筑波大学名誉教授 中 川 八 洋
ウクライナ国の東部におけるロシア人系住民の分離独立を狙う武力叛乱は、マレーシア航空の旅客機をミサイルで撃墜するという蛮行へとついにエスカレートした(七月十七日)。乗客・乗員二九八名すべてが殺害された。
日本では、このマレーシア旅客機撃墜を、朝日新聞のように「親ロ派の仕業のようだ」だけの、通り一遍の報道で済ますのが一般的である。だが、果してこれが健全で中立的な報道といえるか。
なぜなら、ウクライナからの分離独立を巡る表面上の「内戦」は、隣国ロシアのウクライナ侵略であるのが明白。にもかかわらず、「親ロ派…」と報道することは、さも純粋な「国内の内戦」であるかに作為した嘘報道つまり偽情報ではないのか。つまり、朝日新聞やNHKその他の日本の新聞テレビは、視聴者の日本国民を騙している。日本国民から真実を知る権利を奪っている。
ウクライナの分離独立の武力蜂起は、正しくは、「内戦」に見せかけたロシアによる隣国ウクライナに対する侵略であって、それ以外ではない。マレーシア旅客機撃墜こそは、これを証明した事件であろう。
“マンネルへイム元帥の教訓を忘れたウクライナを反面教師とすべき日本。履き違える安倍の危険 ──マレーシア機撃墜は、「親ロシア派」ではなく「ロシア侵略部隊」” の続きを読む