ゼレンスキーよ、反転攻勢の失敗ごときで怯むな!ウクライナの勝利は不動の運命。気を安んじて戦い続けよ!──日本よ世界の諸国よ、第三次世界大戦を未然防止するために自己犠牲する“美徳の騎士団”ウクライナに、必要な武器と軍資金すべてを急ぎ送ろう

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筑波大学名誉教授  中 川 八 洋

 2023年6月5日未明に始めたウクライナの反転攻勢は失敗に帰した。この失敗、私にとって驚くものは何もない。私は6月10日頃、ブログかtwitterかで既に指摘していたように、この事態を予見していたからだ。また、8月頃、失敗に至るのが明らかな、愚かな作戦を二ヶ月以上も続けるウクライナが“お気の毒”で、戦略変更するよう提言した論考を発表した。

 6月初頭、ウクライナのザルジニー総司令官は、主力を、ザポリージャ州を北からアゾフ海沿岸に縦断侵攻しアゾフ海に達したところでドネツク州を攻略するとの作戦に拘り、これを実行。が、この作戦には、二つの大欠陥がある。「全くナンセンスな作戦」と言っても言い過ぎではない。

 第一。ザルジニーは、ロシアの防御戦“兵法”のイロハを知らない。例えば、1941~3年のレニングラード戦/モスクワ戦/スターリングラード戦など主要なロシア軍の戦史(「戦闘史」)について極度に無知。第二。《ケルチ大橋を落とさないで反転攻勢が可能》など、底の無い樽にワインを注いでいる“お馬鹿”ワイン農家以上に烏滸の沙汰。私が2022年2月24日のプーチンの対ウ侵略開始から半年を経ずして構想したのは、次。

中川作戦;ケルチ大橋“落とし”→クリミア半島のロシア軍基地の潰滅(セバストポリの黒海艦隊を含む。奪還占領はしない)&へルソン州東側の制覇→ザポリージャ州の南域に侵攻し、そこから北上し同州を完全制覇→ドネツク州に侵攻・奪還」。

 私は2022年のかなり早い頃、「海自のハープーン艦対艦ミサイルを二百基ほど引っ剥がして、ポーランドで十㌧トラック50台を発射台に改造し、うち25台(100基)をオデーサからルーマニア領海まで黒海沿岸に万遍なく配備して、ウクライナ農産物輸出貨物船の護衛に用いる」「残る25台(100基)は、“へルソン州東側→クリミア半島のロシア軍基地”の攻撃に用いる」ことを提唱した。このハープーン二百基供与も、上記「」の中川作戦の一部。

 ただ、上記・中川作戦は、米国バイデン大統領の意向にはそぐわず、基本は最も正しいのに、外見上では何か無理筋のように誤解されるようになった。バイデン大統領は、チキン黒人オバマ大統領の副大統領だったから汚染されたのだろうが、非現実「ケルチ大橋を落とせば、その報復として、ロシアは戦術核をウに投下する」を勝手に大妄想し勝手に恐怖。バイデンが長射程ATCMSミサイル(射程300㎞)の供与を大幅に遅らせ、また「ケルチ大橋“陥落”に使用しない」をウクライナに誓約させたのは、このバイデンの“非現実の大妄想”が原因である。

 そこで私は、2023年5月下旬に供与された英国のストーム・シャドウ(射程560Km)に期待。が、ウクライナは今も、これをケルチ大橋に一向に投下しない。英国も米国同様、ケルチ大橋攻撃には使用しないとウに誓約させているようだ。この英米の愚行なら、上記・中川作戦は画餅に帰す。

【蛇足】2023年12月26日未明、クリミア半島の港フェオドシヤで、ロシア海軍の大型揚陸艦「ノボチェルカスク」が、英国製ストーム・シャドウの直撃で、大爆発を起こし轟沈した。このフェオドシヤには、ロシア最新鋭の対空ミサイル「S400」が配備されていた。が、レーダーが機能せず、うんともすんとも動いていない。トルコのエルドアン大統領はプーチン大好きで、米国と大喧嘩までして(NATO同盟国でありながら)2019年にS400を配備した。トルコが“役立たず”を買ったのは、NATOを裏切ったことへのアッラーが降した罰。

ゼレンスキーよ、英米を説得し、ATCMS&ストーム・シャドウを、今直ぐケルチ大橋に“投下せよ”

 今般のストーム・シャドウのフェオドシヤ港直撃の成功は、ケルチ大橋の西側橋脚爆破にも有効なのが証明された。オデーサ市とドニプロ市の中間地点の上空から撃てば、フェオドシヤとケルチはほぼ同じ距離だから、前者への攻撃成功は、後者への攻撃成功を意味する。ケルチ大橋は、鉄道橋と自動車橋の二つが並行しているので、この双方を破壊・使用不能にするには、各二発づつ命中させるのがよい。ただ、ミサイルがまだ四発が残っているのだろうか。なお、フランスが供与したSCALP-EGは、フランス名でストーム・シャドウと同じもの。

 ゼレンスキーが米英から、ケルチ大橋“落とし”の許可を取り付けるには、両国に次の二点を納得させねばならない。

A、ケルチ海峡は、中間地点で、ウクライナ領とロシア領に分割されているので、ケルチ大橋の西半分はウクライナの領土内。ウクライナ領域内の物をウクラナイナが破壊するのは、ウクライナの自由の権利の行使。ウクライナはロシア領内の物的破壊をしておらず、遵法から逸脱せず。

B、ロシアは、今般のウクライナ侵略で、戦術核兵器を万が一にも使用しない。バイデンの恐怖「プーチンは戦術核兵器を投下する」は、現実離れした妄想の域の、無根拠な杞憂。

 Aは、ウクライナ政府部内にいる国際法の専門家に、もっとrefineさせて米英を説得させれば済む。問題はB。ウクライナには核戦略家が一人もいない。また、米国でも、レーガン/パイプス教授コンビの外、何十人もの一流核戦略の専門家がいた1980年代とは異なり、今ではほとんどいない。

 特に、2009年1月に発足した、核戦争恐怖症のチキン黒人オバマが大統領(マルクーゼ系の共産主義者)になったことで、ワシントン界隈にまだ大勢いた(核戦略家たちを支えていた)ネオコン勢力も衰退して、これに拍車をかけた。さらにアメリカ・ファースト派のトランプ大統領によって、レーガン系のマケイン上院議員だけでなく、ネオコンまでが潰された。ために、これに連動して、レーガン核戦略を継承する反ロ核戦略家も一掃された感がある。トランプから2019年9月に解任された安全保障大統領補佐官ボルトンの姿は、米国政府中枢から核問題の専門家が消滅していく光景だった。

(備考)America‐Firstは、パックス・アメリカーナとは真逆の、国際アナーキズム。世界無秩序World‐Disorderを目指す極左思想である。地政学者スパイクマンの主著『世界政治と米国の戦略』は、米国外交からAmerica‐First派の一掃が執筆目的。反スパイクマンのトランプを米国大統領にしてはならない。

 ウクライナが核問題に無関心かつ音痴であることは、私の『核廃絶は日本民族絶滅』第八章&第九章を、コルスンスキー氏の駐日大使館が翻訳しキーウに送ったという話を聞かないことでわかる。この二論文は、8月にウクライナが反転攻勢を大転換してケルチ大橋を破壊するに《ATCMSやストーム・シャドウを使用する》を米英に了解させるための“説得用”基本知識の紹介でもある。がウクライナは、この二論文を無視したように、核知識の緊要性・重要性が皆目理解できない。

 戦争の勝利は「一に兵法、二に兵器」で決まる。堕落一路の日本とは真逆の立派な国家で、現実対処能力も高い一流国ウクライナなのに、兵法=軍事理論にほとんど興味が無い。玉に瑕とはこの事か。どなたか、私の『核廃絶は日本民族絶滅』第八章&第九章を英訳し、コルスンスキー大使に送って欲しい。ウクライナは今、本物の諸葛孔明を必要としている。

ドニプロ渡河に必要なゴムボート二千隻と水陸両用戦闘輸送車百輌、の供与を等閑視した米欧日

 (1)私は、ウクライナが反転攻勢の主力を“南へルソン州攻略”に全面転換させるべく、2023年8月に三部作を書く予定だったが、一本だけ研究がうまくいかず放棄した(二本が拙著『核廃絶』第八・九章)。この幻となった論文は、ウクライナ海兵師団(ロシア軍のドローンに探知されぬよう)荒天の暗闇でドニエプル川(川幅は平均で10km)を渡河させる作戦を論じるもので、そのために必要な装備すべてを米欧日が提供すべきことを米欧日にアピールするのが目的の論考。一ヶウクライナ海兵師団の構成は、「戦車/歩兵戦闘車/多連装ロケット/榴弾砲/ゲパルト」約五百輌と兵員一万人とした。が、表1の第三番目の輸送手段が、恥ずかしながらわからず、この論考は断念した。

表1;へルソン州奪還のウクライナ海兵師団(一ヶ)の構成

兵員輸送ゴムボート

2千隻。海上保安庁“御用達”ゴムボートを仮定。一隻につきジャベリン/スティンガー装備の兵士五名。ドローン部隊もこれで輸送。

AAV7水陸両用強襲輸送車

100輌。米軍が90輌供与。日本が10輌供与。

戦車/歩兵戦闘車/多連装ロケット/榴弾砲/ゲパルト

総計で500輌。重量50トンを積載でき、座高が低い水上輸送は、艀しかない? *この渡河手段がついにわからず、論考を中途で断念。

 (2)上記のウクライナ海兵師団は、南へルソン州の幹線道路「M14」まで。損耗率は二割を想定。これより南、クリミア半島との州境までは、第二梯団と言うべき、もう一つの新しいウクライナ海兵師団が担当。この師団には、日本が供与したハープーン100基があり、これにてクリミア半島のロシア軍の様々な基地を壊滅させる。

 (3)露軍を制圧した後もヘルソン州防衛の任務に専念する上記二ヶ海兵師団に続き、後続で、十ヶ機械化師団(二ヶ軍団)にドニプロ河を渡河させ、これをそのまま東進させてザポリージャ州に突入させる。つまり、ザポリージャ州の制圧・奪還は、ロシア軍が強度に構築した防禦線(仮に「プーチン・ライン」と呼ぶ)の背後を衝く。ドネツク州の制圧も同じ。

 (4)ルハーンシク州の制圧は、ロシア領土ベルゴロド州に越境し、ここを占領しない限り不可能。当然、ウクライナは堂々とロシア・ベルゴロド州を占領すべきである。戦後の露烏間の戦争処理(和平交渉)を通じて、ベルゴロド州は賠償としてウクライナに割譲させる。こうすれば、ベルゴロド州占領は、越境攻撃ではなく、ウクライナ領土内の軍事作戦になる。

13世紀モンゴル人に自己改造したロシア人。ロシア人をモンゴル人でないと誤解するウクライナ

 さて、前述のウクライナ地上軍が反転攻勢に失敗した理由トップ・スリーは次か。

1、ロシアの航空優勢を封殺して航空parity(対等)にするための、F‐16約百機のウクライナ到着が丸一年遅すぎたこと。

2、どんなに遅れても、反転攻勢を3月末には始めるべきなのに、それが二ヶ月間半も遅れたこと。この原因はNATO諸国が戦車を2022年秋から半年間も出し渋ったこと。この二ケ月の遅れは決定的で、ロシアは得意の防禦陣地を完璧に構築した。

3、ザルジニー総司令官を初めウクライナ陸軍の参謀たちは、ロシアの地上戦兵法に余りに無知でありすぎたこと。特に、スターリンの対ナチ・ドイツ“地上戦”戦法を、共産主義の戦い方法だと誤解した。つまり、「プーチンのロシアは、スターリン時代とは異なっている」との、事実に反する妄想をした。

 私は“日本唯一人のロシア専門家”として、公理「経済体制を別とすれば、ソ連とロシアの間に何ら変化はない」に厳格に立脚し逸脱したことはない。即ち、日本人のうち私のみ、歴史事実の核心「レーニン/スターリンは、計画経済と共産主義宗教教育を除けば、その政治も外政も軍事もイワン雷帝を踏襲した、キプチャク汗国バトゥの嫡系的な継承者」と正しく理解。こう理解した時のみ、“苛斂誅求のモンゴル支配文化”を嫡流的に継承し政治の根幹にした、現在のロシアが正しく見える。

 が、このような正しいロシア史に基づく英米の“ロシア軍”専門家は、1980年代を境に、すっかり消えた。だから今般、米国は、相当な数の軍事顧問をウクライナに派遣しながら、自国部隊を射殺するロシア督戦隊の存在を事前に伝えてなかった。故に「戦場でウクライナが、ロシア軍の部隊を五十回撃退しても、次の新たな部隊が襲ってきて退却は永遠に起きない→最後にはウクライナ兵が疲れて敗北に至る」“ロシア戦法”を、ウクライナは反転攻勢の失敗で初めて知るという、孫氏の兵法に違反する“敵を知らない”愚を犯した。米国陸軍内でも、ロシア地上軍の戦法が「イワン雷帝→スターリン→プーチン」だと知る者が、1980年代ではゴマンといたが、今では消滅。

 ロシアが継承したチンギス・カン発案の十三世紀モンゴル陸戦は、“1%のモンゴル兵が99%を占める征服された他民族兵士を使う兵法”だから、モンゴル兵はこの他民族兵の背後にあって、退却や命令違反には、即座に斬り殺すか弓で射殺した。だから、人口が極度に少ないモンゴルが、ユーラシア大陸のほとんどとそこから南下して中東のレバノン辺りまで一気に席捲・支配できたのである。ロシアは「99%他民族、1%ロシア人」でも国家を運営できる世界唯一の異能な国。ロシアの、この特殊な異能は、「チンギス・カン→バトゥ→イワン雷帝」からノウ・ハウを受け継がれている。

(備考)尚、ロシアは、10世紀頃、キーウ・ルーシー人の一部が北方のモスクワ川に移住して形成された。現在のウクライナを母とすれば、その息子に当る。ウクライナとロシアは、兄弟ではなく、母子の関係。ウクライナ人はポーランド人やリトアニア人に酷似した民族となったが、ロシア人は百%モンゴル人に変貌した。両者の間に共通する民族性は皆無。

 それはともかく、一般的にもロシアの防禦戦は世界一。スターリンのスターリングラード防衛戦を見れば納得しよう。そこで、軍事専門家でない一般人である本ブログ読者に文献を紹介する。ピーター・ヤング『第二次世界大戦通史』の「スターリングラード攻防戦Ⅰ&Ⅱ」192‐5頁、「スターリングラード戦の終末」200~1頁を勧める。合計たった六頁だから、簡単に読める。

戦争研究所の「ウクライナ対ロ敗北の高い代償」は、一億日本人が拳々服膺すべき最高級の論文

 ウクライナへの苦言はここまで。ここ以降は、日本への苦言、いや日本への警告に話を変える。日本人は、ウクライナへの武器供与を、日本国民の自由な選択だと思い込んでいるからだ。何という傲慢な錯誤だろうか。日本国がウクライナへ武器供与することは、日本国民の(選択できない)至高の義務である。日本自らが、自国の物理的生存のために、ウクライナに対し「どうか武器を供与させて下さい」と、土下座して頼み込むのが本筋と言うもの。

 なぜなら、ウクライナが対ロ防衛戦争で敗北すれば何が起きるか、を想定すれば、考えずとも明らかではないか。ポスト「ウクライナ敗戦」の世界がdisorder世界無秩序となるのは必定。当然、ロシアは、その後は、西と南と東の三方へと領土大膨張に狂奔するだろう。これが、マッキンダーやスパイクマンが恐れた“ハートランド(ロシア)の地球制覇侵略”の骨髄である。

 中共・イラン・北鮮がこのロシアに同調するのは必定。この結果、日本国は、中ロ朝三ヶ国の共同猛襲の侵略を受けることは避けられまい。仮にも米国が欧州と中東(イスラエル、サウジ、UAE、バーレーン)の防衛を優先することになれば、日本は単独で、中ロ朝三ヶ国の合同対日侵略に対処せざるを得ず、その結果が“日本の百%亡国”なのは、説明するまでもない。

 一億日本人が阿鼻叫喚の地獄でのた打ち回りながら殺戮し尽くされる情況下での日本亡国が、「ウクライナ敗北→世界無秩序→第三次世界大戦」の現実となろう。この現実が見えない日本人とは、頭が悪すぎというより、家鴨や豚並みの白痴。「ウクライナ敗北→世界無秩序→第三次世界大戦」という現実をしかと把握し、それを直視する者だけを日本国民とする時に、日本は来ている。この現実が見えない日本人は非国民以下の犯罪者とも言えるから、日本から出て行ってもらいたい。

 日本人の99%は、ウクライナの敗北という最悪事態を想定しない“非国民のクズ以下”で、「馬鹿は死んでも治らない」を絵に画いたような連中。岸田文雄は、この筆頭。「ウクライナの戦後復興で日本経済は潤う」と、内心にやにやしている経済界の日本人に至っては、下衆以下の盗人に同じ。

 だが、米国にも、“ウクライナの敗北という最悪事態を想定しない”ゲス階級が、今や、かなりの勢いで、米国社会に蔓延してきた。気狂いトランプが率いるAmerica‐First派が伝染病的に広がったためである。しかも、気狂いトランプが率いるAmerica‐First派が、米国下院の共和党議員の四分の一以上を占めているため、バイデン大統領のウクライナ支援法案が頓挫し歳を越してしまった。

 日本では小野寺五典ら数名を除き、国会議員の99.9%が、この“ウクライナの敗北という最悪事態を想定しない”極左反日のゲス人間たちで、ウクライナへの武器供与を一切考えない。いや、平然とこれに反対する。2023年12月末、初めて“非殺傷兵器”パトリオット(附記参照)、“米国への輸出”という形でウクライナに供与することになった。が、これ、一年二ヶ月前の2022年10月にすべきこと。岸田よ、この一年二ヶ月間にロシアのミサイルで死んだウクライナ一般人は何人だと考えている!

 一方、米国でも、ウクライナの敗北という最悪事態を想定しない、気狂いトランプが率いるAmerica‐First派の下院議員約六十名が、闊歩している。世界平和と日本国の安全を考える“正しき日本国民”は、ウクライナの敗北という最悪事態を想定しない有害な非・人間たちを、日米を別たず、粉砕して叩きのめすことを真剣に行動に移す時ではなかろうか。

 このように、“ウクライナの敗北という最悪事態を想定しない”トンデモ非・人間たちを全面粉砕する論文を書かねばと苦慮していた時、偶然にも好論文に遭遇した。それが、2023年12月14日と22日に発表された、米国シンクタンク戦争研究所(ISW)の、タイトル「ウクライナ対ロ敗北の高い代償1&2」の論文。以下、この論文につき少し紹介しておきたい。

スパイクマン博士の炯眼;「トランプらAmerica‐First派は、世界平和に有害→日本の国益に有害」

 この論文は、米国下院の共和党議員のうち四分の一が偏狭なトランプ信者のアメリカ・ファースト派で、ウクライナへの武器供与を拒んでいるが、このトランプ信者の共和党下院議員たちへの警告である。「ウクライナがロシアに敗北し、ウ全土がロシアに併呑されても、米国はどこが困る!」と考える“蒙昧な愚民”に化したトランプ信者の共和党下院議員たちへの、頂門の一針的な反撃論文。

 米国も日本も今では、1930年代の米国を席捲した、あの猛威を振るった狂気の伝染病「America‐First運動」の正体を知らない。「America‐First運動」は、さもモンロー主義の復活かに誤解させる上衣を着ているが、実際にはそれとは全く異次元で、スターリンが米国内に創り上げた“対外不介入主義の運動non‐interventionist movement”が正体。これを潰したのが、第二次世界大戦に参入したルーズベルト大統領及び天才スパイクマン博士の地政学。第二次世界大戦後に誕生した“親日”トルーマン大統領は、America‐First派に止めを刺したスパイクマン地政学を忠実に継ぐ、その学徒であった。

 日本では、太平洋を横断したリンドバークなどのAmerica‐First派が反ルーズベルトで、このルーズベルトがスターリン大好きな共産主義シンパだったことで、単細胞的に「America First派は保守」だと思い込んでいる。逆さま。America‐First派とは、ルーズベルトら共産主義シンパや共産主義者よりも、さらに極左の、《究極の反米》アナーキストである。バクーニンやクロポトキンと同種のトンデモ超・極左集団の一味と見做しておけば、ほぼ正確。このことは気狂いトランプを観察すれば一目瞭然ではないか。

 トランプは“NATOつぶし”をなし(未遂)、金正恩の核戦力増強を手助けしたり(『ジョン・ボルトン回想録』参照)、トランプの本性は“世界無秩序”待望論のスーパー・アナーキストであって、保守ではない。トランプはまた、(米国はユーラシア大陸から離れているから安全だと)第三次世界大戦を快楽したくて堪らないスーパー精神異常の病気を発症している。アナーキストは「幸徳秋水→大川周明→西尾幹二」の系譜を観察すれば明瞭だが、全員が重度の精神分裂病を病む“気狂いの中の気狂い”。トランプはこの典型。

 ところで日本では、1930年代の米国America‐First派の理論家二人の著作が翻訳されている。ハミルトン・フィッシュ『ルーズベルトの開戦責任』(共産党員・渡辺惣樹の訳、出版社はロシアKGB第一総局が経営する草思社)と、ビーアド『ルーズベルトの責任』(日本共産党の直営出版社・藤原書店の刊行)。世界を無秩序の地獄に誘導し、世界を“戦争、戦争、戦争”の巷で焼き尽くしたいと考える、ビーアドらの書を読むと、“スターリン狂”ルーズベルトの方が「中道」「正常」に見えてくる。

 1937~45年の八年間、日本はスターリンの命令に忠実に日本共産化/全アジア共産化を目指し大東亜戦争を遂行した。その過程で昭和天皇を銃殺し、日本人七千万人のうちロシアの侵略時に戦う日本人男性二千万人を事前に殺しておいて、ソ連軍の日本列島“無血占領”を成功させる、一億玉砕の日本国“絶滅”が、大東亜戦争の戦争目的だった。

 この意味で、自ら亡国の淵に喜々として飛び込む完全に狂った日本を、スターリンから嗅がされた麻酔から覚醒させたのが、ルーズベルトの太平洋戦争。ルーズベルトこそは、日本国と昭和天皇を救出する太平洋戦争を行ったのである。マッカーサー元帥率いるアメリカ太平洋軍は、日本にとって文字通りの神風だった。この意味で対日開戦をしたルーズベルトは、日本国の救世主である。

 確かに、ルーズベルトは、1945年2月11日のヤルタで、たった三十分のスターリンとの対談で、日本にとっては許せないヤルタ秘密協定にサインした。但し、肩書「米国大統領」を書かず、ルーズベルト個人の同意にした。親日のチャーチルは怒って、この会談をボイコットし、出席していない。

 このように、確かにルーズベルトはヤルタ秘密協定という重大な瑕疵を日本に残した。が、それでもルーズベルトは、“スターリンの二匹の犬”「近衛文麿→阿南惟幾」が遂行した“日本亡国戦争”大東亜戦争を粉砕してくれた。これによって昭和天皇は、阿南惟幾らに銃殺されずに済んだ。この偉業を考慮すれば、ルーズベルトの“大チョンボ”ヤルタ秘密協定には目を瞑るほかない。なお、ヤルタ秘密協定は、フォスター・ダレスが直接起草したサンフランシスコ講和条約で全否定された。米国はヤルタ秘密協定という重荷を、1951年9月8日に、日本国から解放した。

 だが、ブレジネフが在京KGB第一総局を総出動させて創った“対ロ売国団体”日本会議は、逆立ちして日本国を裨益したルーズベルトを罵倒し、日本国民七千万人全員を殺し日本国の領土すべてをスターリンに貢ぐ“祖国への大叛逆”大東亜戦争を讃美する。北方四島の奪還を口にしたことすらない“KGBロスケ20万人”が屯する日本会議のメンバー全員は“反日の狂人”であり、切り刻んで日本海のサメの餌にする立法で一掃しておく必要がある。そうしないとすれば、日本国の再びの亡国は避けられない。今上上皇陛下の譲位を禁止し「退位」と宣言した“悪魔の共産主義者”安倍晋三を信奉する“共産党の別働隊”日本会議という天皇制廃止勢力を、朝日新聞と一緒に、日本国から一掃・放逐することを、急ぎに急ごう。

 翻って米国下院のトランプ系共和党議員たち。国際政治がさっぱりの無知蒙昧な彼らは、外交は凡庸だが間違いは犯していないバイデン大統領のウクライナ支援の法案を阻止せんと、阿波踊り的に騒ぎまくっている。1930年代にスターリンが創った、不介入主義のAmerica‐First派は、実は1970年代末にブレジネフが創った“ロシアの犬”日本会議の米国版。だから、トランプが2016年に大統領に選出されるよう、プーチンは全面協力し、民主党の動きをすべてハッキングしてあげた。

 トランプこそは1930年代の米国が蘇った“ロシアの犬”のレトロ版。トランプの方が、ルーズベルトの百万倍は世界に有害。実際にもトランプ外交は、“スターリンの亡霊”プーチンや金正恩とダンス・マカブルする狂態だけではないか。

 スターリン産America‐First派が蘇生した「トランプ集団」も、ブレジネフが創生したロシア原産「日本会議」も、共通して「世界無秩序→第三次世界大戦」を待望する、戦争讃美の血塗られたアナーキストの群れである。現に、日本会議は、「ウクライナに武器を送ろう」を一度も口にしたことはなく、反ウクライナの共産党・朝日新聞と寸分も相違しない。北朝鮮人の鈴木宗男や佐藤優と変わらぬ日本会議は、“ウクライナ人をもっと殺せ!”を(聴こえないよう)超音波で大々的に発信している。

 真当な人間なら“戦争のない世界”と“自由ある法秩序の世界”を望む。また、この平和のために今、ロシアの阿漕な侵略に立ち向かうウクライナへ無条件の支援をせんものと精を出す。この意味で、世界がいま固唾を飲んで見守る、ウクライナ敗北後に到来する世界規模の大戦争を快楽したい米国下院のトランプ一派を、世界平和のため、健全な日本人は、粉砕せねばならない。この意味で、嘗てAmerica‐First派を一掃したスパイクマン博士の国際政治観を、我ら本物の平和愛好の真人間は、拳拳服膺して再度、噛みしめなくてはならない。

「ウクライナ敗北→プーチンの《ポーランド/バルト三国/スロバキア》侵攻→第三次世界大戦」

 ウクライナがプーチンのロシアに併呑されれば、事態はそれで収まるわけではない。プーチンのロシアは、占領したウクライナ人を最低でも百万人を動員して、それらをポーランドとバルト三国に攻め込ませる。スロバキアもこの難を逃れることはできない。

 ロシアに占領されたウクライナの男性が仮にも抵抗すれば即座に銃殺される。故に、このロシアの命令に逆らうことはできない。なお、ベラ・ルーシーは、今般の「ロシア‐ウクライナ戦争」の過程で、完全にロシア連邦に組み入れられ、今では主権国家の背骨が見えなくなった。

 つまり、不可避の連鎖「ウクライナ敗北→ポーランド/バルト三国/スロバキア五ヶ国のロシア編入のため、プーチンはこの五ヶ国に侵略開始→NATO・ロシア全面戦争」が必ず惹起する。これは、第三次世界大戦の火蓋に他ならない。

 こう説いているのが、米国シンクタンク「戦争研究所」の好論文「ウクライナ対ロ敗北の高い代償1&2」。本稿は、この論文の概要を解説する予定だったが、紙幅が無くってしまった。当該ブログの読者は、必ず読破されたい。もう一度言う。ISWの論文は、米国下院のトランプ一派に対する反撃を基調とするもので、地理学ではなく軍事学で、スパイクマン地政学を再現した一流論文。

 日本の出版社は、このISWの論文を新書にして国会議員に配るべきだろう。これが世界平和を希求する態度であり、また愛国心と言うもの。愛国心は言葉wordsではなく、行動actionsである。

「ウクライナ敗北→露NATO戦争→露中鮮の《北海道/新潟県/東京都》攻撃」侵攻を見ない日本

 戦争研究所の論文「ウクライナ対ロ敗北の高い代償1&2」は、ウクライナ敗北後の欧州の惨状を軍事的に予測・分析する論文で、東アジアの情況については割愛している。そこで、私は、この東アジアの部分を、代わって書こうとも考え、本稿に取り組んだ。が、紙幅は既に予定をオーバー。残念ながら、別稿で論じたい。だが、一言二言。

(1)現在、北方四島と樺太には、ロシア地上軍は全くいない。日本は今こそ無血進駐すべきである。これは軍事的奪還ではなく、陸自の駐屯地の国内移動だから、軍事的に現状変更をしてならないとする国連憲章には違反しない。

(2)自衛隊も防衛省もそして政府全体も、いや日本人全員が誤解していることがある。極東で起きる有事は中共の暴走だけとの錯覚のこと。具体的には、一億日本人は、日本列島の周辺で近く起きる戦争事態は、中共の台湾&尖閣諸島への侵攻だけだと思い込んでいる。

 が、現実には「北海道・新潟有事が先で、台湾・尖閣の有事が後」になる。台湾・尖閣を確実に占領するには、陸自ががら空きにしている北海道・新潟県を攻め、陸自が軍事力の主力を九州・沖縄から移動させた後に、台湾・尖閣を狙う。常識だろう。

 さらに、日本では、中共の台湾侵攻時orロシアの北海道侵攻時に、北朝鮮がその潤沢な弾道ミサイルを、日本のどこに投射するか、その弾頭は核か化学か、などの議論を一切していない。厳密に言い直せば、全ての議論が検閲されているのが日本。北朝鮮が、少なくとも化学弾頭の弾道ミサイルを東京に雨霰と投射するのは自明すぎるが、家鴨や豚並みの頭と乞食的な人格に堕した日本人は、この当たり前の事態を予測しない。

 これほどまで脳天気だから、敗北に瀕しているウクライナ情勢に何らの危機感が無いのである。裏を返せば、ウクライナに武器を送れと大声で叫ばないほど脳内空洞化した日本人だから、明日に起きる、中ロ朝の三ヶ国からの猛襲的なミサイル攻撃を受ける日本列島の現実を見ようとしない。満洲で日本人婦女子25万人以上が阿鼻叫喚の地獄で殺される中で日本が満洲を喪失したように、何千万人もの日本人が阿鼻叫喚の地獄で殺される中で、日本国は地球から消えるが、この日が刻々と近付いている。

(附記)“殺人鬼三千人の魔窟”朝日新聞は、“非殺傷兵器”パトリオットを「殺傷兵器」だと“大嘘”

 今なお『朝日新聞』を読んでいる“頭左巻き”日本人に対し、日本国は、懲役三年か罰金百万円を課す立法をすべきである。なぜなら、朝日新聞には、通常の人間など一人もいない。築地にある朝日新聞社の本社ビル内では、青葉真司/宅間守以上の、人間を殺して殺して殺し尽くす、レーニン主義を信奉する“三千人以上の凶悪な殺人鬼”ばかりが屯している。

 朝日新聞社をそのまま精神病院に指定し、社員全員を鉄格子付きの部屋に拘禁すべきである。この提案にはなんら突飛のことはない。『朝日新聞』2023年12月23日付の一面と三面を読むだけでも、誰でも即座に納得。

A;一面大見出しは「殺傷兵器(パトリオット)の輸出 解禁(故に、パトリオットの米国経由ウクライナ供与に反対!)(丸カッコ内中川)

B;三面の見出しは巨大で「平和国家 薄れる理念」。

 パトリオットは、弾道ミサイルや巡航ミサイルを撃墜するもので、人間とはいっさい無関係。まさに非・殺傷兵器の典型。それを真逆に転倒し「殺傷兵器」だと大嘘を宣伝するのは、朝日新聞社が殺人鬼しかいないからだ。また、日本のパトリオットによって、何百人/何千人ものウクライナ人の人命を救える。即ち、朝日新聞の主張「パトリオットの烏供与に反対」とは、ウクライナ人を殺せ! もっと殺せ! と絶叫しているのと同じ。朝日新聞は、麻原彰晃のオウム真理教よりはるかに残虐・残忍な殺人狂徒が跋扈するカルト宗教新聞である。

 例えば、2022年、ハルキウ州の小さな村クピャンスクで葬儀に集まっていた村人目がけ、プーチンはミサイルを投下した。五十一名が死亡した。仮に、日本のパトリオットがハルキウ市郊外に配備されていたら、この五十一名の人命は死なずに済んだのである。自衛隊法116条3項を改正しないのなら、日本は、自衛隊の非・殺傷兵器“パトリオット/ホークの防空兵器”&“地雷除去兵器”を、優先的にウに供与すべきである。これこそ、平和と人道の日本国の精神に合致した兵器供与。

 プーチンのロシアは、ウクライナ人の抹殺も、その戦争目的の一つにしている。が、朝日新聞はこの露烏戦争の核心部分を隠しに隠している。ロシアは他民族殺戮には何ら良心を痛めることはない。これこそ通常のロシア民族の文化だからだ。いや、自国民殺戮にもロシア権力者は躊躇うことはない。12月30日、プーチンは、12月29日~1月2日の、ウクライナの民間人殺害のための大量ミサイル投下を正当化するため、自国領土内のロシア人に多連装ロケットを投射し、数名のロシア民間人を殺戮した。

 が、朝日新聞は、ロシア国防省の嘘発表をそのまま、「ウクライナがハルキウ州からベルゴロド市に撃った」と、見え見えの大嘘を報道した。なぜなら、ロシア国防省は、具体的に、チェコ製の122㍉「RM70 vampire」多連装ロケットだと明言した。ならば、それは射程20kmで、国境から32㎞のベルゴロド市には届かない。つまり、プーチンが自作自演した自国民殺戮なのが瞬時に確定。

 なお弾着跡を写真分析すると、クラスター弾ではもちろんなく、確かに122㍉砲弾。どうやらプーチンは、ロシア軍の122㍉BM21グラート多連装ロケットで、ベルゴロド市の自国民を撃っている。朝日新聞の悪辣さは、ロシアの「12・30自作自演」を知っていながら、大嘘「ウクライナが撃った」と報道したこと。朝日新聞は世界髄一の“最も残虐で凶悪なカルト宗教新聞”である。血塗られた犯罪者性で朝日新聞を超える、悪の新聞は、世界のどこにも存在しない。    

(2024年1月2日記)

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