筑波大学名誉教授 中 川 八 洋
産経新聞「正論」欄メンバーには、天皇制護持を真剣にかつ心底から憂慮する、一般通念上の「真正保守」は、一人もいない。そこで基準を緩め、皇位継承に関する知識が杜撰でお粗末きわめる事には目を瞑り、“皇位継承=男系男子” 派であれば合格とすれば、渡部昇一と八木秀次の二人がようやく思い浮かぶ。
産経新聞「正論」欄メンバーで、物故者を除き、百名を越えるだろう生存する者のうち、二名だけとは「2%以下」ということ。正論欄「メンバー98%以上」のほとんどは、天皇制廃止狂ということか。むろん後者の数字には、デタラメ天皇制護持演技派や無関心派を含めているが。
だが、過激な天皇制廃止を秘密社是とする産経新聞は、販売上の商業的戦術として、「民族系/民族主義」を前面に出してカムフラージュをする。そして産経新聞は、これら「98%以上」の「正論」欄メンバーに対して、天皇制度や皇位継承問題について口にチャックさせるか、口にチャックができない論客には(天皇制廃止の)真意を狡猾・巧妙なレトリックや詭弁で糖衣するよう要請する。
““不敬の罪人”西尾幹二と加地伸行は「正論」メンバー ──“読者騙し紙”産経新聞は、「日の丸」で包んだ『週刊金曜日』②” の続きを読む