された国王ジョージ三世は怒り心頭、アダムスは謁見も赦されずケンモホロロに門前払いされた。
“新生の小国”米国は、この三保守主義者の主導で、“反democracyのdemocracy”を政治制度として船出した。しかし、“democracyの巨魁”トーマス・ジェファーソンが第三代大統領になるや、“米国建国の思想”反デモクラシーを、一気にぶっ壊してしまった。
ハミルトン保守主義が見る見るうちにジェファーソンとdemocracyに喰い殺されて行く様を、病弱で引退していた“政界の保守主義者”Fisher Ames(下院議員1789~97、生1758~没1808)は嘆き悲しんだ。私の書庫にある“Works of Fisher Ames”を読み返すと、滅び目前の日本国を支えることも再建することもできない自分の無力さに重なり、“自由の騎士”Amesの暗澹たる“絶望”が私を包む。
Amesの予感通り、ハミルトン保守主義は1820年頃には政界から跡形もなく消えた(注1)。かろうじて維持したのは連邦最高裁で、1890年頃までハミルトン保守主義の炎を燃やし続けた。ウィルソン大統領が1914年、大統領として初めて語彙democracyを使用した時、言葉「デモクラシー」にはニュアンス“自由破壊の危険物”は完全に存在せず、むしろ逆さで「自由社会」と同義になっていた。
外交・国防も内政も完璧なバーク/ハミルトン保守主義を復権したレーガン大統領(1981~8年)の偉業を、米国政界に再び見ることはもう無いだろう。米国は、コミュニスト黒人オバマが大統領になった2009年1月20日、建国の精神“保守主義”と訣別したように思える。米国型共産革命運動political correctnessポリコレ/feminismが米国で猛威を振うようになったのは、オバマが大統領になったからだ。バイデンはオバマの同志として、これから米国内の左傾化を過激に進めるだろう。
なお、1980年代初期、米国内でpolitical correctnessポリコレ運動(注2)が蔓延り始めた時、それを米国に伝染させたのはロシアKGB第一総局の偽情報宣伝工作だと、各国の諜報機関は一致した分析を出した。1990年代半ばに始まった、日本共産党による日本版共産党宣言「男女共同参画社会基本法」の立法は、ポリコレ(PC)に連続した共産革命で1980年代半ばのロシアKGB命令の実行。だから日本では、フェミニズム「男女共同参画」とポリコレが結合して1990年代半ば、大爆発した。
日本は、①バイデンに対外介入主義と同盟重視政策と反露・反中共に爆走させることに集中すべきだ(注3)。次に、②オバマ&バイデンで汚染著しい米国型左翼革命思想の日本流入を水際で阻止する思想防衛の策(二階俊博・河野太郎の政界追放や朝日新聞の発刊禁止など)を講じることだ。
第一節 国家権力の“私権侵害”が目的の特措法大改悪──コロナ対策とは無関係
“核廃絶の反核野郎”オバマ大統領が、2009年1月に大統領になってから、独仏など旧西側諸国は一気に左傾化した。特に、マルクーゼ系共産主義者オバマが、マルクス/スターリン/毛沢東系共産主義者の習近平と、2013年6月7~8日、“泊まり込み米中「世界共産化」会談(八時間)”をなした以降の米中ハネムーンに煽られて、最も左傾化・親中共化したのは日本だった。
2009年9月、“純粋な中共人”鳩山由紀夫(妻は1943年上海に生まれた支那人)や共産党「市民革命派」(市川房江・松下圭一系)の“生粋の共産党員革命家”菅直人の民主党政権が誕生したのは、偏に日本におけるオバマ・ブームの波及効果だった。オバマが2008年11月に大統領選で勝利した直後、「自民党は党挙げてオバマ非難を大合唱しろ」と檄を飛ばしたが、誰一人として私の声に耳を傾ける者はいなかった。自民党は日本国内に与えるオバマ影響力を軽視し、政権をスーパー極左政党=民主党にもぎ取られた。自民党とは「馬鹿議員/ゴロツキ議員/“赤”議員」の“選挙屋の集団”。国政がわかる政治家など一人もいない。
さて私は今、バイデン批判をする正論を吐く人士に強い違和感を持っている。日本が中共の属国化に本格的に全力疾走した鳩山由紀夫総理以降の日本について、彼らは、対バイデンの十倍のレベルで批判してしかるべきに、「鳩山由紀夫→今井尚哉/菅義偉/河野太郎/茂木敏充」批判すら全くしないからだ。バランスを欠く者や過去を忘れ過去を糾弾しない者に愛国心は無い。これを「ビスマルクの公理」という。
“嘘「医療崩壊」は、戦死・戦災死・餓死で「一億玉砕」させる「暴支膺懲」「鬼畜米英」と同じ、国民を“絶望の地獄”(倒産/廃業/失業/生活苦/自殺)に誘導する死神の魔語──“無実の被害者”飲食店に反・医学の冤罪を被せる大臣・知事を懲役刑にする立法を!” の続きを読む