フリン大統領補佐官を辞任させたローガン法を日本も大至急制定しよう──前田匡史/鈴木宗男/森喜朗を手っ取り早く懲役三年に処すに、この法律に学ばない手はない

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筑波大学名誉教授  中 川 八 洋

 トランプ大統領の最側近マイケル・フリン大統領補佐官が、2月13日に辞任した。2月10日に、トランプ・安倍晋三とのフロリダ首脳会談に随行して、フリンは、谷内正太郎(日本版NSC局長)と長々の会談をしている。この問題は米国の対ロ路線を巡る権力闘争だから、安倍晋三には、直接的には無関係。だが、米国政府全体に今や熱く漲る「“親ロシア”トランプを倒せ!」の慣性は小さくはない。トランプと蜜月の安倍晋三にいずれ火の粉が降ってこよう。

 フリン辞任の理由はこうだ。フリンがまだ民間人だった2016年12月、オバマ前大統領は「プーチンが民主党のPCにサイバー攻撃して、その情報でトランプ支援を行った」ロシアの主権侵害行為(内政の大統領選挙への外国干渉)に対してロシア大使館等を根城にするKGB第一総局(SVR)/GRU情報専門工作員35名を国外強制退去させ、また二施設への出入りを禁止する対ロ制裁を断行した。

 フリンは、自分の身分がまだ民間人であるのに、この直後、駐米ロシア大使と、このオバマ対露制裁をどう解除するかについて電話で密談した。これは民間人が外交交渉に関与するのを禁じるローガン法に抵触する。ために、即刻辞任する羽目となった。なお、オバマ政府は当初「大使館員(外交官)35名」と公表したが、のち「情報専門工作員35名」と訂正した。  

 フリンが大統領補佐官になったのは、1月20日。つまり、その前月の時点では、フリンはまだ民間人。また、FBIは敵性国家の大使館員との電話すべてを盗聴しており、ロシアやイランなどはFBI盗聴対象の筆頭。元・DIA(国防情報局)長官の“親ロ”フリンは、この盗聴制度を充分に知っている。どうやら「来月には米国大統領(安全保障担当)補佐官という絶大な権限の閣僚になれる」との嬉しさで浮かれ昂奮して、フリンは盗聴されていることをすっかり忘れてしまったようだ。

 現在、上院議員マケインら共和党「保守」は一丸となって、また、FBIもCIAからの絶大な協力を得て、トランプ政権の親ロ派一掃に全力をあげている。それが米国はもちろん、他の自由社会諸国家の国益を守ることにおいて、“親ロ派”フリン&ティラーソン国務長官の二人を叩き出すのは、この健全な愛国心からも正当である。そして、フリンとティラーソンの二名を叩き出した後、日本史上最凶最悪の対ロ売国奴安倍晋三にも、トランプと抱き合わせで、この親ロ派一掃の順番が回ってくるのではないか。

第二代大統領ジョン・アダムス時代のローガン法(Logan Act,1799年)とは?

 ローガン法は、堕落と腐敗の日本には、同種のものがない。が、主権国家なら当然、具備していなくてはならない法律である。その制定は、ジョージ・ワシントン初代大統領が1797年春に引退した後、ジョン・アダムスが二代目大統領だった時代の1799年。

 この法律の趣旨は、「全ての米国籍民間人private citizenは、米国政府の命令や許可なしには、米国の外交問題に関わり干渉・関与など影響を与える行為をなしてはならない」とするもので、違反者には罰金もしくは懲役三年以下の実刑もしくは双方が課せられる。数回にわたるロシア大使とのフリンの会話はすべて一語一語正確に録音されており、(司法省に起訴する気が弱いとはいえ)フリン元・大統領補佐官が実刑を喰らって刑務所に収監される可能性はゼロではないし、少なくとも本件でフリンが当初FBIに虚偽の説明をした行為は別の法律に違反するので、この方で裁かれるかも知れない。

安倍晋三の対プーチン惨敗外交に暗躍した“日本の民間人”放置は、日本国の無法化の極み

 安倍晋三は、北方領土返還を理屈にした、日本国にとってロシアの対日侵略を誘導する百害あって一利なき日ロ平和条約を結びたく、プーチンと異常な接触(16回)を楽しむ二人きりのゴールデン・パーティを、総理に返り咲いた直後の2013年年頭から開始した。安倍とは、自分の人気しか念頭にない、日本国が全く不在の“人気至上主義の選挙屋”政治家である。  

 そればかりか、安倍は、いかなる国家であれ外交交渉に絶対に用いてはならない、祖国を毀損する反・外交をし続けた。安倍のなした反・外交には二つある。第一は、民間人活用絶対禁止の鉄則を破ったこと。第二は、外務省の担当局の外交官が同席しない、プーチンと密室の二人会談をする、ロシア得意の密室協議の罠に自ら嵌ったこと。

 ここで言及するのは安倍“反・外交”の第一のみだが、安倍晋三が、外交官や政府要人などでない民間人活用の絶対禁止の鉄則を犯し続けたことは、つとに有名。例えば、純粋に民間人で素性定かでない前科者の“悪のロスケ”鈴木宗男の起用は、この氷山の一角だろう。

 また安倍が使ったトンデモ国賊には、国際協力銀行副総裁の魔のロスケ前田匡史もいる。鈴木宗男や前田匡史が、ロシア大使館の対日謀略組織と緊密・頻繁に連絡を取り合っているのを“IQが際立つほど貧困なお馬鹿”安倍晋三は、危険だと感じることもなく、自分の為に裏交渉をしていると思い込んだ。安倍晋三は、白痴に近い。何人にも裏交渉をさせてはならないのは対ロ外交の絶対鉄則ではないか。  

 民間人は、法律に律せられた処罰規定下で行動する国家公務員ではない。また、外務公務員(外交官)と異なって、国際法やこれまでの日露外交交渉史に精通しているわけではない。何をやっても処罰されない身分であり、また、国益とは何かの訓練を受けていないから、おのずと私益や自己の名声を求めることしかしない。99%の民間人とはそういうものだ。  

 この問題で、現今の外交官の質的劣化や、血統が北朝鮮人の外交官の急増などを持ちだして、外交官の能力が民間人と五十歩百歩ではないかと次元の異なる問題にすり替える詭弁を弄する者が多くなった。日本の外交官の質的劣化問題や、いかに外交官の質を向上させるかの問題は、それ自体として真正面から取り組むべき問題ではないか。“ロスケ対日工作員”鈴木宗男や前田匡史などが「俺様が日本国なのだ」と暗躍するのを妥当化する理屈に悪用するとは、お門違いも甚だしい。  

 だから、いかなる国も、民間人が外交問題に首を突っ込み掻き回すのを禁止し処罰する法制度を完備しているのである。現に、今般の安倍晋三の対プーチン惨敗外交に、純粋に民間人の鈴木宗男や前田匡史や森喜朗が関わって重大な過誤を犯したことは歴然としている。

 日本は、この教訓をもとに、今般の日本国の国益を棄損した安倍“反・外交”のA級戦犯である、民間人の鈴木宗男/前田匡史/森喜朗を懲役刑に処することのできない、我が国の法的不備こそ猛省して、この法的不備を是正する立法を早急にせねばならない。

 奇しくも太平洋の向こう岸から、「ローガン法を模倣すれば」との助言が届いた。早速、日本版ローガン法を制定しようではないか。この法律の基本趣旨は、次のようなものになる。ローガン法と異なるのは、罰金刑がないだけ。

「国家公務員ではない全ての民間人は、我が国と外国との間での係争中の外交問題に関して、この外交問題に何らかの影響を与える意図をもっての、関与や介入をした場合、懲役三年以下の刑に処す」  

 なお、森喜朗だけは、その主たる犯罪は2013年春、「安倍晋三首相の特使」の肩書においてなされており、この日本版ローガン法の定める「民間人」に該当するか否かが争われよう。「特使」が公的役職に相当するか否か(国家公務員に準じるか否か)、これは微妙だからである。だが、森喜朗の、KGB第一総局直属の諜報工作員/情報操作工作員養成所の国立国際関係大学での講演は、プーチンとの会談だけには仮に訓令が有ったとしても、この訓令に基づいた範囲のものである可能性はなく、日本版ローガン法に抵触することは逃れられないだろう。

鈴木宗男や前田匡史を無期懲役に処すべく、刑法の外患通謀利敵罪を早急に復活させよう

 この日本版ローガン法を制定するだけで、充分に対ロ売国奴たちの日本国の国益簒奪を処罰できるorその暗躍を阻める、とは到底考えられない。やはり、当該犯罪の取り締まり・処罰を占領軍が代行している以上、また武装解除中の被占領国・日本には不要であるからと、GHQが暫定的に削除した刑法第83~6条を復活し、この第85条で、鈴木宗男/前田匡史/森喜朗の三名を、死刑を含む有期無期の懲役暮しをさせるのが、主権国家・日本がその主権を維持するに最低限必要な、正しい法的制度であろう。

早急に復活すべき外患「通謀利敵」罪の4条

刑法第83条;「略」

刑法第84条;「略」

刑法第85条;「敵国のために間諜をなし、または敵国の間諜を幇助したるものは死刑または無期もしくは五年以上の懲役に処す」

刑法第86条;「略」  

 この刑法第85条に従えば、鈴木宗男と前田匡史の死刑もしくは無期懲役は、確実である。前田匡史については、その「自白調書」が、『朝日新聞』2017年2月3日付け15面に大きく掲載されており、刑法第85条の犯罪者なのは明白。よって両名は、死刑もしくは無期懲役を免れることは出来ない。  

 2013年の森喜朗のモスクワでの行動は、この85条がある場合、首相特使だったため、罪はあっても罰が一等免ぜられるから、懲役五年ぐらいか。

 この外患「通謀利敵」罪第85条の問題は、さらに別稿で論を進めたい。  

(2017年2月16日記)

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