筑波大学名誉教授 中 川 八 洋
序
入学から十日も経たずミュンヘン大学哲学部から(1965年9月に)退学処分を喰った西尾幹二氏(以下、敬称略)らしく、西尾の狂史は、ことごとくロシア侵略隠しのマジック・ショー。2023年に上梓した『日本と西欧の五〇〇年史』は、ニーチェと同じ“反・歴史”“反・真実”の狂気を爆発させる分裂病患者・西尾幹二の、歴史を狂気で弄ぶ“アナーキー礼讃”の、六流文藝。
トリックスター西尾幹二の面目が躍如する『日本と西欧の五〇〇年史』は、「ヒトラーのホロコースト狂気50%、プーチンの侵略詭弁50%」で書かれている。卑俗的に言えば、“反米狂”玉城デニー&KGBロスケ鈴木宗男の共著を西尾幹二が代筆して仕上げたのが、『日本と西欧の五〇〇年史』。
この書は、2013~6年の三年半に掲載された雑誌『正論』の連載原稿十八本をまとめたもの。が、この十八本の雑誌論考は、この2016年にいったんお蔵入りした。それを2023年、既に歩行困難な体で七年ぶりに編集。2022年2月24日の“プーチンのウクライナ侵略”に興奮し応援したかった西尾幹二のスターリン崇拝の熱い情念が並みでなかったのがわかる。西尾幹二の評論は全て、ロシアに捧げる、ロシア世界制覇を祈祷する供物。西尾幹二は2024年3月、クリミア半島へのロシア侵略十周年を祝して、害毒本『日本と西欧の五〇〇年史』をプーチンに献上した。
“強度のKGBロスケ”を超える“五百%ロシア人”の西尾幹二は、ロシアのアフガン侵略の直前(1979年夏)、KGB第一総局お抱え対外宣伝家を「知識人」だと詐称し、KGBの対日宣伝本『ソ連知識人との対話』を出版した。日本でも1979年夏から “先見の警告”「ソ連の対外侵略は近いぞ」が騒がれ始めた。この「ソ連脅威」論を封殺するのが、当該本の西尾幹二の出版目的だった。日共特別党員・西尾幹二の、KGB第一総局への熱い忠誠は、ロシア人・鈴木宗男より一万倍も激烈。
なお、本稿は、現在執筆中の『“天皇殺し”西尾幹二の研究──ロシア聖者化の狂史と廃墟アナーキズム』(上下二巻)、に供するための論考である。
““狂史”捏造が人生の全てだった“プーチンの腹話人形”西尾幹二──世界史地図からロシアを白塗りした“赤い有害図書”『日本と西欧の五〇〇年史』の唖然” の続きを読む