ロシアに国を売る“第二の松岡洋右”安倍晋三──ベルギーで“プーチンの犬”を演じた安倍は、日本国の総理なのか!?

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筑波大学名誉教授   中 川 八 洋

 二〇一四年六月五日、ベルギーの首都ブリュッセルで開催された二日間のG7(主要七ヶ国)首脳会議は、ウクライナ国のクリミア半島を侵略し併呑したロシアの帝国主義的行動に対し、対ロ共同制裁を確認して閉幕した。ところが、このG7で安倍晋三は、“外交音痴”以上の“売国奴”性をさらけ出した。

 七首脳の中で、安倍晋三の言動は、際立って場違いだった。合意されているロシアの孤立化への共同制裁強化を牽制して、日本の孤立化をブーメラン的に促進するという逆走・暴走外交をする始末。安倍のこの異様な転倒対外行動は、新ロシア帝国のプーチン「皇帝」(大統領)に、叩頭し阿諛さえしておれば北方領土が返還されるという、現実と乖離した自分勝手な思い込みの妄想に耽っているからである。

ロシアは拳骨を振り回せば妥協するが、阿諛・叩頭すればさらなる収奪に走る

 安倍晋三の安倍家は、江戸時代の百姓身分から続く農家である。一応、庄屋の小地主であったが、百姓である事には変わりはない。外国との交際は、すべて武人系の貴族の感覚でなくてはできず、明治時代の日本外交が見事であったのは、陸奥宗光にしろ小村寿太郎にしろ、すべて武家階級の出身で幼少の頃「武士」として訓練がなされていたからである。英国でも、“外交天才”ウィンストン・チャーチルは、軍人の家系の貴族出身だし、陸軍士官学校を卒業している。

 外交は、戦争の一形態。世界最高の外交の教範といえば、やはり兵法書『孫子』に尽きる。外交とは、非軍事的に「敵国」をして当方の外交意思に同意させる非軍事的戦争だから、“軍師”黒田官兵衛と同一の能力が備わっていなくてはならない。

 このことは、日本が領土奪還を目指す相手国ロシアとの外交交渉であれば尚の事、日本の武士と英国貴族とのハイブリット的な知見と精神とが備わっていることが最低条件となる。だが、安倍晋三の感覚も能力も、祖先からの庄屋クラスの農民のままだし、神戸製鋼の海外セールスマン以上の対外交渉の素養など存在しない。

 安倍が学歴が低くIQが低いということを等閑視してはならない。それは、ロシア民族の外交文化に係る知見がひとかけらも頭に入っていないということで、日本外交にとって致命的なマイナス。頭が悪すぎると、歴史の経験を教訓として学ぶことはできない。

 ロシアは、力には屈するが、紳士的な友好態度であれば“ロシアの属国”になったとしか考えない。安倍晋三は、サミットの直前、米欧が入国拒否している制裁対象人物「ナルイシキン下院議長」(プーチンの側近)をわざわざ日本に招待した(六月二/三日)。このような安倍の対ロ阿諛外交は、ロシアに北方領土を返還しなくてよいとのメッセージを送ったに等しい。

 また、これによって、日米同盟関係には大きなひびが入った。ために、安倍晋三が構想する対中牽制の日米同盟強化は腐食的に崩れつつある。安倍は米欧諸国に信用されておらず“ならず者 rogue”と看做されている現実をせせら笑っているが、米欧諸国の安倍観のほうが正しい。安倍は日本外交にとって実に危うい政治家である。

 さらに安倍晋三には、資質上の重大な瑕疵がある。彼は、ウクライナへのロシアの侵略が中共の尖閣諸島侵略につながると懸念し日米の絆強化が不可欠だと正常な認識をした次の瞬間、北方領土の返還のためには日米の絆などどうでもいいと考える。この矛盾はなはだしい分裂型思考は、安倍に何らかの深刻な精神障害があるのを示唆する。

 ともあれ、ナルイシキン下院議長に対して歓迎の意を伝えるべく、安倍はそのイベント会場で自分の祝辞を世耕・官房副長官に代読させた。また、伊吹文明・衆議院議長に公式晩さん会を開催してもらい、ナルイシキンを歓迎している。しかも、この席に、“札付きの対ロ売国奴”森喜朗まで同席させた。

 このような対ロ友好姿勢は、安倍晋三がロシアのウクライナ侵略を支持していることになる。また、ロシアの北方領土侵略を支持することになる。だが、論理的な思考が全くできない安倍は、自家撞着する自分の異常行動が認識できない。

安倍晋三はなぜ、ハンガリーかチェコで「ロシア侵略糾弾」をしなかったのか!

 オバマ米国大統領は、ウクライナ問題ではかなり常識的な行動をとった。ベルギーでのG7出席前にポーランドに立ち寄り、ウクライナの次期大統領ポロシェンコと会談してウクライナ支援を公約した。また、東欧諸国への駐留米軍事力の増強を約束した。

 しかるに安倍晋三は、G7のブリュッセルに入る直前、立ち寄るべきチェコかハンガリーに立ち寄らなかった。それらの首都で、ロシアの侵略を糾弾する演説をすることは、ロシアを怒らせ、ロシアに北方領土を返還させる気を起させる好機であったが、“ロシア音痴”というより“ロシアの犬”に近い安倍晋三は、このような発想がない。

 ロシアは、自分を怒らせた国にのみ妥協して、盗んだ領土を返還する。東欧諸国を一九八九年十一月に返還したのは、レーガン大統領が強大な核戦力を構築して「核戦争するぞ」「核戦争をしようではないか」と軍事挑発を繰り返したことへの怒りと恐怖が、妥協する気を醸成しその決断となった。

 なお、安倍の立ち寄る先がチェコであれば、「プラハの春」を戦車で蹂躙した一九六八年のロシア侵略について、ハンガリーであれば一九五六年のロシア侵略について、一九四五年夏の日ソ中立条約を侵犯した日本の樺太や国後・択捉島侵略と対比させつつ、“ロシアの対ヨーロッパ侵略を二度と許さない”と演説を結べばよいのだから、簡単なことである。

 だが、百姓の出である安倍晋三は、領土返還という戦争と同レベルの国家間の外交を、村の小さな水田の所有権を争う村人同士の係争ぐらいに安易に考えている。確かに村内の田圃の所有権争いなら、相手を怒らせるのではなく相互に和ませるのが解決への常道。

 だが、北方領土を不法占領している侵略国家は、十三世紀のチンギスカーンのモンゴル帝国そのままの時代錯誤の蛮族ロシアである。「自分を怒らせたら妥協(退却)、自分に微笑んだら侵略OKのサイン」を対外政策の基本としている前時代的な野蛮国ロシアである。安倍の対ロ姿勢は、甚だしい対ロ逆立ち外交であり、ロシアをして、より強硬な対日姿勢に追いこんでいる。

 安倍晋三よ、ウクライナのポロシェンコ大統領の就任式典には、麻生・副総理を日本政府代表として必ず派遣せよ。それこそ、北方領土を奪還できる方向に、ロシアを振り向かせる分水嶺となるだろう。

安倍晋三は、この夏、留萌で「三船遭難」慰霊祭を絶対に挙行せよ──ロシアを怒らせるのに成功するとき、領土奪還の曙光が見える

 ロシアに奪った領土を返還させるには、徹頭徹尾、ロシアを糾弾し心理的にロシアを孤立化する以外の方策はない。良心もなく善悪の峻別もしない法的正義の概念すらない、先天性の野蛮民族ロシアが「妥協=退却」を選択するのは、次の三ケースのみ。

第一は、核戦争の恐怖。

第二は、軍事的・外交的な世界の孤児化すなわち軍事的・外交的な被包囲情況。

第三は、ロシア民族の野蛮性・後進性に対しての、世界中の嘲笑と糾弾による心理的な被包囲情況

 日本の固有の領土を返還させることは、侵略文化しかないロシアにとっては軍事的退却のことである。軍事的退却である以上、それはよほどの敗北感がロシアを覆う心理的大ショックの時以外に、そのような決断に至ることはない。この故に、「退却」は、上記の三つに限られるのである。

 また、ロシアは万が一にも外交交渉で領土を返還することに合意することはない。中国との国境画定でかなり譲ったと、ソ連工作員の岩下明裕(北海道大学スラブ研究センター教授)などはしたり顔でご宣託を垂れるが、まったく意図的な謬説。それは、あくまでも未確定国境の確定であって、奪った領土の返還ではない。

 ロシアは、奪った領土を、しばしば自分から突然投げ出すかの如く返還する。一九八九年の東欧諸国のヨーロッパへの返還(=東欧諸国からも軍事的退却)も、いっさい外交交渉などなかった。外交交渉で領土を返還することは絶対にしないロシア対外政策は、イワン三世による一四八〇年の建国以来、五百三十年以上の永きにわたって例外なく堅持されている。「外交で屈する前例を一つでも作らない」は、ロシア民族が命を捨てても守り続けてきた、五百年の民族固有の絶対国是である。

 すなわち、北方領土をロシアに返還させるには、ロシアが自ら北方領土を対日“お土産”として持って来させるように仕向けることしかない。“無交渉の交渉”、それこそが唯一の対ロ外交の神髄である。

 安倍晋三が、北方領土を返還させたいのであれば、まず決して外交交渉をしてはならない。そして、強大な核戦力を保有しない日本としては、上記の「第二」「第三」しか採りえない。

 そこで、安倍晋三が早急に&必ずすべき、「第三」に関係する対ロ糾弾の行動を提示する。安倍晋三がもし、これをしなかったら、安倍晋三とは心底からの“ロシアの犬”で非国民なのが証明されたことになる。

 対ロ糾弾行動の一つは、来る八月二二日、北海道で盛大な慰霊祭を挙行することである。この八月二十二日とは、一九四五年八月のそれだが、日本国家のポツダム宣言受諾を戦勝国側も了解し、八月十五日に停戦となった、その一週間後に当たる。この日、ポツダム宣言で放棄が定まった樺太から日本の婦女子五千百名を乗せた引き揚げ船三隻──泰東丸、第二振興丸、小笠原丸――を留萌沖にてソ連の潜水艦が面白半分に撃沈した。ために、うち三分の一の一千七百名が溺死した。

 安倍晋三よ、有害無益な四月二八日の「主権回復記念日」などをする暇があるならば、今年の八月二二日、留萌市で「引き揚げ三船遭難慰霊祭」兼「蛮族ロシアの非道を許さないロシア侵略糾弾国民集会」を政府主催で開催することだ。

 この慰霊祭を盛大に挙行する時、安倍は愛国心を本当に持っていることが内外に知れ渡る。世界の安倍への信用は、絶大なものになるだろう。同時に、ロシアの蛮行糾弾が世界に発せられるから、ロシアは初めて、日本に対して不法占領地の返還への動きを見せるだろう。

阿鼻叫喚の満洲の生き地獄は、日ソ中立条約を締結した松岡洋右の大罪──北海道へのロシア侵略を助長する、プーチンに騙された安倍晋三の痴呆

 安倍晋三は今、世界の笑い物である。プーチンは北方領土を決して日本には返還しないと世界に公言しているが、安倍晋三はゲイなのかプーチンに惚れて痺れてプーチンの正体が見えない。

 理由は簡単。安倍は極東シベリア開発への協力を先にしてしまった以上、もはやプーチンにとって安倍は“用済みピエロ”の何ものでもない。用済みになったとはいえ、まだ“役に立つ白痴”として安倍を利用して日本から搾れるだけ搾ろうというのが、プーチンのロシアが現在も進めている対日政策である。

 プーチンは、去る5月19日、公式サイトに、「第二次世界大戦の戦果・歴史の見直しはしない」と断言し、「北方領土はロシア領だ」と日本こそは認めるべきだと要求した。プーチンはスターリンの正統な後継者だと自認しており、スターリンの対日侵略の成果をびた一文も変更する気はない。プーチンと仲良くすれば北方領土が還ってくると考えているのは、プーチンに頭をレイプされて歓喜の声をあげる“世界一の白痴”安倍晋三だけである。

 よくよく考えると、安倍は、日本の婦女子二十万人をロシア兵にレイプし放題/殺し放題の生き地獄で殺した、“日本一の悪魔”松岡洋右の親類である。外務大臣だった松岡洋右はスターリンのソ連とヒトラーのドイツと日本とムソリーニのイタリアで世界を分割統治するという荒唐無稽な“ポスト第二次世界大戦の世界”を幻覚し夢想した。その結果が、満洲と樺太を生き地獄と変え、さらにこれらの領土をロシアに奪われた。国後・択捉島の北方領土が今なおロシアの不法侵略中であるのは、松岡洋右が日ソ中立条約でロシアに騙されたから生じたのである。

 だが、安倍晋三は、国民に対し「自分の親類がスターリンに抱きつかれキスまでされてロシアに騙されたばかりに、(一〇五万人連行されたうち)四十から五十万人の日本男児がシベリアで殺され、(百五十五万人の一般邦人のうち)二十万人の日本人婦女子がレイプされた揚句に殺害されてしまいました。ごめんなさい」と謝罪したことがあるか。

 この謝罪がないということは、軽薄な人気至上主義の政治家である安倍晋三には、失敗の歴史を学ぼうとする謙虚かつ真摯な考えが全くないということである。そうであれば、頭が際立って悪く、その上、対ロ外交のズブの素人である安倍晋三が、人類史上突出する“外交天才民族ロシア”との領土返還交渉において、大敗北以上の禍根を日本国に遺すこと必定、ということになる。

 今、日本の国益を思えば、直ちに安倍晋三に北方領土に関する対ロ接触を全面中断させること、これに尽きる。日本には、対ロ交渉ができる人材は、吉田茂を継承するXが存在している。真に北方領土を奪還したいのなら、まずXを日本政府首席代表にすることから始めるべきだろう。

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