習近平の“狂説暴言”「南京大虐殺」宣言に対抗するに、安倍晋三よ、空母建造と尖閣要塞化を宣言せよ! ──だが、怯懦と醜態あらわな尻尾を巻いて逃げるだけの安倍晋三

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筑波大学名誉教授  中 川 八 洋

 総選挙投票日の前日であったために(2014年12月13日)、全く話題にならなかったが、日本の国家安全保障を揺るがす大きな動きが隣国の中共で発生した。赤色支那帝国の皇帝と称すべき習近平・国家主席が、南京の「南京大屠殺記念館」で開催された「南京大虐殺犠牲者国家追悼日」式典一万人集会において、こう煽動した。

「南京大虐殺の事実を否定しようとしても、30万人の犠牲者と13億人の中国人民、平和と正義を愛する世界の人々が(、日本を)許さない」(注1)。

 歴史の大偽造とはこのようなことを言う。しかも、嘘をつくことと殺戮する野蛮性・残虐性が民族文化である漢族(支那人、備考)においては、これしきの嘘は小さい方に属するから始末が悪い。

(備考)「中国人」などという民族は世界にいない。学問的に正しい「支那人」とか「漢族」とか、正しい言語を日本人は使用すべきである。

「南京大虐殺は、歴史の捏造」をキャンペーンする『WILL』『正論』の有害無益

 しかも、日本では、“中共の工作員”孫崎享を例に挙げるまでも無く、外務省は中共シンパだらけだから、これに抗議すらしない。自民党は無論、安倍晋三内閣も、対外情報戦の意識が赤ン坊並みで全く存在しないし、その能力は精神薄弱児並みで皆無に近い。安倍が妄執で創った日本版「国家安全保障局」は、実態において機能不全。役立たずの盲腸官庁でしかない。

 一方、民族系論壇誌『WILL』『正論』などは、定期的に「南京大虐殺など、歴史事実に反する!」と甲高い声で騒ぎ立てることで部数を維持しているが、日頃、大東亜戦争に関する真赤な嘘歴史ばかりを書きまくる歴史偽造が専門だから、一定水準以上の知識層からは信用などされていない。それに、同じ執筆者の、同じいい加減なエセーが繰り返し掲載されるだけだから、読者はみな飽き飽きしている。

 こんな無責任で知性ゼロの『WILL』『正論』が毎月垂れ流す、劣悪・水準以下のデタラメ煽情エセーを読むものは、当然のことだが、今ではニートやフリーターそして北朝鮮人ばかりとなった。真っ当な日本人はほとんどいない。

 なぜ『WILL』を、北朝鮮人が特段に愛読するかの理由の第一は、毎号かなりの数の北朝鮮人が執筆するからである。それだけではない。『WILL』は、在日北朝鮮人達にとって「どうすれば“日本人愛国者”を擬装できるかの最高の手引書」として編集されているからである。

 『WILL』『正論』の日本の国益を害する問題は、他にもある。コリアン編集長たちが人格的にも異常な口から出任せで書きまくる性悪執筆者とグルになったイカサマ月刊誌として、国内外でその悪評が定着している問題だ。両書は、国際的には信用が完全失墜した信用ゼロの低級俗悪雑誌。信用性・信頼性においては、購読部数激減の朝日新聞よりはるかにひどい。

 つまりこうだ。『WILL』『正論』が「南京大虐殺など歴史事実に反する!」と主張したのだから、「南京大虐殺は、どうやら歴史事実のようだ」とみなすのが、米国を始め世界各国のいわば世界標準だし、世界の常識となっている。

 それ以上に、「南京大虐殺」の問題は、すでに歴史論争のレベルをはるかに越えた、国家存亡の次元のものである。この事態を、日本人は真剣に自覚すべきだろう。これが、本稿のモチーフ。

 日本側の信用ある雑誌や新聞で「南京大虐殺は、虚構歴史だ!」との、学術的に高度な良質の論文が仮に十本ほど発表されたとしても、それによって中共との間における熱い歴史論争が始まるとか、歴史の真実を求めるボクシングのリングが日中間に設定されるとか、そのようなことはもはや全くありえない。

 “歴史の偽造”南京大虐殺について、“日中間で歴史論争すれば、歴史の真実が合意され、本件問題に決着がつく”と吹聴する者は、それこそ夢想家の妄想。非現実も甚だしい。しかも、このような考えの宣伝は、日本人から現実直視を奪う、中共側の偽情報工作でもある。かつて首相の小泉純一郎が騙された。

習演説は対日戦争の宣戦布告 ──スターリン演説を忘れた日本人

 なぜなら、習近平の上記の演説は、捏造歴史を日本側に飲め!と要求したのではない。中共の獰猛な漢族13億人に向かって「日本人を殺しまくる戦争を近く開始するので準備せよ」と、対日戦争準備宣言をしたのである。

 「最低でも尖閣諸島/宮古島/石垣島を占領するぞ」「それだけで無く、沖縄本島占領も成功させるぞ」と、残虐な殺戮とあくなき侵略を伝統とする野蛮民族たる漢族全員に、対日戦争開始をアッピールしたもの。そもそも習近平のこの血腥い演説を聴いて、対日戦争開始をロシア人に闡明した一九四四年十一月のスターリン演説そのものだ!と戦慄しなかった日本とは、一億人もいながら日本国民に国を守らんとする愛国心がもはやゼロになった証左であろう。英米との関係においては、ロシアは日本に対し中立条約上の「中立」を守らねばならないが、スターリンはこの「中立」義務を破り、革命記念日にこう演説した。

「かの<真珠湾事件>やその他の諸島における攻撃、香港、シンガポールに対する日本軍の最初の攻撃のごとき事実は、決して偶然とみなすべきではない。侵略国としての日本が、平和愛好政策を堅持せる米英両国よりも戦争に対し完全な準備を整えていたことを示すものである」(一九四四年十一月六日、注2)。

 だが、愚かな日本は、このスターリン演説が、ロシアの九ヶ月後の満洲・樺太・国後・択捉への侵略宣言であることを見抜けなかった。代わりに、外務省はこの演説に「困った、困った」とやたら右往左往し、共産赤軍となっていた帝国陸軍は欣喜してスターリンに対日侵攻のルートを共同研究してあげる機密漏洩・外患誘致の軍刑法違反に精を出した。

 一九四五年八月九日、満洲へロシア侵略部隊の主力が興安嶺山脈から怒涛の如く雪崩れ込んできたが、これは、大本営陸軍参謀の陸軍中佐・瀬島龍三がモスクワまで出向いて二週間かけて指導したものである。

 ともあれ、このスターリンの対日敵視演説に驚愕した外務省のパニックは、たとえば、次のようなものだった。まず、重光葵・外務大臣は、スターリンが大東亜戦争の全体像につき「現在」の誤解を解いて、(松岡洋右を誑かした)日ソ中立条約締結時のスターリンの「認識」に戻せないかの工作を佐藤尚武大使に命じている。

 むろん、重光より国際情勢に通じていた佐藤・駐ソ大使は、世界の動きとソ連についての重光外相の無知さを激しく難詰している。一九四四年に入ってからの日本国内では、重光が世界の動向からのズレが最も少ない政府高官だから、戦争遂行の日本の軍人・文官のトップ層とは完全に世界の動向に盲目で聾だったことを意味する。

 この盲聾ぶりは、一九四五年四月五日、小磯内閣の総辞職したその日を好機としての、スターリンの日ソ中立条約破棄通告に対する、その後に成立する鈴木貫太郎首相や陸海軍の事実上の無反応・無関心ぶりに通じている。ソ連に対し多少の警戒を怠らなかったのは、外務大臣に復帰した東郷茂徳ぐらいであった。

 しかし、軍・政府の各組織の中で相対的には最も真っ当だった外務省ですら、二月十一日にスターリン書記長とルーズベルト米国大統領が署名したヤルタ秘密協定(東欧分割占領を定めた「ヤルタ協定」の方ではない)を探知しなかった。日本が最危険なソ連を“ひたすら友好国に扱って”いつまでも危険視せず、ソ連に米英との仲介を依頼する一九四五年七月の“世紀の逆さ外交”の罠に嵌ったのは、こうした日本人のソ連幻想、対ソ転倒認識の当然の結果だった。

 日本が敵国ロシアの悪魔の本性を知ったのは、ソ満国境から「人員百六十万人/火砲二万六千門/戦車自走砲五千六百輌」ほかが大津波の怒涛のごとくに襲いかかった一九四五年八月九日だった。破棄されたとはいえ未だ日ソ中立条約が有効であった。

 そして、この戦争後の満洲占領行政中の翌一九四六年四月までだけで、二十万人もの日本人婦女子がレイプされ放題/略奪され放題で殺戮された地獄絵の満洲の阿鼻叫喚が現出した。この酸鼻な光景は、ソ連と通謀した日本の関東軍と大本営の陸軍軍人や外交官・政治家たちが誘導したものだが、一九四五年四月の日ソ中立条約の破棄通告が対日侵略開始の最終ゴングだった、ロシア民族の対外行動の当り前のことを、そうではないかに勝手に妄想した日本人のソ連幻想こそ主因であったともといえよう。

中共の尖閣・石垣島侵略は、同時に背後からロシアの北海道侵略が連動する!

 それから七十年、上記のように、習近平の対日戦争準備宣言が十三億人の漢民族に向けて発せられた。だが、この習近平演説の戦慄する内容を正しく把握した日本人は幾人いるのだろうか。一億日本人の中でも「数名ぐらい」だろうか。大東亜戦争中のソ連幻想をそっくり繰り返す中国幻想が、現在の日本国民の上にどんよりした低い雪雲のように厚く覆いかぶさっている。

 習近平の演説を聞いて、尖閣諸島/宮古島/石垣島の要塞化を急げ!陸上自衛隊の小部隊を常時これら三島に駐屯させよ!、STOVL機搭載の空母を建造せよ!、安倍晋三の「海上保安庁の巡視船強化で対処する」は弥縫策にすぎず、根本的に無益で本末転倒の大間違いだから、安倍晋三の頭をどうすれば外交・軍事学的に正常化させ国防への責任意識を植え付けうるか、などと正しい憂慮をしたものは、日本国民に果して「数名」ですら、いたのだろうか。

 日本の現実とは、日本国民が精神において亡国状態を確定させており、「安倍晋三が習近平と、もっと話し合いをすれば、尖閣問題は解決するし、日中両国の平和的な共存は可能だ」との、実に笑止で荒唐無稽な中国幻想に耽るばかりである。要は、日本人の多くは、“怯懦な弥縫策”である巡視船強化でお茶を濁して中共の軍事脅威問題から逃避する滑舌芸人的な安倍晋三よりはるかに惰弱で堕落に耽溺している。自国の領土を守る意識など雲散霧消していて、ひたすら究極の無責任と無関心を恣にしている。

 もう一度まとめる。第一は、南京大虐殺という中共の歴史の捏造による対日糾弾に対して、歴史論争で反駁する時代はとっくに過ぎたということ。第二は、「南京大虐殺」問題への対処は、尖閣から沖縄に至るわが日本の南西領土を日本男児の血と汗で防衛・死守するしかない軍事情況をしっかと認識すること。具体的には、空母数隻の建造を直ちに開始し、沖縄離島を要塞化し、自衛隊を国防軍に正常化する憲法第九条の改正である。

 そして忘れてはならないことが、もう一つある。ロシアが、中共の尖閣・石垣島侵略時に、確度百%で北海道に侵攻する中露の同時挟撃侵略が起きる問題である。それなのに、日本の政治家の中で多少はまともに見える安倍晋三とは、中共には怯懦で逃げ腰であっても多少は危険国家であることを認識できるのとは異なり、ロシアに対しては一八〇度逆の超馬鹿妄想に耽る“スーパー親ロ”病の重症患者である。

 なお蛇足だが、“火事場泥棒の天才”であるロシア民族固有の侵略文化は、ポーランドにヒットラー・ドイツが西から侵攻した一九三九年九月一日から二週間後の九月十七日にポーランドに東から侵攻したことなど数限りない。一九四五年八月、南からの米軍が沖縄を六月に陥落させた二ヶ月後、ロシアは北から日本・満洲に侵攻した。このように、火事場泥棒的なロシア挟撃侵略戦法は、誰でも知っているこれら極イロハ的な歴史を思い起こすだけで自明だろう。

 それなのに高速道路を逆走するかのように、安倍晋三は陸上自衛隊に、「北海道防衛なんかするな」と厳命し、北海道をロシアに貢ぐことを決定した(注3)。この怖ろしい事実をなぜか日本国民は騒がない。“明日の北海道民は、昨日の満洲の阿鼻叫喚を再現する”事態が進行しているが、なぜか北海道民はノホホンと平然としている。

 日本国民は、今や明らかに国民ではなく、生物学的なヒトになった。日本民族の伝統や慣習あるいは歴史から切り離されてしまい、あるいは倫理道徳を全て自ら遺棄した、非・日本国民に退化してしてしまったのである。

 このように日本人は、国民意識を喪失し、精神における「死体に近い夢遊病者」に変貌的に改造されてしまった。亡国寸前の国家とは、世界の人類史的には、今日の“死に体”国民からなる国家を云う。

 国防を忘却した民族など“国民”ではないし、国民でなければ人間ではない。この意味で、「南京大屠殺記念館」での習近平の対日戦争準備宣言が、一部の日本人に対して、仮に対露防衛や北海道の危機を多少喚起したとするならば、表では余り言いたくないことだが、愛国心をもつ最後の日本人はこっそりと感謝しなくてはならない。

1、『朝日新聞』、2014年12月14日付け。

2、工藤美知尋『日ソ中立条約の研究 』、南窓社、二〇五頁。

3、新防衛大綱の別表によれば、戦車・火砲を現有の741輌・約600門を半分以下の約300両・約300門にすることを安倍内閣は2013年12月に閣議決定した。『朝日新聞』2013年12月18日付け/11月22日付け。  

 なお、陸上自衛隊の将官の半分は共産党系でロシアの工作員も多いと分析するのが、専門家の間での通説である。

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