東電を「永久賠償支払い会社」化する安倍総理の支離滅裂──福島セシウム避難の即時全面解除なしに、日本経済の「成長」などあるのか

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筑波大学名誉教授   中 川 八 洋

※2014年1月25日に中川八洋掲示板に掲載された記事を、再掲載したものです。

※本稿は、狂ったのか、それとも無知すぎるのか、安倍晋三首相が自ら積極的に「脱原発」を目指す“共産党の犬”となって、(単に憲法の定めではなく、憲法の上位にある「法の支配」の“法”である)“法の前の平等”を足蹴にして民法の破壊に驀進している事実を、憂国の国民諸兄に提示し啓蒙するものである。

 2013年5月末に執筆したので、多少古い作品かに誤解されるかも知れない。が、半年後の11月に「民法第724条を守る会」が自費印刷したパンフレット『政府も自民党も東電も、安寧な法秩序を維持する民法724条を遵守し、また擁護し、国家権力による“財産収奪の悪法”<時効中断>を阻止せよ』(非売品)の前編に当たる。原発問題では極めて枢要な論考である。

東電を「永久賠償支払い会社」化する安倍総理の支離滅裂──福島セシウム避難の即時全面解除なしに、日本経済の「成長」などあるのか 

 人の世の現実は、怖いほど複雑怪奇である。事件の加害者と被害者の関係はしばしば判然としないし、善悪の峻別を前提とする道徳の鉈をどう振り下ろしてよいかすらわからぬ事態も少なくない。ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』が名著とされる所以もここにあるのかもしれない。

 現に、三・一一以来、「脱原発」という“悪魔の思想(イデオロギー)”が日本を席捲し、原発をもつ電力会社がその被害者になった。それは同時に電力を消費する企業や消費者(一般国民)が被害者になった。ここまでは事実は明快。

 しかし、東電について言えば、まず「脱原発」イデオロギーとの戦いはいっさいしていないのが特徴。そればかりか逆に、東電こそは、菅直人首相や経産省コミュニスト官僚らが一丸となって創り上げた制度化された「脱原発」体制を、積極的に推進する機関車の一つであることも事実。

 ということは、東電とは、日本国の経済を潰さんとする“共産党「脱原発」勢力”の、その巨大な前衛部隊の一つではないか。この事実も明白にすぎよう。

 つまり東電は、「脱原発」革命イデオロギーの被害者ではない。明らかに加害者である。広瀬・東電社長が、2013年7月、柏崎の原発再稼動を原子力規制委員会に申請しようとしたが(新潟県知事のヒステリーに、驚いて逃亡的に引っ込めた)、何という分裂的で異様な行動か。

 なぜなら、東電は“共産党「脱原発」前衛部隊”として、ますます「脱原発」の国論づくりに暴走スピードをあげている。それがどうして、その逆の「原発再稼動」を進めるのか。

 この東電の分裂症きわまる狂気の行動は、その背後にいる経産省の電力政策が強度な分裂症であることの反映でもあるが、東電が正常なら経産省とも対決しているので、東電擁護の口実や理屈にはなりえない。

 ともあれ、(朝日新聞や共産党の)「脱原発」という“悪の加害者群”に対して、東電の立ち位置は、その被害者というより、“悪の加害者群”の一味である。すなわち、今や東電は、共産党が直轄する“悪の共産革命企業”ともいえる。かくも歪にして奇怪な東電の実情を、以下少しばかり明らかにしておこう。

自民党はなぜ、菅直人・民主党の「脱原発」政策の根幹を継承するのか

 “反科学・非医学の極み”福島セシウム避難の異常性やセシウム除染の不必要性などは、今では世間一般にも徐々に知られてきた。この現実は、何かしら心強い。科学や真実が軽んじられたら、日本人の人格は動物化し、日本は文明国家としておしまいだからだ。

 しかし、馬鹿げた「帰還困難区域」や「居住制限区域」の全面解除が直ちになされる様子は見受けられない。むしろ強化されている。 世界からカルト宗教的だと非難を浴びている“世紀の噴飯行政”「一㍉シーベルト除染」も、即時中断される動きすらまったくない。いったい日本は、正常な国家なのか。

 避難命令は仮にするとすれば、国際的に妥当とされるのは、「外部被曝線量が年間一〇〇㍉シーベルト以上」、除染はこれに基づき「空中線量年間二五〇㍉シーベルト以上」とする基準である。これ以下に基準値を厳格化するのは、秘めた他意がなければ、国家の健全な行政としては、ありえない。

 ところが、政権奪還してすでに半年以上になるが、安倍自民党政府はなぜか、評判すこぶる悪い菅直人首相が、「脱原発」のために“原発(放射能)恐怖症”を国民に刷り込み洗脳すべく、“科学や医学など糞喰らえ”と暴走的に、外部被曝線量を年間「五㍉シーベルト」、土地の除染基準値を年間「一㍉シーベルト」にした犯罪行政を糺そうとはしない。

 これらは、科学的な避難・除染基準を数十倍から数百倍にでっち上げたデタラメ基準値。だが、安倍政権は、是正しようとはしない。安倍晋三総理が率いる自民党政権は、菅直人の「反原発」行政の要、全く不必要なセシウム避難とセシウム除染の“スーパー非科学”を、後生大事と忠実に継承している。

 この安倍晋三の行動は、安倍自身が目玉とする「成長戦略」とも根本的に乖離する。安倍自民党政権の原発政策とは、このように、「原発再稼動」にシフトするといいながら、「反原発」へと逆送するモーメントに大きく振れている。自民党の原発政策は、支離滅裂。迷走どころではない。

 具体的に言えば、安倍自民党政権は、2013年5月7日、国家権力による加罰のある強制避難(政府はさも強権発動でないかに見せるため「避難指示区域」というマイルドな表現をするが、これは国民騙しの化粧表現)を見直ししたが、強制避難を即時全廃するのではなく、逆さにも長期に継続すると決定したのである。このトンデモ悪の行政に対して、ヒットラーのユダヤ人強制連行や、北朝鮮への日本人拉致(強制連行)を思い起こした日本人は、決して少なくない。

 原発事故からすでに丸二年がすぎた。それなのに、二万五千名を五年以上帰還できない「帰還困難区域」にして、自宅居住の自由権剥奪をなしている。限度を越えた人権侵害である。科学や医学に反することをためらわない(サイコパス系)異常人格者の菅直人の狂気を、自民党や安倍晋三はなぜいつまでも続けようとするのか。

表1;今も存続する非医学的で馬鹿げた「避難指示区域」(2013年5月7日現在)

 ちなみに福島県の海岸部に飛散したセシウムのうち、ちょうど半分がセシウム134で、その半減期は二年。しかも、放射線量からするとこのセシウム134の方が七十%以上を占める。当然、全域にわたって、外部被曝線量が数㍉シーベルト以下になっているのは明らか。避難の必要性など全く無い。それなのに、どうして強制避難を続けさせるのか。

 答えは、表向き「原発推進」かの演技をする経産省の、その衣の下は、共産党官僚が支配的で「脱原発」の狂気が主流だからである。経産省とは、ナチ型統制経済の商工省の伝統から、いまだに脱皮はしていない。そして商工省のドンだった岸信介を敬愛する安倍は、自民党政治家を籠絡する才(誑しの才)に長けること霞ヶ関ナンバー・ワンの経産省官僚が大好きである。

菅直人と斑目春樹と久住静代の共同謀議(犯罪)を無批判に継承した安倍晋三

 反科学も度がすぎ野蛮の極みとしか形容できない、馬鹿げた「帰還困難区域」「居住制限区域」「避難指示解除準備区域」は、どう設定されたのだろう。科学的な根拠なしに長期の福島強制避難の公式決定は、長崎大学名誉教授の長瀧重信・医学博士(東京大学)ほか世界的な放射線医学の大家ほか多くの専門家が直接具申して反対したにもかかわらず、野田総理の民主党内閣が強行的に閣議決定し、2011年12月18日、実行された。これは公表されたので、衆知の事実。

 しかし実は、この避難基準、野田内閣が作ったものではない。“反日総理”と罵られるほど悪名高き菅直人が、総理を辞任する直前の二〇一一年八月、旧・原子力安全委員会の斑目春樹・委員長と久住静代・委員らと共同謀議してでっち上げたものである。

 つまり、“放射線音痴”野田佳彦は、セシウム避難などまったく不必要だと熟知する東工大物理工学科卒の菅直人が、「脱原発」の悪意から“国民騙しの行政”“福島県人に対する自宅居住の自由剥奪の人権侵害行政”を意識して考案した強制避難を、真偽を見極められず、引継ぎ時に言われたまま実施した。原子力災害対策本部長である野田首相は、馬鹿丸出しに、“菅直人のクローン”として強権発動をしたのである。

 具体的に言えば、野田内閣も政権交替後の安倍自民党内閣も、現在の福島セシウム強制避難は、IAEAやICRPなどの避難基準を根拠にしてはいない。あくまでも菅/斑目/久住が共同謀議で作成した、非科学的な「原子力災害対策本部長あて意見」(2011年8月4日付)だけを根拠にして、それを暴走的に実行している。

 ここで、われわれが疑問に懐く、問題とすべき事柄の核心は、菅・野田政権を打倒した、安倍総理の自民党政権がなぜ、「脱原発」のための悪の策謀“菅直人・斑目・久住がデッチアゲた強制避難長期化策”「空中線量二〇㍉シーベルトを基準にした強制避難」「地表の一㍉シーベルト除染」(2011年8月)を、今なおなぜ忠実に踏襲しているのか、の一点だろう。

 福島セシウム避難とその賠償に限れば、安倍晋三・自民党政権の方が、“脱原発の悪魔”菅直人・民主党政権より、もっと過激でメチャクチャである。なぜなら、安倍自民党の方が、不必要な避難賠償額を菅直人が企図した額より「二百%」「三百%」も多い二倍・三倍化しようとしているからだ。

 これにからむが、斑目春樹と久住静代(広島大学医学部卒)がどういう政治的イデオロギーの立場の人かを、(当時から激しく非難している有識者は少なからずいたのに、)安倍内閣はなぜ検証して公表しないのか。とりわけ久住氏について、ある宗教的政治団体の党員なのは衆知のこと。それなのに、安倍自民党政府は、久住らが作成した“反科学の極み”「原子力災害対策本部長あて意見」を、現在も“最高に科学的なもの”とばかり逆さに絶対基準とし、2013年5月7日、二万五千人を「五年以上の帰郷・帰宅の禁止」措置に附した。

自民党政権は、直ちに「福島セシウム避難検証委員会」を設置せよ

 自民党は、間違った行政に暴走した民主党政治を正常化する、大いなる健全な政党として国民の付託を受けて政権に復帰したはずである。ならば、民主党政治のうちでも最悪の政治「脱原発」という狂気を、日本国から一掃することが、安倍内閣の最優先の政治だったはずだ。

 菅直人が首相の職権を濫用して、我が国に遺した“巨大な負の遺産”というべき、「<脱原発>制度」には四つある。四大「国家犯罪」である。
医学的に全く不必要な福島セシウム避難、同セシウム除染、原子力損害賠償法に違反して東電に過剰に支払わせる賠償強制、活断層その他のハチャメチャな「新安全基準」を電力会社に課す極左偏重の原子力規制委員会の設置である。

 すなわち安倍内閣が率先垂範すべき政治は、この“四つの巨大癌”「<脱原発>制度」を外科手術的に徹底摘出して息の根を止め、我が国から除染的に除去することだったはず。要は、除染すべきはセシウムではない。菅直人・細野豪志・枝野幸男が遺した、「脱原発」を制度化した悪の行政と悪の行政組織こそ、除染すべき筆頭ではないか。

 このためには、自民党政権は、ICRPやIAEAの避難基準に基づき、あるいは内外の権威ある放射線医学の専門家の論文や意見を聴取し、セシウム避難の科学的な正しい基準を急ぎ作成すべきだ。そうすれば、斑目/久住の「二〇一一年八月意見」がデタラメであるのがすぐ判明する。福島セシウム避難を直ちに全面解除する以外に、科学に適う行政は存在しえないのもすぐ判明する。

 そもそも、外部被曝線量は、避難住民を全員ではなく、その数十分の一ほどの人数を半日ほど個人線量計を首からぶら下げさせて帰宅・帰郷させれば、すぐさま正確に測れる。たった半日でできる、この「外部被曝線測定をさせない」のは、安倍政権下の現在の経産省や文科省の官僚たちが、菅直人政権時のままに、正しい科学的な外部被曝線量のデータが採取されるのを怖れ、それを妨害するためである。

 再度、この問題を整理しておく。

 第一に、外部被曝線量を住民を現地に帰郷させ測定させれば、二〇一一年八月に作成された斑目/久住のデタラメ基準に基づく、現在の「避難指示区域」(2011年12月の野田内閣の閣議決定)に従ってすら、全員帰郷すべきが明らかになる。

 第二に、ICRPやIAEAの避難基準等に従えば、菅直人・細野豪志および斑目・久住が作成した犯罪的な嘘八百の「避難と除染のセシウム基準量」が白日の下にさらけ出され、民主党政権が意図的に福島県人から自宅居住の自由を剥奪した、その悪の行政の実態が暴露されうる。

 安倍自民党は、政権政党の責任において「福島セシウム避難検証委員会」を設置し、この問題を国政の最優先課題をして処理すべきである。菅直人・細野豪志・枝野幸男の極悪の暴政を処断してこそ、安倍内閣は初めて法的正義・科学的正義の責任ある行政を執行する内閣となりうる。

国民の皆さん、「福島セシウム避難を、即時全面解除せよ!」と、経産省・原子力被災者生活支援チームの上司である茂木・経産大臣に、抗議の電話やFAXをどしどし出して下さい。 石原・環境大臣に、「福島セシウム除染を直ちに中断せよ!」と、抗議の電話やFAXをどしどし出してください。

 さて、話を、ヒットラーがユダヤ人を強制連行してアウシュヴィッツなどの収容所に送るのと同じやり方の、福島県人強制連行のための口実「避難区域」を異常な変質者然にいじくりまわしている役所が、一般の国民には知らされていないで、ここで正確にお伝えしておく。日本政治史上に特筆される暴力団を百万倍凶悪にしても、これほど凶悪な犯罪組織にはなりえない「内閣府・原子力被災者生活支援チーム」である。

 しかも、「内閣府」は、形式上の擬装。実際には、経産省の建物内にある経産省の組織。そこの官僚たちは、辞令上も経産省と併任である。つまり事実上、「支援チーム」の役人は全員、経産省官僚。むろん全員、濃淡はあるが、共産党に直属している。

 つまり、経産省は、茂木大臣ほか、幹部には原発推進の正常な官僚が多いので誤解されているが、窓際族的な「生活支援チーム」のような末端組織では、「脱原発」「原発ゼロ」派の極左官僚が跋扈し、彼らのしたい放題やりたい放題が放任されている。経産省とは、このように「原発推進」と「反原発」とに分裂的に二分された官庁だから、共産党員の「反日コリアン」菅直人首相の下でも、革マル派の過激暴力革命マルキスト枝野幸男が経産大臣の下でもうまくやっていけたのである。

 経産省官僚たちの「生活支援チーム」の重犯罪性は、福島県人の自宅居住の自由を公然・平然と剥奪していることで明らかだろう。これは、憲法第二十一条第一項に真正面から違反する暴力である。

 この恐ろしい強制連行の根拠は、菅直人が背後で命じた斑目・久住の「二〇一一年八月四日付け意見」。二〇一二年末からの安倍内閣の福島行政とは、菅直人・民主党政権の完全な継承であって、国民が錯覚で期待する“自民党の良識”はひとかけらも加味されていない。

 さらに、この「生活支援チーム」は、根拠となる強制避難の線量として、この「意見」すら自明とする外部被曝線量ではなく、それを十倍ほど高いとてつもない数字になる、文科省から渡される航空機による空中線量の値にすり替えた。この詐欺的デッチアゲをなすように、経産省(=「生活支援チーム」)は、不必要な避難をさらに長期化させる犯罪を画策している。「経産省に原発推進の良識や良心がある」と思い違いをしている国民は、自らの無知を恥じてもらいたい。

 私もこれまで、中央官庁の官僚には(一九六八年までの東大卒に比すれば一ランク低く、質的は大幅に劣化したといえ)東京大学卒業者もおり、最低の足きりである上級職の国家公務員試験も合格しているので、(「法の支配」はわからずとも少なくとも)法治主義ぐらいは厳守すると思っていた。また「科学」は、法律の上位にあるハイエクが重視する「法の支配」の“法”と同等だし、霞ヶ関の官僚たちが、“科学なんか糞喰らえ”と科学の改竄に精を出すなど想像できなかった。

 しかし経産省=「生活支援チーム」は、外部被曝線量を測定すれば、福島県人すべてを避難解除して今直ぐ帰郷させねばならないことを知っているが故に、簡単に外部被曝線量など正確に測定できるのに、この外部被曝線量の測定を妨害してきた。外向きには、「外部被曝線量のデータがないから、已むを得ず文科省の空中線量を使用せざるを得ないのだ」と、嘘八百の詭弁で国民を騙してきた。

 この嘘八百を糾弾すると、経産省は開き直って、「文科省が測定する空中(空間)線量を外部被曝線量に換算しています」と反論する。しかし、経産省は、その換算式の科学性を問われると歯切れが悪い。学問に耐えないデタラメを極めた反科学の換算式(注)を用いているのを自覚しているからである。  注;正しい換算式は、拙稿パンフの10頁。

 「原子力被災者生活支援チーム」とは、嘘と騙しばかりの世紀の犯罪役所である。こう断じてオーバーではない。これほど腐敗した犯罪者官僚が跋扈する経産省の事例が示すのは、日本を誤導している中央官庁の腐敗は霞ヶ関を覆いつくしていることだから、国家の司令塔を失った日本国の崩壊と亡国はもはや確実、ということ。

賠償を支払う東電は、不必要な強制避難を続行する大犯罪の共犯者

 避難を嘘八百のデタラメ線量で続行させる経産省や文科省の意図は何か。不必要な避難を住民に強制し、この強制避難に対する数兆円(最終的には30兆円)の賠償を東電=消費者に払わせることが狙っているからである。

 この結果、国民は高い電気料金にうんざりして、多くは、日本経済を崩壊に至らしめる「脱原発」を支持するに至る。そればかりか、経産省に巣食う(若い世代に多い)極左官僚たちにとって、「東電の国有化=電力の計画経済体制化」という、共産革命の入り口を創りうるからである。

 私は二〇一一年四月下旬から、「避難が必要だから、この避難によって賠償支払いが発生する」のではなく、「東電が賠償を支払うから、政府が不必要な強制避難をダラダラと続ける」「強制避難は、東電から巨額の金を搾り取る行政犯罪の手段」「経産省官僚たちの『住民の健康』などは単なるデッチアゲ口実」だと、悪の避難行政の急所を衝いて糾弾してきた。

 菅直人首相や細野豪志原発担当大臣が国会などで国民に説明した、「①住民の健康の安全のために強制避難が絶対必要、②強制避難によって自宅居住・故郷居住を法的に禁止された代償は、その不法行為(=健康を害するセシウムの飛散)をなした東電が賠償する」は、科学的・医学的には表向きの用の詭弁であった。“世紀の真赤な嘘”であった。

 なぜなら、「脱原発」革命家の菅直人ですら、東電に数兆円の支払い能力がなければ、彼らは、不必要な福島セシウム強制避難など、万が一にも実施しなかった。たまたま東電が、(税金を支払っていない人は多いが、電気料金を支払っていない人は国民の中でまずゼロという)消費者が桁違いに多いマーケットから電気料金を徴収できるシステムを持つ巨大な私企業であることに、コミュニストの菅直人らは、目をつけたのである。

 これが、菅直人/細野豪志らの官邸で、「三・一一」からまだ二週間ほどしかたっていない三月下旬にプランされ、四月二十一日に実行に移された、今や世界の放射線医学者や科学者の顰蹙を買っている、(単位面積当たりでは超)微量のセシウム漏洩事故を口実にした、デッチアゲ強制避難の真相である。拙稿パンフの三頁を参照のこと。

 こんな民主党政権の国家犯罪から日本国を救うべく、日本国民が、一丸となってこの国に法的正義と科学の真実とを復権させるには、東電が賠償を全面的に打ち切らせるのが、もっとも簡単でもっとも確実な方法。しかも、これまで東電が賠償を支払っているのは、消費者無視の“対住民への無責任なチャリティ行為”。法的正義において、止めさねばならない。

 つまり、その賠償支払いは、法律上の債務ではない。裁判所で訴訟になっているもの以外、賠償はすべて投げ出せばいい。いや、低廉な電気料金の公共的な責任を考えれば、賠償をすべて投げ出すのが、電力会社としての法律上の義務であるはず。すなわち、東電がセシウム避難の福島県人への賠償支払いは、「電気の使用者の利益を保護」を定める電気事業法第一条に違反している。

 この事実は、裏を返せば、法律上の責任がないにもかかわらず、巨額賠償を支払うことによって、医学に叛き科学に反する福島セシウム長期避難やセシウム除染がなされているのだから、東電こそは、共産党員・菅直人や「第二共産党」民主党政権の、その「脱原発」「原発ゼロ」を、最高のレベルで全面協力する、悪の共犯者ということになる。

 言い換えれば、東電こそ、「福島第二」の四基と「柏崎」の七基の原発の再稼動を妨害する、最も直接的な「反原発」政治団体であり、“脱原発の共犯者”。電気事業法第一条の定めに従って、電力を低廉な価格で安定的に消費者に提供する企業でなければならない東電に対して、消費者は電気料金の値上げを断固拒否すべきである。

 この自らのレーゾン・デートルの原点を想起するならば、東電の選択肢は二つ。一つは、賠償の全面打ち切りを行い、“脱原発の共犯者”という悪の道から足を洗う。もう一つは、三万人社員すべての家屋敷から貯金まですべての財産を差し押さえて、賠償を支払い、一円たりとも消費者に責任を転嫁しないこと。消費者が福島第一の事故で負担すべきは、その廃炉費用だけとするのが、筋だろう。

東電はなぜ、「不法行為の時効(民法第七二四条)を援用する」旨を闡明し、“私的団体”日弁連と一体化した(もはや行政庁ではない)悪の文科省と、正当な法的権利を擁護すべく争わなかったのか

 ところが東電は、賠償打ち切りどころか、ますます電力事業会社としての自覚すら喪失した。“恒久的な賠償支払い会社”へと自堕落な転落の道を選択しているからである。

 なぜなら、東電はどうやら「三・一一」で頭が狂ったのか、2013年2月4日、現在の冤罪的な賠償地獄から脱出できる唯一の蜘蛛の糸である「消滅時効三年」の民法第七二四条を、あろうことか援用しないと東名高速道路を逆走するかのような宣言を出した。それは、インターネットにも「原子力損害賠償債権の消滅時効に関する弊社の考え方について」のタイトルで掲示されている。民法第七二四条前段とは、次のようなもの。

「不法行為による損害賠償の請求権は、被害者またはその法定代理人が損害および加害者を知りたる時より三年間これを行わざるときは、時効によりて消滅す」

 この東電の「時効援用の利益放棄」宣言は、「○○党→日弁連→福島県知事」のルートだけでなく、「○○党→日弁連→(原子力損害賠償紛争審査会を所管する)文科省研究開発局長」のルートでの理不尽な政治的圧力に、孤立無援の東電がこらえきれず、奴隷のごとく屈した結果だろう。原子力関連技術の研究開発を進める文科省とは、昔のように原発保有の電力会社に好意的であった時代は潰え去って、今日では電力会社を“バイキンマン大企業”として憎悪敵視する、反・私企業ドグマを行政の根本柱とする異様な極左官庁である。

 「反・電力」官庁として権力濫用をほしいままにする文科省は、2012年秋、安倍政権が誕生するだろうという政界情勢にあわせて、東電に不当賠償を永遠に支払わせる方法を、法制度化しておくことを考案した。

 それは、東電は民法第七二四条によって賠償地獄から半分ほど解放されるが、この解放がなされないよう、③民法第七二四条を東電のみが援用できないトンデモ法律──憲法が立脚する“憲法の大原則”「法の前の平等」を破壊する明々白々な憲法違反の法律だが、この法律による不法行政は“合法”となる──を立法するという“無法の立法”である。文科省の策謀どおり、この“悪の法律”は2013年5月29日に成立した。「時効特例法」(備考1)である。

(備考1)正式名称は、「東日本大震災に係る原子力損害賠償紛争についての原子力損害賠償紛争審査会による和解仲介手続きの利用に係る時効の中断の特例に関する法律」。

 民法第七二四条を東電のみ援用を禁止する法律など、ヒットラーやスターリンの暗黒の全体主義体制でない限り、立法できるものではない。そこで文科省は、②「東電が自ら勝手に、民法第七二四条の援用をしない旨を決めて、これを世間に公表した」との嘘事実を作り上げることにした。これが上記で述べた、東電の2月4日付けの「消滅時効に関する弊社の考え方について」。実態は、文科省が暴力団顔負けに東電をレイプしておいて、嘘「東電の方から誘いました」と公表するよう強要したのである。

 しかし、東電としても、2014年3月11日以降の裁判所の法廷においてならまだしも、2012年秋の時点で、このようなことを言われても、必要性もないし、理解もできない。ノーと言えば、それで済むもの。しかも、文科省はもとよりいかなる官庁も、民法第七二四条の援用放棄を行政指導する権限などあろうはずもない。文科省が、殺人を東電に行政指導で命令することができないのと同じである。

 そこで文科省は、悪知恵を回らした。民間企業には、中央官庁が行政指導で犯罪的な超デタラメなどやるはずもないという先入観が強いから、これを利用することにした。それが、①2012年12月19日付の戸板一夫(文科省研究開発局長)名で東電社長(廣瀬直己)宛の脅迫文まがいの「要請書(行政指導)」である。

 このとき東電はなぜ、“国家権力の濫用”を恣にしている文科省と死闘を演じても、断固として闘わなかったのか。戸板一夫の「要請書」は不当行政だから、争えば、戸板一夫に対する行政処分まで発展したのは確実だった。

 つまり、時系列的な順序は「①→②→③」。だが、文科省の思考順序は、共産党=日弁連と共謀して、③をまず計画し、②をもって無理筋の立法③の正当化と国会承認を図り、②を強要するために国民の眼には非公開が保持される①という「脅迫」をなしたのだから、「③→②→①」である。

今からでも遅くない。広瀬社長はすぐ、「二月四日付の時効援用放棄声明書」を白紙撤回する旨、インターネット上に掲示せよ。さもなければ、東電は賠償地獄そして墓場へと確実に直行する

 上記の文科省局長・戸板の「要請書」は、次のような主張をしており、まるでではなく、まさしく暴力団の脅迫言辞である。

「民法第一四六条の規定に従い、あらかじめ時効の利益を放棄すること等が法律上無効であるとの現行法の解釈の限界が存在することも踏まえた上で対応する必要がある」

 民法第一四六条は、たとえば、今般の東電の巨額の不当賠償強制が好例だが、権力濫用に暴走する国家権力から個人や法人の権利が過剰に侵害され続けることないことも考えた、人類の経験知に基づく条文。まさしく人類の数百年間に亘る経験と叡智の結晶である。これを否定するなど、野蛮人と変わらない文科省の、ヒットラー化/スターリン化は、想像以上に進んでいる。

 なお民法一四六条とは、「時効の利益はあらかじめこれを放棄するを得ず」の定め。

 「時効特例法」は、自由社会では存在が許されない暴力と変わらぬ、民法否定/司法否定の異常な法律だから、国会で充分に時間をかけて審議されたら、当然、否決される。そこで文科省は、事実上の審議ゼロにすべく、目にも留まらぬ超スピードでこの悪法を成立させた。文科省のこの犯罪的立法に謀議的に全面協力した閣僚は、やはり菅義偉・官房長官だった。

 いかに審議されなかったかは、内閣から五月十七日(金)、突然、衆議院・文教委員会に提出され、二十一日(火)には本会議で採択された。参議院でも文教委員会で二十八日(火)に形だけ審議され、翌二十九日(水)に本会議で採択され、法律となった。しかも、直ちに施行となった。

 「(民法七二四条のもとづく)時効援用の利益放棄」を文部省=日弁連が東電に強要したのは、「水俣病」におけるチッソと同じく、東電を、五十年以上も続く“永久賠償会社”にするのが目的。しかし、東電が「第二のチッソ」となる自滅へと直行する、文科省が不当な行政指導の形で強要した「二月四日付の時効利益の援用放棄声明」を出したのは、霞ヶ関官僚に対してやたらに平身低頭する民間会社だからでもあるが、「時効利益の援用放棄が事前にできない」“民法第一四六条の定め”の存在に、実際の裁判になれば覆させられると油断したのかも知れない。

 だが、文科省の「時効特例法」によって、東電の「二月四日付の時効利益の援用放棄声明」は、二〇一四年三月十一日以降も覆すことができない。

 東電が、現在の賠償地獄より百倍も千倍もひどい無限地獄の劫火の中で自滅にいたるこれからの惨澹たる最悪事態を回避したいのなら、やるべきことは、次の五つ。これ以外に、東電が史上最大の賠償地獄から逃れる“脱出の道”はない。

    1. 「二月四日付の時効利益の援用放棄声明」の白紙撤回
    2. 「五月二十八日の参院文教科学委員会での内藤義博副社長」の発言撤回
    3. 内藤義博副社長の懲戒免職
    4. 紛争審査会からの全面離脱
    5. 「時効特例法」を違憲立法の法律として「無効(廃止)」との最高裁判決を勝ち取る裁判闘争

日弁連のための「時効特例法」の目的は、東電の“永久賠償支払い会社”化

 さて、文科省=日弁連が「時効特例法」で念頭においてプランしているのは、いうまでもなく、次のような、東電を「死」=破綻に至るまで巨額賠償を課し続けること。

A、「避難指示区域」住民の放射線障害は医学的証明ができないが、PTSDに罹患したと詐称して、その逸失利益を休業損害だけでなく後遺障害まで請求する。

B、三・一一時点に「避難指示区域」」内のゼロ歳以上であった住民すべては、老衰を含め、すべての病気を「放射線障害による病気」と詐称し、損害賠償を請求する。これでは、ゼロ歳児が死没するまで、百年間訴訟し続けられる。

C、環境省が現在やっている放射性ヨウ素による甲状腺癌の推定値は、この2の対象となりうる「嘘証拠」づくりの好例(『朝日新聞』二〇一三年三月八日付け)。

D、「避難指示区域」の外に位置する企業や商店までに、「避難指示区域」の住民数の激減や風評被害からの収入損失の賠償請求させる(備考2)。

E、以下略。

(備考2)文科省・紛争審査会は、東電に対し「二月四日付の時効利益の援用放棄声明」で、「本件事故当時、避難等対象区域に居住していなかった方々、および同区域で事業をしていなかった被害者の方々についても、時効の完成をもって一律に賠償をお断りすることは考えておらず、時効完成後も、ご請求者さまの個別のご事情を踏まえ、消滅時効に対して柔軟な対応を行なわせていただきたいと考えております」と、強制的に語らせている。

 東電を、一日も早く、菅直人らの“赤い官邸”が国家犯罪としてなした“二〇一一年の不法行政の極み”強制連行に伴う、不当な賠償や不当な訴訟から解放させるのが、正しい電力行政である。それなしには、電力会社をして公共的責務というべき電力の安定供給に専念させうることはできない。が、安倍自民党政権は、民主党政権以上に、この正常とは逆方向に暴走している。

 もう一度言う。仮に東電に賠償を支払わせるにしても、すべての訴訟を二〇一四年三月十一日までに提起させてしまうのが、正常な行政である。これ以外の行政など、行政ではなく、ナチ体制や北朝鮮のそれと変わらない。

 そもそも自由な社会は、民法の「時効」の定めを絶対尊重する。「時効」の制度なしに、生命や財産を保障において擁護される自由は棲息しえない。このことは、ソ連や北朝鮮では民法の時効の制度が消滅している事実が、反面教師的に証明していよう。

 要は、国家の行政に、民法に違背するものがあってはならない。行政法に、(仮に「法の前の平等」を不問にするものが)一条であれ、一法人・一個人に対するものであれ、民法を否定するものがわずかも存在することは万が一にも許されない。

 この意味で、衆参の文教科学委員会では、自由の要諦である“法の支配”も「法の前の平等」も全面破壊する野蛮な狂気が支配者となっている。「時効特例法」を成立させた文教科学委員会は、自由社会である日本国の国会審議機関として、正常性をいっさい喪失した狂気の犯罪委員会である。こんな委員会は、即刻廃止されるべきが正当で緊要。「時効特例法」を制定する日本の狂気こそ、原発事故の一万倍も一億倍も重大視され自省され、かつ徹底糾弾されるべきである。

ますます凶暴な牙を剥く、文科省の“共産党員の巣窟”「紛争審査会」──「安心」の保障とは、日本国をオウム真理教の教団と同じ宗教組織への改造 

 東電は、2011年9月1日から、文科省・紛争審査会が設置した「原子力損害賠紛争解決センター=日弁連」の暴力団の恐喝まがいのあこぎなやり方に青息吐息である。だが、原発の再稼動を党是としながら、安倍自民党は、極左人士が牛耳る文科省・紛争審査会の現在のメンバー総入れ替えをしようともしない。それが暴走した成果の一つ、「時効中断特例法」の立法を阻止しようともしない。

 さらには、紛争審査会が、その本性をむき出しにして、日本という国家をオウム真理教の教団か何かに置き換えて、国家の行政が決して立ち入ってはならない、個人の信仰や心理の次元である「安心」にまで賠償しろと言い出した(2013年6月2日)。が、安倍政権は、ソ連や北朝鮮と同じ反自由の全体主義行政に健全に驚愕して、文科省とその紛争審査会を譴責しようともしない。安倍晋三の原発政策は、右を向いて左に走るアクロバット走者のような分裂症型の畸形、すでに空中分解している。

 さて、「時効特例法」とその付帯決議(備考3)に話を戻せば、それは、東電にさらなる超巨額・超長期の賠償支払いをさせる悪意で制定された。賠償請求権をもつ「被害者」の数をさらに無限に増加させようとの、悪徳弁護士の懐を潤すための策謀で満ちている。

(備考3)「さまざまな事情で<センター>に申し立てをしない(「できない」に改竄)被災者への特別な法的措置を本年度中に検討する」。これは権利を放棄する自由への侵害。

 「脱原発」へと国民がシフトした主因は、福島第一の原発事故ではない。この原発事故に発生した、法的正義にもとる強制避難という恐怖である。また、法的正義も科学を無視したベラボウな賠償支払いを電力会社に課したことに生じた電気料金の高騰への嫌悪感情である。

 “反医学・非科学のきわみ”のデッチアゲでなされている強制避難を解除すること、および、“法”に反する無法(unlawful)な賠償の打ち切りなくして、原発の再稼動や原発推進に国民の支持が戻ることはない。「時効中断特例法」は、「脱原発」への慣性をさらに倍加させるだろう。

 原発政策における安倍の支離滅裂は、これにとどまらない。菅直人と細野豪志が極左の“「反原発」屋”を委員長や委員長代理に選任した原子力規制委員会の、その同意人事において、「不同意」がほぼ自民党全体の声だったのに、安倍晋三はそれを強引に封殺して「同意」させた。

 ともあれ「時効中断特例法」によって、東電が支払う賠償は、最終的には、最低でも「三十兆円」を超えるだろう。しかも、それは少なくとも今後五十年間、つまり二〇六五年頃までは続く。

 すなわち安倍自民党政権とは、“東電を無限賠償で完全に骨の髄まで喰らいつくす”のを認める「時効中断特例法」の制定をしたのだから、東電を賠償支払い専門会社にする近未来の「東電解体」をすでに決定しているのと同じである。外国への「原発輸出」では実に健全な安倍晋三総理は、分裂症なのか、口では「原発再稼動」と言うが、日本国内の「脱原発」行政制度を構築した“菅直人の亡霊”に呪縛され、その忠実な後継者である。 

(2013年5月31日記、一部につき後日加筆)

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