筑波大学名誉教授 中 川 八 洋
英国の新聞『ザ・ガーディアン』紙2018年10月11日付けに、現在の日本人が緊急に必読すべき重要な記事が掲載されている(注1)。いわゆる“女装トランス・ジェンダー強姦魔”事件。この犯罪者は男性器を持つ屈強な男性52歳(事件発生の2017年秋現在)で、通称名はKaren White。女装や女性の振り「演技」が抜群で、巧みに法務省・刑務所関係者を騙し誑かし、女子刑務所の囚人になった。そして、収監されている女性受刑者二人を強姦した。
「トランスジェンダーの性自認」認定は医学的に不可能。「性自認」否定が正しい行政
英国では、受刑者がトランス・ジェンダーを申し立てると、「トランス・ジェンダー委員会」が審査し、女子刑務所か男子刑務所に振り分ける。日本の刑務所は、まだ科学に正しく沿ってgenderを否定して医学的・生物学的な外形上の男性/女性sexに従って収監しているから、英国法務省のような残酷な強姦事件の共犯者にはなっていない。
この強姦魔の本名はDavid Thompson。彼は狂暴で、性犯罪を含む多くの刑法犯罪歴があるのに、今流行りの「LGBT犯罪者への非難は、LGBTへの差別だ、LGBTへのヘイト・スピーチだ」という逆恫喝の手段をフルに使用した。このような性犯罪を計画している男にとって、女装も、「女性」演技も、「トランス・ジェンダー委員会の委員“誑かし”」も、朝飯前で簡単なこと。ネットにKaren Whiteの女装写真が流れている。一見されたい。女装技術は見事で、歌手のIZAM級である。
この事件後、英国法務省は国民に謝罪し、Karen Whiteは男子刑務所に移送された。また、イングランドとウェールズの女子刑務所収監の「『女性』詐称トランス・ジェンダー152名」のほとんども、男子刑務所に収容された。
この事件は、起こるべくして起きた。何故なら、次の鍵カッコ内が学的な常識なのに、Karen Whiteを女子刑務所に収監した法務省が、この学的常識に反した左翼の暴論狂論奇論に従い、“事実を逆さにした安易な行政判定”という大ミステークを犯していたからだ。
「LGBTのうち、レズ/ゲイ/バイセクシャルのLGBと、トランス・ジェンダーのTとは根本的に相異する。前者LGBの性的指向は何らかの方法で客観的に証明できる。一方、後者Tの性的指向と性自認は客観的に証明する方法がない。基本的には、このT自身の自己申告に委ねる他なく、審査側が嘘と誑かしから免れることは困難」
上記の学的常識に対し、ありきたりな反論が必ず浴びせられる。「トランス・ジェンダーは、精神科医師が診断すれば見分けは可能だ」というお決まり。が、門外漢の精神科医師の診断書など、紙切れ以下。ナンセンス極まりない。何故なら、精神科医だけでなく、それ以前に、医学界にはトランス・ジェンダーだと詐称する性的変質者/性犯罪者予備群の嘘を暴く、医学的な方法が全く存在しないからだ。この分野の研究をする変人医者は、世界中を見渡しても現実には一人もいない。
先述の、英国の法務省に設置されている「トランス・ジェンダー委員会」は、審査など不可能だから“雑談ごっこのオザナリ会議”に終始した。彼らは「トランス・ジェンダーが本物か偽物かを判定する医学的知見」を持たない以上、そうするほかない。「トランス・ジェンダー委員会」の設置それ自体が、マヤカシの極み。